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Marginal Prince Short Story
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■アンリ×ハルヤ
■「食いしん坊万歳3」に触発されて
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ウーティス寮サロン。
ハルヤが入った時、アンリは紅茶を飲んでいた。
アンリの前にはケーキも置かれている。
午後のティータイムのようだ。

彼の向かいの席に座ってみる。
アンリは何も言わない。
まるで俺が見えてないみたいにケーキを口に運ぶ。

だから俺も、何も言わないでケーキとアンリを見てた。
アンリが食べてるのは『天使の顎』というタンポポ色のケーキだ。

スポンジケーキをパッションフルーツのソースにひたしたもので、結構甘い。
甘いものが苦手な俺には、ちょっとムリなお菓子。

アンリってクールだから…っていうのも何だけど、
甘いもの苦手なのかな、と最初は思ってた。
でも、こんなのが好きなんだから、結構甘党なのかな。
そう思うと、ちょっと可愛い。

「ハルヤ」

「え、なに?」

「君、一人で百面相してるの、気付いてる?」

「そ、そうだった?」

「食べたいのなら、バトラーに言ってくれる?」

「ううん。違うんだ。アンリはそんなに甘いの、よく食べられるなーと思って」

「いけない?」

「いや、良いんだけど…」

「君は天使の顎が嫌い?」

天使の顎が大好きな人の前で、正直に「嫌い」と言うのは憚られて。
俺は、無意味に眼鏡を押し上げてみたりする。

「あの、嫌いっていうか…苦手っていうか…ちょっと、食べられないっていうか…」

「嫌いなんでしょ?」

「…う、うん。ごめん」

「謝る必要は無いよ」

「うん…」

アンリは、天使の顎をフォークに刺す。

「ハルヤ。口を開けてごらん?」

「え? こ、こう?」

アンリは切り取ったケーキをハルヤの口の上で落とした。
ハルヤは、つい飲み込んでしまう。
口の中に甘過ぎるパッションフルーツが広がる。
濃厚な甘味に咽せ返った。

「あっ、あまー。何するんだよ、アンリ…」

アンリは紅茶を掻き混ぜながら、くすりと笑う。

「天使の甘さに苦しむ顔が見てみたかったんだ。予想以上に楽しめたよ」

「もう…口の中、あまい…」

「じゃあ、お詫びに紅茶を飲ませてあげる。どうぞ?」

「…あ、ありがと」

差し出されたカップを受け取って、口付ける。
ハルヤは、すぐに口を離した。

「ちょっ…この紅茶、スゴイ甘いんだけど…」

「だろうね。角砂糖、3つ入れたから」

「3つも…アンリって、いつもそんな甘い紅茶飲んでたの?」

「いいや。君が悶えている間に入れたんだよ。
結構面白いんだね、ハルヤって。また遊んであげるよ」

「俺で遊ばないでよ…」

「今度はもっと美味しい物を飲ませてあげるね?」


fin
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