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Marginal Prince Short Story
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■ユウタ シルヴァン ハルヤ


夕食後。シルヴァンはサロンに顔を出した。
日本のマンガのことでハルヤに質問があった。
だが、サロンに彼の姿がなかったので、彼の部屋をノックした。
「ハルヤー。お邪魔しに来ましたー、開けますね?」
「え。シルヴァン? ちょっと待っ」
最後まで待たずにドアを開ける。
ハルヤは机に向っていた。彼の傍へ歩く。
「おや。お勉強中でしたか?」
「ううん。えっと、年賀状、書いてたとこ」
「年賀状ですか?」
肩越しに彼の手元を覗く。
手にしているハガキにはHaruomiという文字が書かれていた。
「これはお兄様宛ですね?」
「あ、うん…」
ちょっと俯きがち答えた。
ハガキにはねずみらしい絵があった。
「年賀状にはねずみを書く決まりがあるんですか?」
「決まりじゃないんだけどね。来年はねずみ年なんだよ」
「ねずみ年?」
「あー、説明するのめんどくさいからちょっと省くけど、
 12種類の動物が一年ごと一匹ずつ決まってるんだ。
 今年は猪で来年はねずみなんだよ」
「日本は来年、ねずみの年、なんですか。
 なるほど。面白いですね、ニッポンは」
シルヴァンの頭の中でピカッと電球が光る。
「ハルヤ、僕も書いてみたいです、年賀状!」
「シルヴァンが? 誰に書くの?」
「決まってるじゃないですか♪」


シルヴァンとハルヤはユウタの部屋をノックした。
「ユウター。シルヴァンです、開けて貰えますか?」
すぐに、はーい、という返事と足音が聞こえる。
ユウタがドアを開けると、其処には笑顔のシルヴァンと、
やあ、と軽く手を挙げているハルヤが居た。
「二人して、どうしたの?」
「ユウタユウタッ、コレかぶってみて下さいっ♪」
手にしているのは、ニッポンのアニメのキャラクタ帽子。
今や世界中で大人気の黄色い電気ネズミだ。
「えっ? なんでっ?」
有無を言わさず頭に帽子を被せられる。
シルヴァンは嬉しそうに手を合わせた。
「可愛いですー! ほら、ユウタも見て下さい?」
ユウタの肩を押して、鏡の前に立たせる。
「やっぱり似合いますねっ、ユウタ!」
そう言われてもユウタは事情が解らないし、ちょっと恥ずかしい。
苦笑していたハルヤが成り行きを説明した。
「シルヴァン、ユウタのお姉さんに年賀状送りたいんだって」
「年賀状? 姉貴に?」
「はい。ニッポンのネズミと言えばやっぱりコレだと思いまして♪
 その姿でちょっと写真を撮らせて貰えませんか?
 ユウタの写真で年賀状を作りたいんです♪」
「ええ? 俺じゃなくて、シルヴァンの写真にすれば良いじゃん」
「これはユウタの方が似合いますよー。それに、お姉さんだって、
 弟の写真だったらきっと喜びますよ?」
ユウタは人差し指で頬を掻く。
「そ、そう、かな…?」
「もちろんですよ。じゃー、笑って下さいね、撮りますよー」


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