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Marginal Prince Short Story
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■ウーティス寮の愉快な仲間達
■シルヴァンの聖アルンフォンソ島探訪より
今日、ウーティス寮生は揃って温泉施設に来ていた。
学院からは離れたところにある、聖アルフォンソ島の秘湯。

シルヴァンとハルヤはジャグジー風呂に居た。
背中にはジェット式の泡が当たっている。
シルヴァンは頭にタオルを乗せて、ご機嫌だ。
「いーい湯だなー♪」
「…シルヴァン、よく知ってるね、そんな歌」
「ビデオで見たことあるんですー。日本の温泉では皆さん歌うんですよね♪」
「いや、普通はそんな合唱しないんだよ?」
「そうなんですか? あ、ハルヤ、僕、ハルヤのお背中、流してあげますね」
「や、いいよ、そんなことしなくって」
「だって、仲良しの友達同士がすることだってビデオで見ましたよ?
 ハルヤ、僕は仲良しの友達ではないんですか?」
「あの、それは友達なんだけど…」
眼鏡を掛けていないのに、掛け直す仕草をした。

アルフレッドとユウタは露天風呂で泳いでいた。クロールだ。
広い風呂の端から端まで泳ぎ、ターンして戻ってくる。
「俺の勝ちー!」
アルフレッド、余裕の勝利となった。
遅れて到着したユウタが、ぷはっと湯から顔を上げた。
「あー、負けちゃったー」
「ユウタ、約束通り、後でオレンジジュース、俺におごれよ?」
「解ってるよー。それにしても、広いよねえ、ここの温泉。プールみたい」
「だろっ? 聖アルフォンソ島の隠れた海なんだ、此処は」
「そう言えばさ、レッド。なんで、お風呂にボールみたいなの持ってきてるの?」
端に置いておいた赤い小さなボール。スパには必ず持ってくるのだそうだ。
「これか? これはな、海に沈む財宝さ!」
ばばーんとボールを掲げる。ユウタはキョトンだ。
「じゃー、宝探しを始めるとするか。よーし、ユウタ、取って来ーい!」
ボールを放り投げる。ぽちゃんと湯の中に沈んでいった。

「…暑いのに、暑苦しいな」
硝子越しにレッド達を眺めながら、アンリは檜風呂に入っていた。
隣ではジョシュアが苦笑している。
色白のアンリは肌が仄かにピンク色だった。
「僕はもう失礼するからね」
「じゃあ、俺も上がろうかな」
湯から出て、アンリが一歩踏み出した時、ふらりと身体が傾いた。
「アンリッ!」
素早くジョシュアに抱き留められ、足を滑らさずに済んだ。
「平気かい? アンリ」
「…少し、眩暈がしただけだ。離して」

それを見ていたシルヴァンが興奮気味にハルヤに訴える。
「アレ! 僕達もアレやりたいです! ハルヤ、ふらついて下さい!」
「いや、そんなこと言われても…」
「演劇の授業だと思って! 僕がジョシュア役やりますから!
 ハルヤはもう少し可愛いアンリ役でお願いしますね!」


fin
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