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■警備責任者と生徒代表ジブリール
「んじゃー、そんなかんじで。今日もサクサク終わったなー」
アイヴィーは生徒代表とネットミーティングをしていた。
生徒代表室のPCの前に居るのが、今年の総帥ジブリール。
砂漠の第三王子は、黒髪で目付きがちょっとコワイ。
アイヴィーは自宅のPC越しに生徒代表と話していた。
本当は生徒代表室まで出向く予定だったのだが、
ちょっと今日は朝寝坊した。だけどミーティングに支障はない。
便利な世の中になったもんだ、とこの頃よく感じる。
俺も年寄り染みたことを思う年代になったらしい。
ジブリールとの会議はいつもあっというまに終わる。
全くと言って良いほど無駄話に構ってくれない生徒代表だからだ。
ほら、もうモニターのスイッチ切ろうとしてる。
「じゃあな」
「あっ、あのさ! 今度、俺と夜の街に遊びに行かない?」
生徒代表は睨んでいるつもりはないのだろうが、
猛禽類の鋭い眼差しでこちらを見つめている。
警備責任者はコーヒーを一口すすって、台詞を変えてみる。
「あー、じゃ、昼の街でもイイんだけど? ダメ?」
「…必要性が感じられないが」
「ジブリールと遊んだことないからさ。お仕事じゃない話とかたまにはしたいじゃん?」
「何故、お前と任務以外の話をする必要が?」
「えっと…ジブリールって、俺のことキライだった?」
「そうは思っていない」
「じゃ、俺のことスキ?」
「そうは思っていない」
「だよね…」
スキって言われたらビックリするんだけどさ。
つっけんどんな遣り取りは今に始まったことではない。
出会った時から一貫してツンツンだった。
昨年度の生徒代表ヤンに、
「アルファルド寮の皆は人と仲良くするのちょっと苦手なんだよ。
でも相手が嫌いってわけじゃないし、悪気もないから」
と教えて貰っていたので、そういうもんなんだろうと思えた。
だけど、このままだとただ業務の話だけで一年終わってしまう。
もう少し食い下がってみた。
「ヤンも去年うちに来たんだ。お前さんも遊びに来ない?」
「あいつが…」
ヤンの名前を出した時、ジブリールの反応が今までと少し違った。
ヤンはシュヌーシア寮だったから、二人は別々の寮で暮らしていた。
仲良さそうな場面もあまり見たことがなかったが。
「あれ。お前さん、ヤンと仲良しだったの?」
生徒代表はPCの前から立ち上がる。
「仲の良い奴など居ない。そろそろ食事の時間だ。失礼する」
「あ、ちょ、ちょっと、ジブリール!」
「通信終了」
画面が消える。
スイッチを切られました。お話できません。
その後も何度か誘ってみましたが、結局ジブリールとはうちに連れ込むどころか、
二人でお食事もできませんでした。
ヤンは普通にうちまで来てくれたのに。
同じ肩書きでも二人のカラーは全然違う。理事会は何を基準に選出してるんだか。
生徒代表とのお付き合いは、一筋縄では行かないらしい。
消された画面を見ながら、コーヒーをもう一口飲む。
「来年はどんな男かなー」
インスタントコーヒーだが、俺には充分美味い。
これはこれで、味気無い味、ってもんがある。
「ツレナイ男も、嫌いじゃないんだよな」
PCの近くには固定電話。
カップを置いて、受話器に手を伸ばした。
fin
「んじゃー、そんなかんじで。今日もサクサク終わったなー」
アイヴィーは生徒代表とネットミーティングをしていた。
生徒代表室のPCの前に居るのが、今年の総帥ジブリール。
砂漠の第三王子は、黒髪で目付きがちょっとコワイ。
アイヴィーは自宅のPC越しに生徒代表と話していた。
本当は生徒代表室まで出向く予定だったのだが、
ちょっと今日は朝寝坊した。だけどミーティングに支障はない。
便利な世の中になったもんだ、とこの頃よく感じる。
俺も年寄り染みたことを思う年代になったらしい。
ジブリールとの会議はいつもあっというまに終わる。
全くと言って良いほど無駄話に構ってくれない生徒代表だからだ。
ほら、もうモニターのスイッチ切ろうとしてる。
「じゃあな」
「あっ、あのさ! 今度、俺と夜の街に遊びに行かない?」
生徒代表は睨んでいるつもりはないのだろうが、
猛禽類の鋭い眼差しでこちらを見つめている。
警備責任者はコーヒーを一口すすって、台詞を変えてみる。
「あー、じゃ、昼の街でもイイんだけど? ダメ?」
「…必要性が感じられないが」
「ジブリールと遊んだことないからさ。お仕事じゃない話とかたまにはしたいじゃん?」
「何故、お前と任務以外の話をする必要が?」
「えっと…ジブリールって、俺のことキライだった?」
「そうは思っていない」
「じゃ、俺のことスキ?」
「そうは思っていない」
「だよね…」
スキって言われたらビックリするんだけどさ。
つっけんどんな遣り取りは今に始まったことではない。
出会った時から一貫してツンツンだった。
昨年度の生徒代表ヤンに、
「アルファルド寮の皆は人と仲良くするのちょっと苦手なんだよ。
でも相手が嫌いってわけじゃないし、悪気もないから」
と教えて貰っていたので、そういうもんなんだろうと思えた。
だけど、このままだとただ業務の話だけで一年終わってしまう。
もう少し食い下がってみた。
「ヤンも去年うちに来たんだ。お前さんも遊びに来ない?」
「あいつが…」
ヤンの名前を出した時、ジブリールの反応が今までと少し違った。
ヤンはシュヌーシア寮だったから、二人は別々の寮で暮らしていた。
仲良さそうな場面もあまり見たことがなかったが。
「あれ。お前さん、ヤンと仲良しだったの?」
生徒代表はPCの前から立ち上がる。
「仲の良い奴など居ない。そろそろ食事の時間だ。失礼する」
「あ、ちょ、ちょっと、ジブリール!」
「通信終了」
画面が消える。
スイッチを切られました。お話できません。
その後も何度か誘ってみましたが、結局ジブリールとはうちに連れ込むどころか、
二人でお食事もできませんでした。
ヤンは普通にうちまで来てくれたのに。
同じ肩書きでも二人のカラーは全然違う。理事会は何を基準に選出してるんだか。
生徒代表とのお付き合いは、一筋縄では行かないらしい。
消された画面を見ながら、コーヒーをもう一口飲む。
「来年はどんな男かなー」
インスタントコーヒーだが、俺には充分美味い。
これはこれで、味気無い味、ってもんがある。
「ツレナイ男も、嫌いじゃないんだよな」
PCの近くには固定電話。
カップを置いて、受話器に手を伸ばした。
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