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Marginal Prince Short Story
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■エンジュ×オウム×ミハイル
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ある日。
ミハイルが月桂樹の森を散歩していた。
すると、木の実を踏んでしまった。
「ごめんね、ぼくのせいで」
「ゴメンネ!」
「えっ」
白いオウムが近くの木に止まっていた。クチバシを大きく開けて叫ぶ。
「ゴメンネ、ボクノセイデ!」
「君、喋れるんだ…あ、じゃあ、君が? アルファルド寮には、
 オウムが居るって聞いてたけど、君のことなんだね」
「アルファルド! コドクナ モノ!」
「すごい。僕はねシュヌーシア寮なんだ。知ってる?」
「シュヌーシア、トモニアル キセキ!」
「よく知ってるんだね。誰に教えて貰ったんだろう?」
「ダレニ オシエテ モラッタンダロウ?」

翌日。
ミハイルが森に行くと、オウムが飛んで来た。
「ゴメンネ! ゴメンネ!」
「オウムさん。僕のこと、覚えててくれたんだ。嬉しいな」
「ゴメンネ!」
「あ、あの。僕はね、ミハイルだよ、ミハイル」
「ミハイル」
「そう。ミハイル」
「ミハイル!」
「オウムさん、すごいな」
「オウムサン、スゴイナ!」

次の日。
ミハイルが森に行くと、またオウムが飛んで来た。
「ゴメンネ!」
「あれ? 名前、覚えて貰えなかったみたいだね」
「ゴメンネ! ゴメンネ!」
「今日はね、お菓子持ってきたんだ。食べる?」
ポケットの中から取り出したものを見せる。紙に包んで持ってきたお菓子。
ビスケット、チョコレート、スポンジケーキなどの小さく切ったものだ。
オウムが翼を広げてミハイルに向かって来る。
次の瞬間、何かがキラリと光ってオウムの前を横切った。
コインがクルクルと回って倒れる。
その輝きにオウムが一直線に向かう。
コインを踏んで、嬉しそうに鳴きわめいている。

一人の生徒が空から降って来た。
黒髪に切れ長の瞳。アルファルド寮のエンジュだ。
エンジュはミハイルの手からチョコレートを取って、自分の口に入れた。
ミハイルは呆然とエンジュを見ている。
チョコレートを飲み込んだエンジュは言った。
「これは与えるな。オウムはチョコレートを食べると死ぬ」
「ええっ? うそ…」
「本当だ。アルファルドの奴は全員知っている」
「ごめんね、僕、知らなくて…」
「他の菓子も鳥には良くない」
「ごめんね、ぼく、オウムさんに酷いこと…」
涙が溢れたミハイルに、オウムがヨチヨチ近付いてきた。
小さな黒い瞳がミハイルを見上げている。
「ゴメンネ?」
「オウムさん…慰めてくれるの?」
「ゴメンネ、ゴメンネ」
「ううん。悪いのは僕。ごめんね、僕のせいで」
「オウムにはこれで良い」
エンジュが月桂樹の葉を放る。地面に落ちた葉をオウムは食べた。
立ち去ろうとするエンジュにミハイルが声を掛ける。
「あ、あの、ありがとう」
「お前に礼を言われる筋合はない」
「えっ、でも」
「そいつが居なければ、アルファルドは静か過ぎる」
葉を食べ終わったオウムは思い出したように翼を挙げる。
「エンジュ、オカエリ!」
「それは寮に帰ってから言え」


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