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Marginal Prince Short Story
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アイヴィーシナリオBL ソクーロフ-花祭り 続編
■背景:追憶の塔、懺悔室を外から見ている(モニターかマジックミラーで)
■人物:懺悔室の中に座らされたシャルロ(正面を見ている)、傍に立っているソクーロフ

【ソクーロフ】
…なるほど。君は、サン・ジェルマン氏の右腕を長く務めていたんだね。

【シャルロ】
はい…

【ソクーロフ】
彼を亡くした時、君はどう思ったのかな?

【シャルロ】
最初は私も後を追おうと思いました。
けれど、その前に、ご遺志を叶えて差し上げたかった。
あの御方の為にできることはそれしか…本当は、ご存命の間に、
任務完了のご報告をしたかったのです…でも、もう、あの御方は…

【ソクーロフ】
辛い話を聞いてすまない。
だけど、アンリは彼の子息だろう? どうして君が狙ったんだい?

【シャルロ】
旦那様と…血が繋がっているから。

【ソクーロフ】
それが、どうしたの?

【シャルロ】
許せなかった…あの御方と誰より深い繋がりを持っていることが。
あの御方を誰より愛していたのは私です。私が最も相応しい人間なのに…

【ソクーロフ】
君はサン・ジェルマン氏を愛していた?

【シャルロ】
はい。あの御方が、私の全てでした。
けれど、あの御方はご自身の死期を悟ると…
あの子供だけに執着し…手紙を、手紙まで残されて…

【ソクーロフ】
手紙には何が書いてあったんだい?

【シャルロ】
『愛していた』と…書いてありました。だから、私は…私はっ…

【ソクーロフ】
これ以上聞き出すのは危険だな。今日のインタビューは終わりにしよう。
眠りなさい、シャルロ・レネ。

■背景:追憶の塔、懺悔室の外
■人物:アイヴィーがソクーロフにコーヒーを渡す

【アイヴィー】
お疲れさん。ほい、愛情たっぷりインスタントコーヒー。

【ソクーロフ】
また見に来たのか。

【アイヴィー】
うん。あちらさんが、今年の花祭りで一番のお客さんでしょ?
で、どうでした、ドクター? あのシャルロってオトコは。

【ソクーロフ】
唯一の主人を失った猛犬は、歯止めが効かない。

【アイヴィー】
ん?

【アイヴィー】
更生する可能性は限り無く低いな。このまま返せば、アンリを狙い続けるだろう。

【アイヴィー】
それは困るね。

【ソクーロフ】
この島に居る間はまだ良いが、学院の卒業後が危険だ。
害を持つ記憶を最小限、削除し、代わりに架空の記憶を埋めれば、国に戻しても構わないだろう。
その方がヨーロッパの経済にとっては良いのだろうしな。

【アイヴィー】
そう。

【ソクーロフ】
私の見解は以上だ。どうする、司令官?

【アイヴィー】
ドクターがそう仰るんならそれで。後はお任せします。

【ソクーロフ】
アイヴィー?

【アイヴィー】
俺、今日はもうおうち帰るわ。おねむの時間だから。

【ソクーロフ】
…お前、どうした?

【アイヴィー】
じゃー、おつかれー。

【バロウズ】
あ、司令。今、お帰りですか?

【アイヴィー】
うん。バロちゃんもおつかれー。

【ソクーロフ】
バロウズ、司令官の運転を変わって貰えないか。今日はお疲れのご様子なのでね。

【バロウズ】
…ええ。それは構いませんが。

【アイヴィー】
なに、それ。俺、お酒とか飲んでないよ?

【ソクーロフ】
私に逆らうのか?

【アイヴィー】
…な、なんだよ、もー。

【バロウズ】
では博士、失礼致します。さあ、行きましょう、司令。

【アイヴィー】
う、うん。


■背景:車内、窓の外は夜の海沿い
■人物:運転席にバロウズ、後部座席にアイヴィー

【アイヴィー】
むー。ソクちゃんめー、なんで運転もさせてくんないんだー。
イミわかんないイジワルしやがってー。ソクちゃんのバカー。ヘンタイヘンタイー!

【バロウズ】
文句を仰る割には博士には絶対服従ですね。
追憶の塔では、貴方が頂点だと言うのに。
もう少し自信をお持ちになって良いのですよ?

【アイヴィー】
…だって逆らったらコワイし。ドSさんだし。鬼畜さんだし。メス持って笑うし。

【バロウズ】
司令? どうやらお忘れのようなので、親切で申し上げますが。

【アイヴィー】
んー?

【バロウズ】
車中での会話、全面的に博士が聞いていらっしゃると思いますよ、リアルタイムで。

【アイヴィー】
……。

【バロウズ】
司令?

【アイヴィー】
ど、どど、どうしよう!? バロちゃん!

【バロウズ】
ご心配でしたら、謝ってみては?

【アイヴィー】
ソクちゃん、ゴメンネ。注射しないで?

【バロウズ】
貴方のそういうところが、嗜虐心を煽るのですよ。

【アイヴィー】
バ、バロちゃんが謝れって言ったんじゃん!

【バロウズ】
もう大人しくしていましょうか。私達が話していても、博士を喜ばせるだけです。

【アイヴィー】
そだね…


■背景:海岸の絶壁に佇むコテージ
■人物:バロウズ

【バロウズ】
到着しました。ご乗車お疲れ様でした。

【アイヴィー】
ありがと。ゴメンネ、送って貰っちゃって。

【バロウズ】
いいえ。貴方の顔色が優れないのは私も気になりましたから。
それでは、おやすみなさい。

【アイヴィー】
うん。おやすみ。


■背景:螺旋階段の先にドア
■人物:なし

■背景:玄関
■人物:なし

■背景:自宅リビング(電気が付いていない)
■人物:なし

■背景:自宅リビング(電気が付く)
■人物:なし

■背景:キッチン
■人物:なし

■背景:冷蔵庫を開けたところ(中は少量)
■人物:なし

■背景:キッチン
■人物:ミネラルウォーターをボトルから直接飲む(口許から喉仏まで)

【アイヴィー】
メシ食べなくてもイイか、今日は。


■背景:自宅リビング
■人物:なし

【アイヴィー】
シャワー入って、寝るか。


■背景:自宅リビング、玄関の方を向く
■人物:なし

【アイヴィー】
あれ。この車の音は…


■背景:ドアを開けた下に螺旋階段
■人物:ソクーロフ

【ソクーロフ】
エンジン音だけで私だと解るようだな?


■背景:自宅リビング
■人物:ソクーロフ

【アイヴィー】
仕事帰りのバーじゃないよ、俺んちは。

【ソクーロフ】
そんな顔で強がっても、何の説得力もないぞ?
私が来るかもしれないと期待していたように見受けられるが?

【アイヴィー】
期待なんかし……

【ソクーロフ】
髪が、濡れている。



■背景:ベッドの上
■人物:左胸に傷を縫った痕を辿る指

【ソクーロフ】
深い古傷だな。みっともない。

【アイヴィー】
じゃ、さわんなよ。

【ソクーロフ】
最新の技術では、かなり傷を薄めることができる。

【アイヴィー】
いいよ、そんなこと。めちゃくちゃ高そうだし。

【ソクーロフ】
良心的な値で請け負う腕の良い医師を紹介してやっても構わないが?

【アイヴィー】
あんがと。でも、やっぱり消せないし。どうせ消えないから。

【ソクーロフ】
では私の提案を無碍にした仕置きでもするか。

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