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■ウーティス寮の愉快な仲間達。
■季節を先取り。七夕ネタです。
-----------------------------
「えっと…『姉貴に色々怒られませんように』っと…できたっ!」
ユウタは、竹の枝に短冊を括り付ける。
ウーティス寮のサロンには、大きな竹が飾られている。
七夕の風習を知ったシルヴァンと、
ユウタとハルヤが協同で企画、用意した七夕飾りである。
「ねえ、ジョシュアは? もう願い事書いた?」
「書いたよ。たくさん、ね」
「たくさん?」
「うん。俺は、欲張りだからね」
そう言う笑顔は慈愛に満ちていて、ユウタは混乱する。
「んっとー、ジョシュアは何枚も短冊書いたの?」
「ううん。一枚だけ。それに、たくさんの願い事を書いたんだ」
「じゃあ、何て書いたか、まだ言わないでねっ!
俺、これから探すからっ!」
「うん」
ユウタは、自分より背の高い竹を見回していく。
「どこだろう、ジョシュアの…たくさん願いが書いてあるやつは…」
短冊以外の飾りが多く、全体的にごちゃごちゃしてる。
クリスマスツリーと勘違いしている人が居るのか、
派手な電飾が巻き付いていたり、うさぎ怪獣のマスコットなど、
間違った装飾品もあちこちに飾られていた。
この中から、短冊自体を見つけることに一苦労しそうだった。
「あっ! やっと一枚みっけ! えっとー、なになに?
『立派なサムライになれますように』…って、コレ絶対シルヴァンじゃん!」
「よく解りましたねー、ユウタ♪」
「いや、解るよ」
ハルヤは「えっ」と声を上げる。
「シルヴァン、そんなこと書いたの? 俺、結構切実なこと書いちゃった」
「ハルヤは何て書いたの?」
「俺は『食べ過ぎても、お腹を壊しませんように』って」
「…切実なんだ」
「うん。割と」
「…あの、あのさ? 食べ過ぎなきゃ良いんじゃない?」
「あ、そっか」
「…えーっと。あ、レッドの願い事は何なの!?」
「俺かあ? 俺は何枚も書いたぜ! やっぱ何事も多い方がイイよなっ!」
レッドは手に持っている何枚もの短冊を広げてみせる。
その中には『来年の仮装は、プリンセス役を引き受けてくれますように』
と敢えて『誰が』の部分を書いていない短冊があって、ユウタは苦笑する。
それからもジョシュアの短冊を探したが、
見つけらず、竹の前にぺたと座り込む。
「だめだー。たくさんあり過ぎて見つけられないよー。
ぎぶあっぷー。ねえ、ジョシュア。何て書いたか教えてよー」
「え、恥ずかしいな」
「そんなこと言わずに教えて下さいよ、ジョシュア」
「俺も聞きたいな、ジョシュアの願い事」
「俺も俺もっ!」
「多数決で、君達の勝ちだね」
アンリが、サロンに入ってくる。
「ジョシュアの短冊なら、僕が教えてあげるよ。
ほら、あそこに飾ってある、贅沢で嫌味な奴さ」
それを見つけたレッドは、ジョシュアと肩を組む。
「ったく! これだから、お前はっ!」
ハルヤは眼鏡を掛け直す。
「ズルイよ、こんなの…」
「本当に。貴方らしいですね、ジョシュア」
シルヴァンは微笑んで、彼を見つめる。
「え? ドコドコ!? オレだけ見えないっ!」
ぴょんぴょん跳ねるユウタに、シルヴァンが、指を差して教える。
「ほら、あそこの緑の紙ですよ」
「あぁ、あれか。どれどれ? えっと…」
ユウタは、首を上げて、緑色の短冊を見つめる。
「ジョシュア…」
ユウタは、ジョシュアに向かって飛び込む。
全開の笑顔が彼を見上げる。
「ありがと、ジョシュア! きっと叶うよ!」
緑の短冊には、たくさんの願い事が書かれていた。
でも、文字だらけだったわけではない。
書かれていたのは一文だけ。
その一文に込められた願いは。
どの短冊よりも贅沢で。
誰よりも欲張りな願い。
――此処にある願い事が、みんな叶いますように――
アンリが、ジョシュアの傍に行く。
「流石だね、生徒代表殿? 君らしい嫌味な願い事だ」
「ねえねえ! アンリは願い事、何て書いたの?」とユウタ。
「僕は書いてないよ、そんなもの」
「えー!? アンリだけだよ?」
「七夕の短冊って、書く書かないの自由も無いの?」
ジョシュアは、隣の肩に手を置く。
「アンリ、本当は願いが思い付かなかった?」
アンリは、ジョシュアが居ない方に顔を反らす。
「お星様に願い事なんて、趣味じゃないだけだよ」
fin
■季節を先取り。七夕ネタです。
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「えっと…『姉貴に色々怒られませんように』っと…できたっ!」
ユウタは、竹の枝に短冊を括り付ける。
ウーティス寮のサロンには、大きな竹が飾られている。
七夕の風習を知ったシルヴァンと、
ユウタとハルヤが協同で企画、用意した七夕飾りである。
「ねえ、ジョシュアは? もう願い事書いた?」
「書いたよ。たくさん、ね」
「たくさん?」
「うん。俺は、欲張りだからね」
そう言う笑顔は慈愛に満ちていて、ユウタは混乱する。
「んっとー、ジョシュアは何枚も短冊書いたの?」
「ううん。一枚だけ。それに、たくさんの願い事を書いたんだ」
「じゃあ、何て書いたか、まだ言わないでねっ!
俺、これから探すからっ!」
「うん」
ユウタは、自分より背の高い竹を見回していく。
「どこだろう、ジョシュアの…たくさん願いが書いてあるやつは…」
短冊以外の飾りが多く、全体的にごちゃごちゃしてる。
クリスマスツリーと勘違いしている人が居るのか、
派手な電飾が巻き付いていたり、うさぎ怪獣のマスコットなど、
間違った装飾品もあちこちに飾られていた。
この中から、短冊自体を見つけることに一苦労しそうだった。
「あっ! やっと一枚みっけ! えっとー、なになに?
『立派なサムライになれますように』…って、コレ絶対シルヴァンじゃん!」
「よく解りましたねー、ユウタ♪」
「いや、解るよ」
ハルヤは「えっ」と声を上げる。
「シルヴァン、そんなこと書いたの? 俺、結構切実なこと書いちゃった」
「ハルヤは何て書いたの?」
「俺は『食べ過ぎても、お腹を壊しませんように』って」
「…切実なんだ」
「うん。割と」
「…あの、あのさ? 食べ過ぎなきゃ良いんじゃない?」
「あ、そっか」
「…えーっと。あ、レッドの願い事は何なの!?」
「俺かあ? 俺は何枚も書いたぜ! やっぱ何事も多い方がイイよなっ!」
レッドは手に持っている何枚もの短冊を広げてみせる。
その中には『来年の仮装は、プリンセス役を引き受けてくれますように』
と敢えて『誰が』の部分を書いていない短冊があって、ユウタは苦笑する。
それからもジョシュアの短冊を探したが、
見つけらず、竹の前にぺたと座り込む。
「だめだー。たくさんあり過ぎて見つけられないよー。
ぎぶあっぷー。ねえ、ジョシュア。何て書いたか教えてよー」
「え、恥ずかしいな」
「そんなこと言わずに教えて下さいよ、ジョシュア」
「俺も聞きたいな、ジョシュアの願い事」
「俺も俺もっ!」
「多数決で、君達の勝ちだね」
アンリが、サロンに入ってくる。
「ジョシュアの短冊なら、僕が教えてあげるよ。
ほら、あそこに飾ってある、贅沢で嫌味な奴さ」
それを見つけたレッドは、ジョシュアと肩を組む。
「ったく! これだから、お前はっ!」
ハルヤは眼鏡を掛け直す。
「ズルイよ、こんなの…」
「本当に。貴方らしいですね、ジョシュア」
シルヴァンは微笑んで、彼を見つめる。
「え? ドコドコ!? オレだけ見えないっ!」
ぴょんぴょん跳ねるユウタに、シルヴァンが、指を差して教える。
「ほら、あそこの緑の紙ですよ」
「あぁ、あれか。どれどれ? えっと…」
ユウタは、首を上げて、緑色の短冊を見つめる。
「ジョシュア…」
ユウタは、ジョシュアに向かって飛び込む。
全開の笑顔が彼を見上げる。
「ありがと、ジョシュア! きっと叶うよ!」
緑の短冊には、たくさんの願い事が書かれていた。
でも、文字だらけだったわけではない。
書かれていたのは一文だけ。
その一文に込められた願いは。
どの短冊よりも贅沢で。
誰よりも欲張りな願い。
――此処にある願い事が、みんな叶いますように――
アンリが、ジョシュアの傍に行く。
「流石だね、生徒代表殿? 君らしい嫌味な願い事だ」
「ねえねえ! アンリは願い事、何て書いたの?」とユウタ。
「僕は書いてないよ、そんなもの」
「えー!? アンリだけだよ?」
「七夕の短冊って、書く書かないの自由も無いの?」
ジョシュアは、隣の肩に手を置く。
「アンリ、本当は願いが思い付かなかった?」
アンリは、ジョシュアが居ない方に顔を反らす。
「お星様に願い事なんて、趣味じゃないだけだよ」
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