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■レッド×アンリ
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「今夜のバーベキュー、楽しみだぜ~!」
レッドは右腕に焦茶色の紙袋を抱えている。
アルフォンソ島のスーパーの袋だ。
中には、今夜バーベキューパーティで使う食材が入っている。
「てか、アンリ! お前もなんか持てよ!」
「嫌。じゃんけんに負けたのは君でしょ?」
隣を歩くアンリは何も持っていない。
俺の提案で、今夜はバーベキューパーティ。
買い出しじゃんけんに、俺が負けちまって。
なんかよくわかんねーけど、アンリが付いて来た。
「なんでお前も来んだよ」って聞いたら、
「何処に居ようと僕の勝手でしょ」とか言いやがる。
スーパーで何か買うのかと思ったら、何も買わねーし。
俺がカゴに入れるものに、横から毒吐くだけ。
俺が美味そうな肉入れたら「今日はシーフードが良い」とか。
「そのエビじゃなくてこっちにして」とか、めちゃくちゃわがまま。
傍にジョシュアも居ねーから、俺達の言い合いエスカエートしまくりだし。
気が付いたら、周りの客からすげー注目浴びてた。毒舌遣いのせいだ。
んで、さんざ文句言った挙句、何も持たねえし。
ったく、なんなんだ、このわがままプリンセスは。
「ねえ。レッド」
「んだよ、今度は」
「毎回バーベキューパーティって芸が無さ過ぎない? 僕、もう飽きたな」
「あー!? お前が、今日はシーフードにしろって言ったんだろ!」
「それは君が肉ばかり選んでいたからでしょ」
「バカか、お前! バーベキューと言えば肉だろうが!」
「あ。帰る前にケーキ屋に寄って。今夜のデザートが欲しいから」
「ケーキよりエビを食えよ! エビを!」
言い合いが止まらないまま、学院の方へと歩いていく。
公園を通り掛かった時、アンリが足を止めた。
園内を見ている。中央に噴水がある。
他には、滑り台、シーソーなどのカラフルな遊具がある普通の公園だ。
「アンリ、何見てんだ?」
「…何でもないよ。行こう」
ブランコに一人で座っている男の子が居た。
5歳前後だろうか。今にも泣き出しそうな顔で、鎖を握り締めている。
「あのガキ、腹でも減ったのかな?」
「…単細胞」
「なんつったてめえ!?」
「単細胞」
俺がアンリに掴みかかろうとした時、
ブランコの鎖が鳴って、男の子が飛び降りた。
「ママ!」と叫んで、駆け出す。
その先には、一人の女性。
男の子は、彼女の足に飛び付いた。
母親は愛おしげに、我が子の髪を撫でる。
二人は、さも当たり前かのように手を繋いだ。
親子は公園を出て、俺達の傍を通り過ぎた。
「ママー、今日のごはんなにー?」
先程の泣きそうな表情が幻だったかのように、弾むような声だった。
母親の返事は聞こえなかった。
数秒後、男の子の喜ぶ声が耳に届いた。
夕焼けの下で、親子の長い影が出来る。
影の手も、しっかりと結ばれていた。
アンリは繋がれた手に目を奪われていた。
まるで、初めて見たみたいに。
いつものアンリじゃなかった。
さっきのガキとおんなじ顔してた。
俺の前で、そういう顔すんな、バカ。調子狂うだろーが。
アンリは、わがままで、嫌味で、生意気で。
上から目線で、人の揚げ足ばっか取って。
毒吐きまくりで、俺のことバカにすんのがお前なのに。
「おい、アンリ」
肩を掴んで、無理矢理こっちを向かせる。
アンリは眉を顰める。
「痛いな。何なの、急に」
「手なら俺が繋いでやるから」
「…何言って」
手首を掴む。
細い。俺よりずっと。力を込めたら折れちまいそうだ。
琥珀の瞳が俺を見上げている。
普段は冷たいそれが、戸惑いの色に染まっている。
慣れてない眼差しから、目を逸らす。
「…俺以外のもん、見てんじゃねえよ」
fin
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「今夜のバーベキュー、楽しみだぜ~!」
レッドは右腕に焦茶色の紙袋を抱えている。
アルフォンソ島のスーパーの袋だ。
中には、今夜バーベキューパーティで使う食材が入っている。
「てか、アンリ! お前もなんか持てよ!」
「嫌。じゃんけんに負けたのは君でしょ?」
隣を歩くアンリは何も持っていない。
俺の提案で、今夜はバーベキューパーティ。
買い出しじゃんけんに、俺が負けちまって。
なんかよくわかんねーけど、アンリが付いて来た。
「なんでお前も来んだよ」って聞いたら、
「何処に居ようと僕の勝手でしょ」とか言いやがる。
スーパーで何か買うのかと思ったら、何も買わねーし。
俺がカゴに入れるものに、横から毒吐くだけ。
俺が美味そうな肉入れたら「今日はシーフードが良い」とか。
「そのエビじゃなくてこっちにして」とか、めちゃくちゃわがまま。
傍にジョシュアも居ねーから、俺達の言い合いエスカエートしまくりだし。
気が付いたら、周りの客からすげー注目浴びてた。毒舌遣いのせいだ。
んで、さんざ文句言った挙句、何も持たねえし。
ったく、なんなんだ、このわがままプリンセスは。
「ねえ。レッド」
「んだよ、今度は」
「毎回バーベキューパーティって芸が無さ過ぎない? 僕、もう飽きたな」
「あー!? お前が、今日はシーフードにしろって言ったんだろ!」
「それは君が肉ばかり選んでいたからでしょ」
「バカか、お前! バーベキューと言えば肉だろうが!」
「あ。帰る前にケーキ屋に寄って。今夜のデザートが欲しいから」
「ケーキよりエビを食えよ! エビを!」
言い合いが止まらないまま、学院の方へと歩いていく。
公園を通り掛かった時、アンリが足を止めた。
園内を見ている。中央に噴水がある。
他には、滑り台、シーソーなどのカラフルな遊具がある普通の公園だ。
「アンリ、何見てんだ?」
「…何でもないよ。行こう」
ブランコに一人で座っている男の子が居た。
5歳前後だろうか。今にも泣き出しそうな顔で、鎖を握り締めている。
「あのガキ、腹でも減ったのかな?」
「…単細胞」
「なんつったてめえ!?」
「単細胞」
俺がアンリに掴みかかろうとした時、
ブランコの鎖が鳴って、男の子が飛び降りた。
「ママ!」と叫んで、駆け出す。
その先には、一人の女性。
男の子は、彼女の足に飛び付いた。
母親は愛おしげに、我が子の髪を撫でる。
二人は、さも当たり前かのように手を繋いだ。
親子は公園を出て、俺達の傍を通り過ぎた。
「ママー、今日のごはんなにー?」
先程の泣きそうな表情が幻だったかのように、弾むような声だった。
母親の返事は聞こえなかった。
数秒後、男の子の喜ぶ声が耳に届いた。
夕焼けの下で、親子の長い影が出来る。
影の手も、しっかりと結ばれていた。
アンリは繋がれた手に目を奪われていた。
まるで、初めて見たみたいに。
いつものアンリじゃなかった。
さっきのガキとおんなじ顔してた。
俺の前で、そういう顔すんな、バカ。調子狂うだろーが。
アンリは、わがままで、嫌味で、生意気で。
上から目線で、人の揚げ足ばっか取って。
毒吐きまくりで、俺のことバカにすんのがお前なのに。
「おい、アンリ」
肩を掴んで、無理矢理こっちを向かせる。
アンリは眉を顰める。
「痛いな。何なの、急に」
「手なら俺が繋いでやるから」
「…何言って」
手首を掴む。
細い。俺よりずっと。力を込めたら折れちまいそうだ。
琥珀の瞳が俺を見上げている。
普段は冷たいそれが、戸惑いの色に染まっている。
慣れてない眼差しから、目を逸らす。
「…俺以外のもん、見てんじゃねえよ」
fin
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