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Marginal Prince Short Story
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■ユウタ×姉貴
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ユウタの部屋。
手の平の小さな箱。
ディスプレイの隅にある時計は深夜0時を差している。

ユウタは、姉にメールを打っていた。
母国と一瞬で繋がる携帯電話。
これがある時代で良かったと、心から思う。
手は器用に素早く文字を打っていた。

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姉貴、もうすぐ此処に来てから半年になるよ。
俺、此処に来れて本当に良かったと思ってる。
今日の夕食ね、オムライスだったんだ。
うちのシェフが作るのはね、
なんかピカピカしちゃっててキレーなんだ。
姉貴のぐちゃぐちゃなオムライスとは全然違うんだよ。
でも、久し振りに、食べたくなっちゃったな。
姉貴のオムライス。
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そこまで書いて、ユウタは手を止める。
手先が器用じゃない姉ちゃんは、
うさぎ怪獣のマスコットを作った時も、網目がぐちゃぐちゃだった。
だけど、留学を最後まで反対していた姉ちゃんが、
俺が好きなクロックマンでお守りを持たせてくれた時は、
ちょっと感動しちゃったし。
姉ちゃんのオムライスは、卵の部分がスクランブルエッグみたいで、
あちこち焦げちゃってて見た目サイアクだけど、味はすげー美味しくて。

此処のシェフが作ってくれるオムライスはキレイだから。
姉ちゃんの下手くそなのとは、
ホントに「月とすっぽん」ってかんじなんだけど。

庶民の俺には、ぐちゃぐちゃなくらいが合ってるよ。

メールの送信ボタン。
それを押そうとする指が止まる。

「やっぱ、送ってやんない」

メニューボタンを押し、削除を選ぶ。
ディスプレイには「メールを削除しました」の文字。
携帯の電源も消す。
真っ暗になった画面を閉じる。

携帯を枕元に置いて、ベッドに入った。


fin
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