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Marginal Prince Short Story
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■テオ×ハルヤ ジョシュア×ハルヤ
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ウーティス寮サロン。
ハルヤは一人、読書をしていた。
この前、シルヴァンから借りた漫画だった。

勢い良く扉が開いた。

「失礼するよ。やあ、東洋の黒い真珠!」

生徒代表のテオ・メネシスだった。
髪は金色で綺麗。明るくて元気な声。
テンション高くて、ちょっと付いていけないくらい。
ハルヤは漫画を閉じて、膝の上に置く。

「こんちは、テオ。今日も元気だね」
「ああ、もちろん。何故だか解るかい?」

テオはハルヤの傍に跪いて、ハルヤの顔を伺う。

「ううん…わかんないけど…」

なんかやな予感がする、とハルヤは思った。
それはすぐに的中する。
テオは吐息混じりに、陶酔境に浸った声で言う。

「今日も東洋の黒い真珠が美しいからだよ。…ああ、その微笑みも!」

ハルヤは正直、困っていたが、
テオが楽しそうなので文句も言えない。
どうしていいか解らなくて、苦笑すれば、
「美しいオリエンタルスマイル」とかなんとか言われるし。
テオと話してると、なんかどうでもよくなってくる。

「ああ、東洋の黒い真珠はどうしてこんなに美しいのだろうね」
「ど、どうしてだろうね…」
「できることなら、私の手で磨いてみたいよ、東洋の黒い真珠」
「あの、ごめん。ちょっと言っている意味がよくわかんないんだけど…」
「私の戯言は気にしないでくれ。まあ、心からの願いなのだがね」
「ええっと…テオは、ウーティスになんか用事?」
「ああ、そうだった。ジョシュアの顔を見に来たんだ」
「またジョシュア? なんか最近多くない?」
「おや。気になるのかい?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど」
「特に用事はないのだがね」
「ん?」
「ふいに顔が見たくなっただけだよ。君もそういうことがあるだろう?」

ジョシュアの顔を思い浮かべる。
優しくて、あったかい微笑。王子様の笑顔だなあといつも思う。

「ん…なんか、ジョシュアの顔を見ると、安心するよね」

ハルヤが同意を述べると、テオの表情が一瞬、硬くなった。
ややあって、ふふと笑みを零した。

「ど、どうしたの、テオ?」
「いや、すまない。君の口から聞くと切なくなるものだね」
「え? えっと…」

サロンの扉が開いて、噂の人物が現れた。

「ハルヤ、居るかい?」

そう言うジョシュアの目には、
探していた人と生徒代表の顔が映った。
上級生に対して、先に挨拶する。

「こんにちは、テオ。来ていたんですね」
「やあ。少し東洋の黒い真珠と話をしていたんだ。では私は失礼するよ」
「えっ、そうですか?」

ハルヤは「え?」とテオに尋ねる。

「テオ…あの、いいの?」
「ああ。顔が見れたからね、では失礼。またね、ジョシュア」
「あ、はい」

ジョシュアは不思議そうに、黄金の髪を見送った。
不自然な退場の仕方だったような気がする。

「ごめん。俺が来たからテオとの話を中断させてしまったみたいだね」
「ううん。全然、大丈夫」
「そう? それなら良いんだけど」
「あ、ジョシュア」
「なんだい?」
「あの、さ。俺になんか用事だった?」

ジョシュアがサロンに来た時、
彼は「ハルヤ、居るかい?」と言った。
ハルヤはそれが先から気になっていた。
ジョシュアは少し照れたように微笑む。

「いや、これといった用事はないんだけどね」
「そうなの?」
「うん。なんとなく、ハルヤの顔が見たいなって思ったんだ」


fin
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