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Marginal Prince Short Story
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◼︎テオ×クラウス
「私ね? 今日、しみじみと思ったのだけど」

誰にともなく呟かれたテオの言葉に、
自然とその場に居た寮生全員が注目した。

「アルフォンソ学院が男子校で、
本当に良かったなあと思ったのだよ」

大半の寮生が首を傾げた中で、一人だけが微笑する。

「そりゃまたどうして?」

ティーカップ片手に、口許に笑みを浮かべながら、
そう言ったのは、中等部三年のシルフェだった。

シュヌーシア寮サロンは放課後のティータイム。
テオは、今日のおやつ『モンブランケーキ』に、
フォークを入れながらこう答えた。

「だって、姫君が居たら、常に取り囲まれてしまって、
ゆっくり話もできない日々になるだろうから……クラウスが」

名前を呼ばれた生徒がコーヒーでむせる。
シルフェは声を上げて笑った。

「何ソレ? もしウチのガッコに女子が居たら、
クラウスが女子に取り囲まれるんじゃないかって言ってんの?」

シルフェが腹を抱えているのに対し、テオは真顔で頷いた。

「うん。やはり姫達はクラウスを放っておかないだろう?
成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗に加え、
学院のトップに立つ生徒代表だもの。
内面だって非の打ちどころがないし。
どう考えても、姫達の憧れの的じゃないか」

いやいやいや、という声が幾つか上がる。

「内面には問題あるだろ? 女ウケはしねえと思うけど?」

臆せずそう言ったのは最年少の中等部一年、レオンだった。

「そーだな」

レオンの意見にシルフェが乗っかる。

「てゆーか、誰が一番女子ウケするか、
って言ったら、間違いなくテオだろ?」

「えっ? 私?」

「当たり前じゃん。クラウスは性格キツイから、
テオみたいに優しいフェミニストのほうが、
絶対人気モンになるって」

「そうかなあ?」

テオは首を傾げる。

「クラウスなら、毎週のようにラブレターを頂いて、
きっと大変な毎日になると思ったのだけど」

ナイナイナイ、とまた幾つかの笑い声が上がった。


fin
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