×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
■シルヴァン×ジョシュア レッド×ユウタ
■アニメ。海。お醤油と珈琲の間。
------------------------------
ウーティス寮生は揃って海に来ていた。
アルフォンソ学院のプライベートビーチ。
到着後は各自好きなように過ごしていた。
ジョシュアは一人で浜辺に居た。
パラソルの下から、海を見ている。
波打ち際で、レッドとユウタがふざけあって遊んでいた。
二人とも楽しそうで、見ているこちらも笑顔にさせられる。
「若いってイイですよね~♪」
ジョシュアの後ろに、シルヴァンが立っていた。
水着姿の男が、手におかしな物を持っている。
ジョシュアは一応尋ねる。
「…えっと、何を持っているんだい、シルヴァン?」
「あっ! コレは『お醤油』です♪」
満面の笑みで答えられても、
ジョシュアには意味が解らない。
「…どうして、ソイソースが此処に?」
「ハルヤにオサシミをお願いしたんです♪
今、漁に出てますよ。ほら、あそこです」
岩壁の海岸から、ハルヤの頭が見えている。
いつもは下ろしてる髪が、ポニーテルのように結わえられていた。
シルヴァンは、テーブルにお醤油を置き、大きく手を振る。
「ハールヤー♪」
気付いた彼が、片手を控え目に上げる。
深く息を吸って、また海に潜っていった。
「ハルヤ、まるでマーメイドのようだね」
「でしょー!? お魚とも仲良しみたいでっ!
何を連れて帰って来てくれるか楽しみですー♪」
ジョシュアは苦笑する。
「あ。そう言えば、アンリの姿が見えないようですが?」
「アンリなら本を読んでいるよ、向こうの屋根の下でね」
浜から離れた場所に小さなログハウスがある。
海岸が一望できる開放的な席から、マリンブルーの髪が見えた。
かろうじて水着は着ているものの、
その上には学院のパーカーを羽織っている。
彼の視線は手元に落ちるばかりで、
絶景の特等席に居ながら、海を眺める様子は全くない。
「…アンリ、泳ぐ気ゼロですね」
「そうみたいだね。せめて浜辺においでと、
誘ったんだけれど、断られてしまった」
「あれじゃあ、海に来ても、いつもと同じじゃないですか」
ジョシュアは優しく笑う。
「アンリだからね」
「ジョシュアは、海に入らないんですか?」
「うん。俺はみんなを見ているだけで楽しいし」
海では、レッドがユウタを沈めて遊んでいた。
ユウタの頭を押さえていた手が、突然、海に引き込まれる。
水面から頭を出したユウタが、笑っている。
ジョシュアは彼等を見守りながら、呟く。
「みんなのこと、ちゃんと残しておきたいから」
「残す?」
「最近、みんなと過ごす時間が、とても尊く感じてね。
やっぱり、今年が最終学年だからかな」
ジョシュアは視線を膝に落とす。
「こうしてみんなで海に来れるのも、今日が最後なんじゃないかって」
「卒業しても会えますよ、僕達なら。
それとも、ジョシュアはもう会ってくれないんですか?」
ジョシュアは首を横に振る。
「会いたいよ」
「それなら大丈夫。貴方が会いたいと言うなら、
世界の何処に居ても、みんなすぐに戻ってきますよ。貴方の元にね」
「そうかな」
「ええ。もちろんです」
シルヴァンは、くすくすと笑う。
「どうしたんです? 今日は随分可愛いですね」
「…え。可愛い?」
「ジョシュアって、結構寂しがり屋さんなんですね♪」
「あ…弱音、だったよね。すまない。
なんか最近色々考えてしまって…」
「仕方無いですよ、ジョシュア。
こんなに素敵な寮生に囲まれているのですから。
あ、もちろん、その中に僕も入れて下さいね?」
「うん」ジョシュアの表情に笑顔が戻る。
「俺、本当にウーティス寮で良かったと思う」
「僕もです」
ジョシュアは海に視線を戻す。
レッドとユウタは、沖の方まで進んでいた。
ユウタはボートに乗っている。
ボートに寄り掛かっていたレッドが、突然ボートごとユウタを引っ繰り返した。
ユウタが派手な波飛沫に包まれる。
遠過ぎて聞こえない筈なのに。
ジョシュアの耳には、レッドの笑い声が届くようだった。
「忘れたくないな」
ジョシュアは、海岸を眩しそうに見る。
「今日のことも、明日のことも。
みんなと過ごした時間は全部。
…それでも、いつか忘れてしまうのかな」
「忘れても、良いじゃないですか」
「えっ…」
「貴方が全て覚えている必要なんて無いんです。
貴方だけじゃないんですよ、今、此処に居るのは」
ジョシュアは暫く黙った後、ふっと肩の力を抜いた。
「そう、だね」
岩壁に近い海から、ハルヤが顔を出した。
浜辺の方に向かって泳いでいる。
「あ、ハルヤ、上がってくるみたいだよ」
「うわあ。スッゴイ大漁じゃないですかー♪」
彼が手にしている縄には、たくさんの魚が連なっている。
波打ち際までは引っ張って来たものの、
一人では運び切れない程の魚達を見て、ハルヤは首を傾げていた。
「ハルヤ、困ってるみたいですね。
僕、ちょっと手伝ってきますよ」
パラソルから出ようとする。
「シルヴァン」
「はい?」
ジョシュアはテーブルの上から小瓶を手に取る。
「忘れているよ? ソイソース」
「あははっ。ありがとうございます、ジョシュア♪」
シルヴァンが、お醤油を片手に岩壁に向かう。
「ジョシュアー!」
ユウタとレッドが走って来る。
日はまだ高く、波は穏やかに揺れていた。
fin
■アニメ。海。お醤油と珈琲の間。
------------------------------
ウーティス寮生は揃って海に来ていた。
アルフォンソ学院のプライベートビーチ。
到着後は各自好きなように過ごしていた。
ジョシュアは一人で浜辺に居た。
パラソルの下から、海を見ている。
波打ち際で、レッドとユウタがふざけあって遊んでいた。
二人とも楽しそうで、見ているこちらも笑顔にさせられる。
「若いってイイですよね~♪」
ジョシュアの後ろに、シルヴァンが立っていた。
水着姿の男が、手におかしな物を持っている。
ジョシュアは一応尋ねる。
「…えっと、何を持っているんだい、シルヴァン?」
「あっ! コレは『お醤油』です♪」
満面の笑みで答えられても、
ジョシュアには意味が解らない。
「…どうして、ソイソースが此処に?」
「ハルヤにオサシミをお願いしたんです♪
今、漁に出てますよ。ほら、あそこです」
岩壁の海岸から、ハルヤの頭が見えている。
いつもは下ろしてる髪が、ポニーテルのように結わえられていた。
シルヴァンは、テーブルにお醤油を置き、大きく手を振る。
「ハールヤー♪」
気付いた彼が、片手を控え目に上げる。
深く息を吸って、また海に潜っていった。
「ハルヤ、まるでマーメイドのようだね」
「でしょー!? お魚とも仲良しみたいでっ!
何を連れて帰って来てくれるか楽しみですー♪」
ジョシュアは苦笑する。
「あ。そう言えば、アンリの姿が見えないようですが?」
「アンリなら本を読んでいるよ、向こうの屋根の下でね」
浜から離れた場所に小さなログハウスがある。
海岸が一望できる開放的な席から、マリンブルーの髪が見えた。
かろうじて水着は着ているものの、
その上には学院のパーカーを羽織っている。
彼の視線は手元に落ちるばかりで、
絶景の特等席に居ながら、海を眺める様子は全くない。
「…アンリ、泳ぐ気ゼロですね」
「そうみたいだね。せめて浜辺においでと、
誘ったんだけれど、断られてしまった」
「あれじゃあ、海に来ても、いつもと同じじゃないですか」
ジョシュアは優しく笑う。
「アンリだからね」
「ジョシュアは、海に入らないんですか?」
「うん。俺はみんなを見ているだけで楽しいし」
海では、レッドがユウタを沈めて遊んでいた。
ユウタの頭を押さえていた手が、突然、海に引き込まれる。
水面から頭を出したユウタが、笑っている。
ジョシュアは彼等を見守りながら、呟く。
「みんなのこと、ちゃんと残しておきたいから」
「残す?」
「最近、みんなと過ごす時間が、とても尊く感じてね。
やっぱり、今年が最終学年だからかな」
ジョシュアは視線を膝に落とす。
「こうしてみんなで海に来れるのも、今日が最後なんじゃないかって」
「卒業しても会えますよ、僕達なら。
それとも、ジョシュアはもう会ってくれないんですか?」
ジョシュアは首を横に振る。
「会いたいよ」
「それなら大丈夫。貴方が会いたいと言うなら、
世界の何処に居ても、みんなすぐに戻ってきますよ。貴方の元にね」
「そうかな」
「ええ。もちろんです」
シルヴァンは、くすくすと笑う。
「どうしたんです? 今日は随分可愛いですね」
「…え。可愛い?」
「ジョシュアって、結構寂しがり屋さんなんですね♪」
「あ…弱音、だったよね。すまない。
なんか最近色々考えてしまって…」
「仕方無いですよ、ジョシュア。
こんなに素敵な寮生に囲まれているのですから。
あ、もちろん、その中に僕も入れて下さいね?」
「うん」ジョシュアの表情に笑顔が戻る。
「俺、本当にウーティス寮で良かったと思う」
「僕もです」
ジョシュアは海に視線を戻す。
レッドとユウタは、沖の方まで進んでいた。
ユウタはボートに乗っている。
ボートに寄り掛かっていたレッドが、突然ボートごとユウタを引っ繰り返した。
ユウタが派手な波飛沫に包まれる。
遠過ぎて聞こえない筈なのに。
ジョシュアの耳には、レッドの笑い声が届くようだった。
「忘れたくないな」
ジョシュアは、海岸を眩しそうに見る。
「今日のことも、明日のことも。
みんなと過ごした時間は全部。
…それでも、いつか忘れてしまうのかな」
「忘れても、良いじゃないですか」
「えっ…」
「貴方が全て覚えている必要なんて無いんです。
貴方だけじゃないんですよ、今、此処に居るのは」
ジョシュアは暫く黙った後、ふっと肩の力を抜いた。
「そう、だね」
岩壁に近い海から、ハルヤが顔を出した。
浜辺の方に向かって泳いでいる。
「あ、ハルヤ、上がってくるみたいだよ」
「うわあ。スッゴイ大漁じゃないですかー♪」
彼が手にしている縄には、たくさんの魚が連なっている。
波打ち際までは引っ張って来たものの、
一人では運び切れない程の魚達を見て、ハルヤは首を傾げていた。
「ハルヤ、困ってるみたいですね。
僕、ちょっと手伝ってきますよ」
パラソルから出ようとする。
「シルヴァン」
「はい?」
ジョシュアはテーブルの上から小瓶を手に取る。
「忘れているよ? ソイソース」
「あははっ。ありがとうございます、ジョシュア♪」
シルヴァンが、お醤油を片手に岩壁に向かう。
「ジョシュアー!」
ユウタとレッドが走って来る。
日はまだ高く、波は穏やかに揺れていた。
fin
PR