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■シルヴァン×ハルヤ
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「めんどくさっ」
ハルヤは溜め息を吐く。
右腕には焦茶色の紙袋を抱えている。
アルフォンソ島のスーパーの袋だ。
中には、今夜バーベキューパーティで使う食材が入っている。
「なんで俺が、買い物係なんだろ…」
「ハルヤがじゃんけんに負けたからでしょう?」
隣を歩くシルヴァンも紙袋を持っている。
こちらの方が幾分大きい。
シルヴァンとスーパーで買い物したのなんて久し振り。
こんな可笑しなことになったのは、レッドのせいだ。
放課後、寮に戻るとサロンで皆が騒いでいた。
レッドの思い付きのせいで、今夜バーベキューパーティをするらしい。
今日って、何を祝ってるパーティなのかな。
なんか最近、しょっちゅうパーティしてる気がするけど。
強制的にじゃんけんに参加させられて。
俺一人が負けてた。
ハルヤの紙袋が、くしゃりと音を立てる。
「あのさ。じゃんけんに負けたのは俺なのに、どうして付いて来たの?」
「スーパーって普段はなかなか来れませんし、色々あって楽しいじゃないですか」
「まあね」
「それに、ハルヤ1人に重い物を持たせるなんてできませんよ」
「…ちょっと。それじゃあ、俺、女の子みたいじゃん」
「では、今日は、ハルヤが僕の彼女ってことで♪」
「な、なんでそうなるんだよ…」
俺の言葉は、陽気な笑顔に吸い込まれてしまう。
彼はオレンジ色の空を仰ぐ。
「あ、見て下さい。綺麗ですね、夕陽」
「ほんとだ」
「まあ、ハルヤの方がお綺麗なんですけどね?」
「もう、からかうのやめてよ…」
他愛の無い会話を繰り返しながら、学院の方へと歩いていく。
公園を通り掛かった時、シルヴァンが足を止めた。
園内を見ている。中央に噴水がある。
他には、滑り台、シーソーなどのカラフルな遊具がある普通の公園だ。
「どうしたの、シルヴァン?」
「あ、いえ。すみません。急に止まったりして」
ブランコに一人で座っている男の子が居た。
5歳前後だろうか。今にも泣き出しそうな顔で、鎖を握り締めている。
「あの子、誰か待ってるのかな」
「おそらく。お母さんが迎えに来るのを待っているんだと思いますが」
「そっか。早く来ると良いね」
「ええ」
ブランコの鎖が鳴って、男の子が飛び降りた。
「ママ!」と叫んで、駆け出す。
その先には、一人の女性。
男の子は、彼女の足に飛び付いた。
母親は愛おしげに、我が子の髪を撫でる。
二人は、さも当たり前かのように手を繋いだ。
親子は公園を出て、俺達の傍を通り過ぎた。
「ママー、今日のごはんなにー?」
先程の泣きそうな表情が幻だったかのように、弾むような声だった。
母親の返事は聞こえなかった。
数秒後、男の子の喜ぶ声が耳に届いた。
夕焼けの下で、親子の長い影が出来る。
影の手も、しっかりと結ばれていた。
俺は、なんだかほほえましい気持ちになる。
あの子のお母さんが早く戻って来て良かった。
「あの子は今夜、家族とご飯を食べられるんですね」
そう言ったシルヴァンは、
笑顔なのに、なんだか泣きそうにも見えて。
どうしたのって声を掛けようとしたんだけど。
シルヴァンが、長い髪を耳に掛けたら、
その顔はいつもの笑顔に戻ってた。
「ねえ。ハルヤ?」
「ん?」
「やっぱり、今だけ僕の彼女になってくれませんか?」
シルヴァンの微笑は夕焼けを浴びている。
彼は手を差し出して、小首を傾げた。
「僕達も、手を繋いで帰りましょう?」
fin
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「めんどくさっ」
ハルヤは溜め息を吐く。
右腕には焦茶色の紙袋を抱えている。
アルフォンソ島のスーパーの袋だ。
中には、今夜バーベキューパーティで使う食材が入っている。
「なんで俺が、買い物係なんだろ…」
「ハルヤがじゃんけんに負けたからでしょう?」
隣を歩くシルヴァンも紙袋を持っている。
こちらの方が幾分大きい。
シルヴァンとスーパーで買い物したのなんて久し振り。
こんな可笑しなことになったのは、レッドのせいだ。
放課後、寮に戻るとサロンで皆が騒いでいた。
レッドの思い付きのせいで、今夜バーベキューパーティをするらしい。
今日って、何を祝ってるパーティなのかな。
なんか最近、しょっちゅうパーティしてる気がするけど。
強制的にじゃんけんに参加させられて。
俺一人が負けてた。
ハルヤの紙袋が、くしゃりと音を立てる。
「あのさ。じゃんけんに負けたのは俺なのに、どうして付いて来たの?」
「スーパーって普段はなかなか来れませんし、色々あって楽しいじゃないですか」
「まあね」
「それに、ハルヤ1人に重い物を持たせるなんてできませんよ」
「…ちょっと。それじゃあ、俺、女の子みたいじゃん」
「では、今日は、ハルヤが僕の彼女ってことで♪」
「な、なんでそうなるんだよ…」
俺の言葉は、陽気な笑顔に吸い込まれてしまう。
彼はオレンジ色の空を仰ぐ。
「あ、見て下さい。綺麗ですね、夕陽」
「ほんとだ」
「まあ、ハルヤの方がお綺麗なんですけどね?」
「もう、からかうのやめてよ…」
他愛の無い会話を繰り返しながら、学院の方へと歩いていく。
公園を通り掛かった時、シルヴァンが足を止めた。
園内を見ている。中央に噴水がある。
他には、滑り台、シーソーなどのカラフルな遊具がある普通の公園だ。
「どうしたの、シルヴァン?」
「あ、いえ。すみません。急に止まったりして」
ブランコに一人で座っている男の子が居た。
5歳前後だろうか。今にも泣き出しそうな顔で、鎖を握り締めている。
「あの子、誰か待ってるのかな」
「おそらく。お母さんが迎えに来るのを待っているんだと思いますが」
「そっか。早く来ると良いね」
「ええ」
ブランコの鎖が鳴って、男の子が飛び降りた。
「ママ!」と叫んで、駆け出す。
その先には、一人の女性。
男の子は、彼女の足に飛び付いた。
母親は愛おしげに、我が子の髪を撫でる。
二人は、さも当たり前かのように手を繋いだ。
親子は公園を出て、俺達の傍を通り過ぎた。
「ママー、今日のごはんなにー?」
先程の泣きそうな表情が幻だったかのように、弾むような声だった。
母親の返事は聞こえなかった。
数秒後、男の子の喜ぶ声が耳に届いた。
夕焼けの下で、親子の長い影が出来る。
影の手も、しっかりと結ばれていた。
俺は、なんだかほほえましい気持ちになる。
あの子のお母さんが早く戻って来て良かった。
「あの子は今夜、家族とご飯を食べられるんですね」
そう言ったシルヴァンは、
笑顔なのに、なんだか泣きそうにも見えて。
どうしたのって声を掛けようとしたんだけど。
シルヴァンが、長い髪を耳に掛けたら、
その顔はいつもの笑顔に戻ってた。
「ねえ。ハルヤ?」
「ん?」
「やっぱり、今だけ僕の彼女になってくれませんか?」
シルヴァンの微笑は夕焼けを浴びている。
彼は手を差し出して、小首を傾げた。
「僕達も、手を繋いで帰りましょう?」
fin
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