×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
■アイヴィー×ソクーロフ
「アイヴィーさーん!」
保健室へ行く途中、高めの声に呼ばれた。
身体も中等部の生徒くらい小柄だけど、
あれはシュヌーシア寮専属シェフ、ドニ・ドームだ。
今日のドニは青系で爽やかな服を着ている。
真っ白な半袖のポロシャツに、
ライトブルーの腰巻きエプロンが映えている。
下はジーンズに近い色をした七分丈のパンツ。
頭にはエプロンと同色のバンダナを巻いていた。
キッチンの窓から俺が見えて、
わざわざ走ってきてくれたらしい。
保健室に一番近い寮がシュヌーシア。
俺が保健室に行く時、丁度キッチンの前を通る。
そういう時、俺の姿を見かけると、
ドニはどういうわけか、わざわざ俺を呼んでくれて、
夕食の味見とかさせてくれる良いシェフだった。
小柄なシェフは俺を見上げて、こう言った。
「こんにちは、アイヴィーさん。
今、少しお時間ありますか?」
「うん」
「今日のおやつ、ちょっと作り過ぎちゃいまして、
良かったら、食べて行きませんか?
アイスキャンディなんですけど」
俺は持ってきた手土産を保健室の先生に差し出した。
「ハイッ、コレ。ソクちゃんの分」
先生はソレを受け取らず、
座ったまま、冷たい眼差しで俺を見る。
「今、ドニがおやつの余りモンくれたんだよ。
俺はオレンジでー、ソクちゃんにはチョコ味、
選んできてあげたよ? ソクちゃんスキでしょ、チョコ」
木の棒に刺さったチョコ味のアイスキャンディを、
ハイ、ともう一度、突き出すが、まだ受け取って貰えない。
「もー。溶けちゃうからー、とにかく貰ってよー」
渋々、仕方なく、受け取って貰えた。溜め息混じりに。
「まあ、ドニが用意した物なら、味は保障されているか」
ソクーロフがアイスキャンディの先っぽを咥えた。
俺は診察用の回る椅子に座って、
自分のアイスキャンディを口に入れた。
オレンジの粒々まで感じられる、マジでオレンジ味。
「ドニのヤツ、イチから手作りしたらしいよ?
フルーツ系のアイスキャンディは、
果物をミキサーにかけるとこから始めて、
アイスの型に、その生絞りジュースと、
スライスした果物も入れたんだってさー」
見た目にもキレイなアイスキャンディだ。
「ほら見て? 俺のはね、
オレンジの生絞りジュースがベースで、
サイコロ型に切ったマンゴーまで入ってんのー」
アイスキャンディの中から出てきたマンゴーは、
丁度シャーベット状になっていて、
前歯で齧った時には、まだ少し凍っててシャリッとする。
舌の上で少し転がすうちに、トロッと柔らかくなった。
飲み込むと、まろやかなマンゴーの味がした。
「チョコのアイスキャンディはココアとかで作ってて、
チョコチップも入れてあるって言ってたよ。入ってる?」
「ああ。良いチョコレートを使っているようだな。
しかし、何故、私の分まで持ってきた?
お前がキッチンで自分の分だけ食べてくれば良かったものを」
ソクーロフが、またアイスキャンディを口に入れる。
俺は笑いを堪えながら、白状した。
「だって、見てみたかったんだもん。
似合わないだろーなーとは思ったんだけど」
眼鏡に白衣の先生がアイスキャンディを食べてる。
その姿を改めて見て、俺はとうとう吹き出した。
「いやー、想像以上に似合わないわっ」
fin
「アイヴィーさーん!」
保健室へ行く途中、高めの声に呼ばれた。
身体も中等部の生徒くらい小柄だけど、
あれはシュヌーシア寮専属シェフ、ドニ・ドームだ。
今日のドニは青系で爽やかな服を着ている。
真っ白な半袖のポロシャツに、
ライトブルーの腰巻きエプロンが映えている。
下はジーンズに近い色をした七分丈のパンツ。
頭にはエプロンと同色のバンダナを巻いていた。
キッチンの窓から俺が見えて、
わざわざ走ってきてくれたらしい。
保健室に一番近い寮がシュヌーシア。
俺が保健室に行く時、丁度キッチンの前を通る。
そういう時、俺の姿を見かけると、
ドニはどういうわけか、わざわざ俺を呼んでくれて、
夕食の味見とかさせてくれる良いシェフだった。
小柄なシェフは俺を見上げて、こう言った。
「こんにちは、アイヴィーさん。
今、少しお時間ありますか?」
「うん」
「今日のおやつ、ちょっと作り過ぎちゃいまして、
良かったら、食べて行きませんか?
アイスキャンディなんですけど」
俺は持ってきた手土産を保健室の先生に差し出した。
「ハイッ、コレ。ソクちゃんの分」
先生はソレを受け取らず、
座ったまま、冷たい眼差しで俺を見る。
「今、ドニがおやつの余りモンくれたんだよ。
俺はオレンジでー、ソクちゃんにはチョコ味、
選んできてあげたよ? ソクちゃんスキでしょ、チョコ」
木の棒に刺さったチョコ味のアイスキャンディを、
ハイ、ともう一度、突き出すが、まだ受け取って貰えない。
「もー。溶けちゃうからー、とにかく貰ってよー」
渋々、仕方なく、受け取って貰えた。溜め息混じりに。
「まあ、ドニが用意した物なら、味は保障されているか」
ソクーロフがアイスキャンディの先っぽを咥えた。
俺は診察用の回る椅子に座って、
自分のアイスキャンディを口に入れた。
オレンジの粒々まで感じられる、マジでオレンジ味。
「ドニのヤツ、イチから手作りしたらしいよ?
フルーツ系のアイスキャンディは、
果物をミキサーにかけるとこから始めて、
アイスの型に、その生絞りジュースと、
スライスした果物も入れたんだってさー」
見た目にもキレイなアイスキャンディだ。
「ほら見て? 俺のはね、
オレンジの生絞りジュースがベースで、
サイコロ型に切ったマンゴーまで入ってんのー」
アイスキャンディの中から出てきたマンゴーは、
丁度シャーベット状になっていて、
前歯で齧った時には、まだ少し凍っててシャリッとする。
舌の上で少し転がすうちに、トロッと柔らかくなった。
飲み込むと、まろやかなマンゴーの味がした。
「チョコのアイスキャンディはココアとかで作ってて、
チョコチップも入れてあるって言ってたよ。入ってる?」
「ああ。良いチョコレートを使っているようだな。
しかし、何故、私の分まで持ってきた?
お前がキッチンで自分の分だけ食べてくれば良かったものを」
ソクーロフが、またアイスキャンディを口に入れる。
俺は笑いを堪えながら、白状した。
「だって、見てみたかったんだもん。
似合わないだろーなーとは思ったんだけど」
眼鏡に白衣の先生がアイスキャンディを食べてる。
その姿を改めて見て、俺はとうとう吹き出した。
「いやー、想像以上に似合わないわっ」
fin
PR