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Marginal Prince Short Story
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■レッド
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レッドの部屋。
時計は深夜0時を差している。

レッドは昔の台本を見ていた。
パラパラとめくってみる。
舞台は夏の別荘地。
少年の淡い恋物語だ。

甘い台詞が並んでいる。
少年が背伸びして、抑えられない想いを伝える。
天才子役アルフレッド・ヴィスコンティが、銀幕の中で言った台詞。
台本なんか見なくても覚えてる。
俺の台詞。

相手役は、カメラの前では完璧な恋人役だったが、
カメラを離れると、高飛車で我侭で、可愛げなんて全然無かった。
なんでこんな奴に、俺が一目惚れする役なんか、
やんなきゃいけないんだろうって思ってた。
役者と役を混合しちゃいけないって、
妙に大人になれたのもこの時だったっけ。
収録の最終日、スタッフに見下した態度を取っていた。
許せなくて、ひっぱたいたこともあったけど。

あんな奴にすら、愛を囁くことができたのに。
台詞なら言えるのに。

今。
言えない。

あいつに。

気が付くと、台本を握り締めていて、
紙の束は潰れていた。
舌打ちする。

「あー! やめやめっ! もう寝る!」


fin
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