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■シルヴァン×ジョシュア 他。
■「隠れる場所は、ウーティス寮の中だよ」
------------------------------
「かくれんぼしよー!」
ユウタとシルヴァンの提案で、
ウーティス寮のかくれんぼ大会が開催された。
ユウタが携帯をマイク代わりに持っている。
「じゃ、『ウーティスかくれんぼ』の特別ルールを説明するよ?
まず、2人1組でチームを作りまーす。そのうち1組が鬼!
チームのメンバーは必ず一緒に行動してね?
隠れる場所は、ウーティス寮の中なら何処でもオッケイ。
制限時間は10分! 10分経ったら、全員サロンに集合。
最後まで見つからなかったチームか、全員見つけた鬼が勝ちだよ!
じゃ、チームを決めまーす!
シルヴァンが持ってるカードを、みんな1枚ずつ取ってね!
裏に書いてある絵が同じ人とチームだよ!
みんな行き渡った? じゃ、一斉に表にするよ、せーのっ!」
第1回戦
うさぎさんチーム:ジョシュア・シルヴァン組。
「俺はシルヴァンがパートナーだね、よろしく」
「こちらこそ! 貴方を安全な場所にご案内しますね♪」
鬼チーム:レッド・ユウタ組。
「おっしゃー! 俺達が鬼だなっ! 絶対全員見つけるぞ、ユウタ隊員!」
「はい、レッド隊長! なんか負ける気しないよねっ!」
エンジェルチーム:ハルヤ・アンリ組。
「ハルヤ、隠れる所決めてね?」
「あはは…なんか勝てる気がしないよねえ」
「俺達が100秒数える間に隠れてね? 行くよー。いーち、にー」
サロンでレッドとユウタが目を瞑る。
「早く行きましょう、ジョシュア♪ 少し遠いですから!」
「えっ、シルヴァン、もう隠れる場所が決まったの?」
「はい♪ 絶対に見つからない、とっておきの場所があるんです」
「心強いパートナーだね」
「僕、かくれんぼ得意なんです♪ さ、こちらですよ」
シルヴァンに手を引かれて、ジョシュアがサロンを出て行く。
ハルヤは羨ましそうに彼等を見送る。
「いいなあ、もう決まってるなんて…俺達どうしよう…」
アンリはドアへと向かう。
「とにかく、此処を出た方が良いんじゃない?」
「あ、うん。そうだね」
廊下へ出て、ハルヤは「あっ」と手を打った。
「アンリ、音楽サロンはどうかな?
あそこ誰も使ってないから入り易いし」
アンリは無言のまま、その場所へと足を向ける。
二人が音楽サロンに到着する。
その広い空間にはグランドピアノが置かれている。
今は使われていない部屋だけあって、家具も少なかった。
ハルヤは、辺りを見回す。
「どうしよ。隠れられる場所が少ない部屋に来ちゃったかな…
あ、そこのクローゼットみたいな所なら、二人で入れそうかな?」
白い扉を開ける。
中には何も入っておらず、なんとか入れそうなスペースがあった。
二人は体育座りで肩を並べる。
ハルヤは、膝に顔を埋めて、小さく欠伸をした。
彼を見て、アンリが微笑する。
「僕が居るチームでは退屈?」
「あ、違う違う。寝不足なだけだよ」
「そう」
「あ、ねえ。アンリはさ。かくれんぼって得意だった人?」
「得意も何も、今初めてやってるからね」
「…マジで? あ、初めてだから、さっき俺に、隠れる場所決めてって…」
「悪魔の子と遊びたがる子なんて、居ないからね。
ハルヤは、かくれんぼ、得意ではなかったの?」
「うん。俺、よく負けてた…。すぐにバレちゃうし、
たまに、いい隠れ場所に居てもさ、
見つけて貰えないと、自分から出てきちゃうし…」
「自分から? どうして自ら負けるような行為をするの?」
「一人で長い間隠れてると、だんだん不安になってきて、
『もし、このままずっと見つけて貰えなかったら…』って考えちゃうんだよね」
「…僕には理解できないね。かくれんぼって、そういうもの?」
「ああ、いや、俺だけかもしんないよ?
それに、今日はアンリが一緒だから鬼に見つからなくても、へーき」
「…何故?」
「こうやって、待ってる間も話できるし。
二人一組のかくれんぼって、結構良いかも」
嬉しそうに笑う彼を、アンリが無表情に見つめていた。
すると、賑やかな足音が聞こえてきた。
ハルヤが、ぎゅっと目を瞑る。
勢い良くクローゼットのドアが開いて、
ユウタが元気良く指を差す。
「アンリとハルヤ、みーつけたっ!」
「でかしたぞっ、ユウタ隊員!」
ユウタとレッドが「イエーイ!」とハイタッチをする。
「よしっ! まずは1組ゲットだな!
ユウタ隊員、この調子で次も見つけてやろうぜ!」
「はいっ、たいちょ♪ あ、二人はサロンで待っててねー」
鬼チームがバタバタと出て行く。
ハルヤが体育座りのまま、項垂れる。
「あーあ。見つかっちゃったー。
隠れる場所が悪かったよね。ごめんね、アンリ。
初めてのかくれんぼだったのに、すぐ負けちゃって。
やっぱ俺、かくれんぼヘタみたい」
「そのようだね。でも」
「ん?」
アンリは立ち上がって、クローゼットから出る。
「悪くない遊びだね」
ジョシュア・シルヴァン組は、真っ暗な個室に隠れていた。
一筋の光も差していない。
目を閉じても開けても、そこには暗闇しかなかった。
「狭くて、すみませんね、ジョシュア。
あ、壁に寄ると服が汚れますから、もう少し僕の近くに」
「え、見えないよ、シルヴァン」
「僕は、此処です」
ジョシュアの背中に手が回され、引き寄せられる。
すぐ傍に居るようなのに、まだ彼の顔が見えない。
「こんなに暗いのに、どうしてシルヴァンは見えるの?」
「ああ、僕は先程から、ずっと片目を瞑っておいたんです。
真っ暗で申し訳ないですけど、此処なら絶対見つからないでしょう?」
「うん。驚いたよ、シルヴァンの部屋に地下室があったなんて」
「僕が来た時にはもうあったんですよ。先代の誰かが遊びで作ったのでしょう。
主にワインセラーとして使っていたみたいですけど」
「ワインセラー?」
「はい。ラベルの切れ端が落ちていたんです、かなり年代物のね。
その裏にはメッセージまでありましたよ。
『未来のマージナルプリンスへ』と。
まあ、酔った勢いで書いたのかもしれませんが」
「何て書いてあったの?」
「Kommt Zeit, kommt Rat.」
「え?」
「『時が来れば、助言が来る』というドイツの諺です。
意味は、時を経て初めて解る事がある、といったところでしょうか」
「そうか。彼は、何かが解ったのかもしれないね、この学院で。
どんな人だったんだろう」
「軍関係の人間かもしれませんね」
「軍?」
「ええ。何処となく、地下シェルターの作りに似てるんですよねえ、この辺りとか」
「そうなのかい? シルヴァンって色んな事に詳しいんだね」
「あ…この前見た映画にそういうのがあって♪
そろそろ、かくれんぼのタイムリミットじゃないですかねっ?」
シルヴァンは腕時計のライトを付ける。
秒針は、制限時刻まで残り5秒。
「…3、2、1、ゼロ♪ 僕達の勝ちですね」
「シルヴァンのおかげだね。ありがとう」
「いえいえ。貴方をお守り出来て、僕も嬉しいです♪」
「じゃあ、出ようか。サロンに集合だったよね?」
「はい」
ジョシュアが地上に上がろうと梯子に手を掛ける。
パチッと明かりが付いた。
「え? シルヴァン、ここ電気付くの?」
「ええ。ないと危ないでしょう?」
「じゃ、なんで今まで消してたの?」
「それは、まあ色々と…。あ! 光が外に漏れるといけないですしっ!」
かくれんぼ第1回戦は、ジョシュア・シルヴァン組の勝ち。
「結構面白かったね! もういっかいやろっか?」
ユウタの笑顔に、誰も異論を唱えない。
6人は、第2回戦のカードを引いた。
To Be Continued
■「隠れる場所は、ウーティス寮の中だよ」
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「かくれんぼしよー!」
ユウタとシルヴァンの提案で、
ウーティス寮のかくれんぼ大会が開催された。
ユウタが携帯をマイク代わりに持っている。
「じゃ、『ウーティスかくれんぼ』の特別ルールを説明するよ?
まず、2人1組でチームを作りまーす。そのうち1組が鬼!
チームのメンバーは必ず一緒に行動してね?
隠れる場所は、ウーティス寮の中なら何処でもオッケイ。
制限時間は10分! 10分経ったら、全員サロンに集合。
最後まで見つからなかったチームか、全員見つけた鬼が勝ちだよ!
じゃ、チームを決めまーす!
シルヴァンが持ってるカードを、みんな1枚ずつ取ってね!
裏に書いてある絵が同じ人とチームだよ!
みんな行き渡った? じゃ、一斉に表にするよ、せーのっ!」
第1回戦
うさぎさんチーム:ジョシュア・シルヴァン組。
「俺はシルヴァンがパートナーだね、よろしく」
「こちらこそ! 貴方を安全な場所にご案内しますね♪」
鬼チーム:レッド・ユウタ組。
「おっしゃー! 俺達が鬼だなっ! 絶対全員見つけるぞ、ユウタ隊員!」
「はい、レッド隊長! なんか負ける気しないよねっ!」
エンジェルチーム:ハルヤ・アンリ組。
「ハルヤ、隠れる所決めてね?」
「あはは…なんか勝てる気がしないよねえ」
「俺達が100秒数える間に隠れてね? 行くよー。いーち、にー」
サロンでレッドとユウタが目を瞑る。
「早く行きましょう、ジョシュア♪ 少し遠いですから!」
「えっ、シルヴァン、もう隠れる場所が決まったの?」
「はい♪ 絶対に見つからない、とっておきの場所があるんです」
「心強いパートナーだね」
「僕、かくれんぼ得意なんです♪ さ、こちらですよ」
シルヴァンに手を引かれて、ジョシュアがサロンを出て行く。
ハルヤは羨ましそうに彼等を見送る。
「いいなあ、もう決まってるなんて…俺達どうしよう…」
アンリはドアへと向かう。
「とにかく、此処を出た方が良いんじゃない?」
「あ、うん。そうだね」
廊下へ出て、ハルヤは「あっ」と手を打った。
「アンリ、音楽サロンはどうかな?
あそこ誰も使ってないから入り易いし」
アンリは無言のまま、その場所へと足を向ける。
二人が音楽サロンに到着する。
その広い空間にはグランドピアノが置かれている。
今は使われていない部屋だけあって、家具も少なかった。
ハルヤは、辺りを見回す。
「どうしよ。隠れられる場所が少ない部屋に来ちゃったかな…
あ、そこのクローゼットみたいな所なら、二人で入れそうかな?」
白い扉を開ける。
中には何も入っておらず、なんとか入れそうなスペースがあった。
二人は体育座りで肩を並べる。
ハルヤは、膝に顔を埋めて、小さく欠伸をした。
彼を見て、アンリが微笑する。
「僕が居るチームでは退屈?」
「あ、違う違う。寝不足なだけだよ」
「そう」
「あ、ねえ。アンリはさ。かくれんぼって得意だった人?」
「得意も何も、今初めてやってるからね」
「…マジで? あ、初めてだから、さっき俺に、隠れる場所決めてって…」
「悪魔の子と遊びたがる子なんて、居ないからね。
ハルヤは、かくれんぼ、得意ではなかったの?」
「うん。俺、よく負けてた…。すぐにバレちゃうし、
たまに、いい隠れ場所に居てもさ、
見つけて貰えないと、自分から出てきちゃうし…」
「自分から? どうして自ら負けるような行為をするの?」
「一人で長い間隠れてると、だんだん不安になってきて、
『もし、このままずっと見つけて貰えなかったら…』って考えちゃうんだよね」
「…僕には理解できないね。かくれんぼって、そういうもの?」
「ああ、いや、俺だけかもしんないよ?
それに、今日はアンリが一緒だから鬼に見つからなくても、へーき」
「…何故?」
「こうやって、待ってる間も話できるし。
二人一組のかくれんぼって、結構良いかも」
嬉しそうに笑う彼を、アンリが無表情に見つめていた。
すると、賑やかな足音が聞こえてきた。
ハルヤが、ぎゅっと目を瞑る。
勢い良くクローゼットのドアが開いて、
ユウタが元気良く指を差す。
「アンリとハルヤ、みーつけたっ!」
「でかしたぞっ、ユウタ隊員!」
ユウタとレッドが「イエーイ!」とハイタッチをする。
「よしっ! まずは1組ゲットだな!
ユウタ隊員、この調子で次も見つけてやろうぜ!」
「はいっ、たいちょ♪ あ、二人はサロンで待っててねー」
鬼チームがバタバタと出て行く。
ハルヤが体育座りのまま、項垂れる。
「あーあ。見つかっちゃったー。
隠れる場所が悪かったよね。ごめんね、アンリ。
初めてのかくれんぼだったのに、すぐ負けちゃって。
やっぱ俺、かくれんぼヘタみたい」
「そのようだね。でも」
「ん?」
アンリは立ち上がって、クローゼットから出る。
「悪くない遊びだね」
ジョシュア・シルヴァン組は、真っ暗な個室に隠れていた。
一筋の光も差していない。
目を閉じても開けても、そこには暗闇しかなかった。
「狭くて、すみませんね、ジョシュア。
あ、壁に寄ると服が汚れますから、もう少し僕の近くに」
「え、見えないよ、シルヴァン」
「僕は、此処です」
ジョシュアの背中に手が回され、引き寄せられる。
すぐ傍に居るようなのに、まだ彼の顔が見えない。
「こんなに暗いのに、どうしてシルヴァンは見えるの?」
「ああ、僕は先程から、ずっと片目を瞑っておいたんです。
真っ暗で申し訳ないですけど、此処なら絶対見つからないでしょう?」
「うん。驚いたよ、シルヴァンの部屋に地下室があったなんて」
「僕が来た時にはもうあったんですよ。先代の誰かが遊びで作ったのでしょう。
主にワインセラーとして使っていたみたいですけど」
「ワインセラー?」
「はい。ラベルの切れ端が落ちていたんです、かなり年代物のね。
その裏にはメッセージまでありましたよ。
『未来のマージナルプリンスへ』と。
まあ、酔った勢いで書いたのかもしれませんが」
「何て書いてあったの?」
「Kommt Zeit, kommt Rat.」
「え?」
「『時が来れば、助言が来る』というドイツの諺です。
意味は、時を経て初めて解る事がある、といったところでしょうか」
「そうか。彼は、何かが解ったのかもしれないね、この学院で。
どんな人だったんだろう」
「軍関係の人間かもしれませんね」
「軍?」
「ええ。何処となく、地下シェルターの作りに似てるんですよねえ、この辺りとか」
「そうなのかい? シルヴァンって色んな事に詳しいんだね」
「あ…この前見た映画にそういうのがあって♪
そろそろ、かくれんぼのタイムリミットじゃないですかねっ?」
シルヴァンは腕時計のライトを付ける。
秒針は、制限時刻まで残り5秒。
「…3、2、1、ゼロ♪ 僕達の勝ちですね」
「シルヴァンのおかげだね。ありがとう」
「いえいえ。貴方をお守り出来て、僕も嬉しいです♪」
「じゃあ、出ようか。サロンに集合だったよね?」
「はい」
ジョシュアが地上に上がろうと梯子に手を掛ける。
パチッと明かりが付いた。
「え? シルヴァン、ここ電気付くの?」
「ええ。ないと危ないでしょう?」
「じゃ、なんで今まで消してたの?」
「それは、まあ色々と…。あ! 光が外に漏れるといけないですしっ!」
かくれんぼ第1回戦は、ジョシュア・シルヴァン組の勝ち。
「結構面白かったね! もういっかいやろっか?」
ユウタの笑顔に、誰も異論を唱えない。
6人は、第2回戦のカードを引いた。
To Be Continued
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