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Marginal Prince Short Story
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■ジョシュア×姉貴 ジョシュア×アンリ
■ドリームチックBL
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「ジョシュア。紅茶を淹れて欲し…」

「あ。アンリ」

ジョシュアの部屋を開けると、彼は手にユウタの携帯を持っていた。

「…ユウタのお姉さんと電話中ね。なら邪魔者は消えるよ」

「邪魔じゃないよ、入って、アンリ」

「…君って、二股の趣味があるの?」

「違うよ。電話が繋がらないんだ」

「…繋がらない?」

「うん。さっきから何度も掛けているんだけど…駄目なんだ。ほら」

ジョシュアが携帯の画面を見せる。そこには、
『通信できません。制限設定、電波状態などを確認して下さい』
と事務的な文字列が表示されていた。ジョシュアは携帯を閉じる。

「ユウタのお姉さんにだけ繋がらなくて…こんなことってあるのかな。
どうしよう。もし、彼女に何かあったら…」

ジョシュアが携帯を握り締める。
ミシ、と軋む音がした。

「…そんなに、彼女の声が聞きたいの」

「えっ」

「孤島なのだから、電波障害くらいあるでしょう」

ジョシュアは首を横に振る。

「電波には問題が無いんだよ」

「じゃ、君が嫌われてるだけではないの?」

「…うん。それは、俺も考えた」

「何だ。心当たりがあるわけ?」

「いや。俺が気付いていないだけかもしれないだろう?」

「まあ、往々にして、傷付ける方は無自覚なものだからね」

「…うん。それに、彼女に何かあるよりは、ずっと良いかなって…」

アンリは呆れたとばかりに嘆息する。

「どうしようもない人だね、君は。
そういう利他的な態度が嫌われてるんじゃない?」

「…そう、なのかな」

「君の場合は、行き過ぎだからね」

アンリは苛々とした様子で、足を組み直す。

「ねえ。僕は紅茶が飲みたいのだけれど、早くしてくれない?」

ジョシュアは突然笑みを零した。

「嬉しいよ、アンリ」

「何が」

「アンリが不機嫌だから」

「それ、サディスティックな発言じゃない?」

「紅茶だったね。待っていて、すぐに用意する」

「何、その身の変わりよう。電話はもう良いの?」

「今夜はもう遅いし、明日また掛けてみることにするよ。
ユウタのお姉さんは優しい人だから、きっと解ってくれると思うし」

「勝手な解釈だね」

「彼女に繋がるまで、もう一人の姫のお相手をさせて頂くよ」

アンリは、深紅の瞳を見上げる。

「…浮気者」


fin
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