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■アンリ
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アンリの部屋。
時計は深夜0時を差している。
アンリは机に向かい、事業で使う書類に目を通していた。
明日から1週間、事業の打ち合わせで、島の外へ行く。
書類を読む気になれなくて、横に除けた。
引き出しの奥から、日記を取り出す。
万年筆で今日も生きていたという記録を残す。
――また此処に帰って来れるだろうか。
日記を閉じる。引き出しの奥に仕舞う。
机の上に並ぶ本。その影から写真立てを出す。
美しい人。慈愛に満ちた、母の微笑。
覚えていないのに、懐かしい気持ちになる。
1週間後、貴女に『ただいま』が言えるだろうか。
書類を鞄に入れる。写真立てを本の影に戻す。
「Bonne nuit, maman.(おやすみ、母さん)」
電気を消す。
真っ暗な部屋の中。
ベッドに足を入れる。
冷たいシーツ。
今夜はきっと、嫌な夢を見る。
毛布に包まって、
目を閉じた。
fin
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アンリの部屋。
時計は深夜0時を差している。
アンリは机に向かい、事業で使う書類に目を通していた。
明日から1週間、事業の打ち合わせで、島の外へ行く。
書類を読む気になれなくて、横に除けた。
引き出しの奥から、日記を取り出す。
万年筆で今日も生きていたという記録を残す。
――また此処に帰って来れるだろうか。
日記を閉じる。引き出しの奥に仕舞う。
机の上に並ぶ本。その影から写真立てを出す。
美しい人。慈愛に満ちた、母の微笑。
覚えていないのに、懐かしい気持ちになる。
1週間後、貴女に『ただいま』が言えるだろうか。
書類を鞄に入れる。写真立てを本の影に戻す。
「Bonne nuit, maman.(おやすみ、母さん)」
電気を消す。
真っ暗な部屋の中。
ベッドに足を入れる。
冷たいシーツ。
今夜はきっと、嫌な夢を見る。
毛布に包まって、
目を閉じた。
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