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Marginal Prince Short Story
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WARNING!
■エンジュシナリオ5-1ベース
聖アルフォンソ島 植物園。
アンジェロのハーブ園でアンリは一人佇んでいた。
彼が作った秘密の園。此処には毒草も植えられている。
猛毒トリカブトも美しい紫の花を付けた。
そろそろ見頃だろうと思い、アンリは一人で見に来ていた。
ローマ教皇アレクサンデル6世とその愛人の子、チェーザレ・ボルジア。
歴史から名を隠されたチェーザレの弟。アンジェロ・ボルジア。
彼は実兄を毒殺したと言われている。
ここでハーブを育てていたアンジェロは、
何を想いながら毒草に水を与えていたのだろう。

アンジェロの心情を理解することはできる。
血の繋がりがあるからと言って、殺意に結びつかないなんてことはないもの。
寧ろ、血が繋がっているからこそ、憎しみあったのだろう。
トリカブトに含まれるアコニチンの致死量は2~5グラム。
嘔吐や呼吸困難の中毒症状から、やがて死に至る。
アンジェロはどうやって兄に毒を盛ったのだろう。
即効性のある猛毒を飲ませたのか、それとも毎日少量の毒を料理に混ぜたか。
毒殺一家の兄が実の弟に毒殺される。それも宿命だったのかもしれない。

トリカブトは毒々しい紫の花を咲かせている。

アンジェロは学院では医学を学んでいたそうだから、
彼にとってこのトリカブトは薬草だったのかもしれない。
トリカブトは、修治という減毒処理を行えば鎮痛作用のある漢方薬に変わる。
毒と薬は表と裏の関係。トリカブトが毒草と化すのは、
殺意ある誰かに摘まれた時だけだ。
何もしなければ、綺麗な紫の花。
アンジェロもトリカブトだったのだろうか。
政変を目論んだ兄の陰謀によって毒薬遣いと化した弟。
兄が居なければ医者にでもなって、人の命を救っていたのかもしれない。

紫の花に蜂が止まった。

トリカブトはどんなに多くの殺意を見てきたのだろう。
君達が殺人心理に明るいのなら、教えて欲しいことがある。

――あの人は何故、僕を愛してくれなかったの?――


fin
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