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Marginal Prince Short Story
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■シルヴァン×ハルヤ
■アイディア提供:シハル姉さん
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「…なんで俺、和歌山まで来て温泉入ってるのかなあ…」

ハルヤは露天風呂の中で苦笑する。

聖アルフォンソ学院の休暇中。
ウーティス寮の面々も一部を除いて、実家へ帰っていった。

ハルヤは「僕、温泉って入ってみたいんですよね」
というシルヴァンの強い希望により、
急遽『日帰り温泉旅行』に連れ出されていた。

「和歌山と言えば、温泉じゃないですか、ハルヤ♪」

「なんで?」

「愛媛、兵庫、和歌山を、日本三古湯(にほんさんことう)と言うのでしょう?
日本の古い書物に登場する、歴史ある温泉地なんですよね?」

「そうだったんだ?」

「おや? ハルヤ、温泉にアレを持ってくるの忘れてしまいした?」

「アレって?」

ハルヤの目の前を、
アヒルのオモチャが、ゆらゆらと通過する。
何故か黄色ではなく、ピンク色だ。

「僕は、ちゃんとアヒルさん持ってきたんですよ♪ 温泉の必需品なんですよね?」

「…いや、それは違うと思う」

「あれ? この温泉、オチョーシは浮いてないんですか?」

「浮いててもダメだよ。此処は日本だから、未成年は飲酒禁止」

ピンクのアヒルの後を、緑、赤とカラフルな仲間達が続く。
兄弟のようにずらずらと並んで泳いでいた。

「シルヴァン…幾つ持ってきたの…」

「6つです♪ ハルヤにはー、この子を貸してあげますね♪」

ハルヤの前に紫のアヒルが泳いでくる。

「いや、この子、完全に顔色悪いよね?」

「あはは。じゃあ、ピンクの子は、のぼせちゃったんですかねー。あ。ハルヤー?」

「今度はどうしたの?」

「僕、ちょっと眩暈が」

「え。のぼせた!?」



温泉に併設されている旅館。
その一室で、シルヴァンは休ませて貰うことができた。
のぼせたという割には、元気そうなシルヴァンが、
浴衣姿で布団に寝そべっている。

「はしゃぎ過ぎなんだよ、いい年して…めんどくさいなあ…」

「すみません♪」

「んー。どうしようか。飛行機の便、夕方だったけど。
もう少し遅いのに変えられるかなあ」

「ね、ハルヤ。今夜は、このお宿に泊まって行きません?」

「飛行機、今日のチケットでしょ?」

「大丈夫です♪ 女将さんが手配してくれました。
明日の午後の便ですよ。今夜の部屋とディナーも頼んでありますから。
バトラーにもその旨連絡済みですので、ご心配なく。
あ、ジョシュアからは『うん。解った。気を付けて』とのことでした♪」

「いつのまに…てゆうか、なんでそんなカンペキなんだよ…」

「それにしてもハルヤは、浴衣、似合いますね」

「そう?」

「着物の凛々しさとは、また違うんですね。
そのように少しはだけた所が浴衣の美しさとは聞いていましたが…」

「えっ? あ、本当だ。ごめんね」

「なんで直してしまうんですか!?」

「みっともないから」

「お美しいのに…」

「日本では、いけないことなの。それで、夕食は何時なの?」

「18時です。後2時間程ですね。
あ、今宵のメニューは舟盛りなんですよ♪」

「そ。良かったね」

「はい♪ 僕が夕食までガマンできるか心配ですけどね」

「シルヴァン、お腹空いたの?」

「…ええ、まあ」

「じゃあ、売店にでも行く? 俺、温泉まんじゅう食べたいな」

「あっ、良いですね♪ 寮のみんなにもお土産に持って行きましょうか♪」


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