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Marginal Prince Short Story
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アイヴィーシナリオBL オーギュスト-夜の海 続編
■背景:カフェ、月桂樹に七夕飾り
■人物:なし

【アイヴィー】
ん? なんだ、この木。やたらカードぶらさげてるけど。
クリスマスツリーにしては早過ぎるし…。あ、センセだ。
わかんないことはセンセに聞いてみよう。センセー。


■背景:カフェ、月桂樹に七夕飾り
■人物:なし

【オーギュスト】
ごきげんよう、アイヴィー。

【アイヴィー】
ごきげんよー。ねね、何してんの?

【オーギュスト】
アンリの短冊を探しているんだ。先程、ウーティスの良い子達が来ていてね。
あの子も書いた筈だから、何をお願いしているのかなと思ってね。

【アイヴィー】
タンザク?

【オーギュスト】
七夕という伝統行事でね。この短冊に願いを書くと星が叶えてくれると言われているんだ。
本当は月桂樹ではなく、笹に飾るのだけどね。七夕は中国から日本に伝わったもので、
中国では当時、笹には精霊が宿ると信じられていたから。

【アイヴィー】
ふーん。それで、なんかいっぱいカード付いてんのか。
世界には面白い行事が色々あるもんだねー。センセは、お願いしないの?

【オーギュスト】
私には書くことがないからね。

【アイヴィー】
えー? あるでしょ、お願いのひとつやふたつ。俺はあるよ?
もう少しお仕事がラクになりますようにーとか、
好きなアーティストが島に来てくれますようにーとか。
煙草のパッケージがもうちょいカッコイイのに変わりますようにーとかさ。

【オーギュスト】
おやおや。貪欲だね、アイヴィーは。羨ましいよ。

【アイヴィー】
せっかくなんだからさ、センセもなんか書けばイイじゃん? ほい、タンザク。

【オーギュスト】
私にはもう、これ以上願うことなんてないんだ。
地上の楽園のような島で、あの子の傍に毎日居られる。
それに、この島には、君が居る。他に望むものなんてないよ。

【アイヴィー】
なんだかんだ言っても俺は二番目かー。
どうせ俺は裏方キャラですよ、『イイオトモダチ』で終わるタイプですよー。

【オーギュスト】
若い頃にそういう想い出があったのかい?

【アイヴィー】
な、ないもん。

【オーギュスト】
君と私は、いいお友達だと思っていたの?

【アイヴィー】
え…オトモダチでもなかった?

【オーギュスト】
時に、アイヴィー。ギリシャ語には愛が三種類あるのを知っているかい?

【アイヴィー】
し、知らないけど。てか、何よ、急に。

【オーギュスト】
一つ目はフィロス、友情という愛。二つ目はエロス、これは男女間の愛だね。
最後はアガペ、不朽の愛だ。ただ愛しくて、何の見返りも求めずに愛する、最高の愛。
私の君への愛はどれだと思うの?

【アイヴィー】
んなこと聞かれても…

【オーギュスト】
解らない? 良いよ、ではゆっくり考えてみよう。
この問題は選択肢が三つと少ないから、効率的に消去法でやってみようか。
先ず、私達の場合、性を越えているから、男女間の愛ではないよね?
では友情の愛だろうか。これも違う。だって、お友達とキスはしないだろう?
さあ、これで答えは解ったね? 残りのひとつ、覚えているかな?

【アイヴィー】
…ア、アガペ?

【オーギュスト】
正解。最高の愛だよ。


END
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