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Marginal Prince Short Story
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■アンリ×ジョシュア
■悪魔アンリ。
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「ジョシュア。どうしたの?」

「アンリ。少し頭が痛いだけだよ。気にしないでくれ。大丈夫だから」

「嫌だな、風邪?」

迷惑そうに言いながら、ジョシュアの額に手を置く。

「あっ、アンリ…」

「まだ熱は無いようだね」

「待って、アンリ。今、少し治った気がするんだ。
もう一度、触ってみてくれないか?」

「良いけど」

ジョシュアは、目を閉じる。

「やっぱり…アンリに触られると痛みが引いていくみたいだ。どうしてかな」

「それは、僕の手が冷たいことへの皮肉かい?」

「え。冷たいから、かな? 確かに、気持ち良いけど」

「まあ。古人も、こうして痛い所に手を当て、痛みを和らげていたからね。
特に、中世のヨーロッパでは、ロイヤル・タッチと言って、
王が手で触れると、病が治ったという話もあるくらいだし」

「へえ」

「後は、強い『力』を秘めた者の手。どちらかと言うと僕はこちらだね。
悪魔の手、と言ったところかな? 悪魔の足は毒の名前だし」

自嘲的に嗤う彼を、ジョシュアは「アンリ」と嗜める。

「でも、僕の手より、薬の方が早く良くなるんじゃない?
君が信頼しているドクターの、ね?」

「ううん。俺は、薬より、手の方が良いよ。
ねえ、アンリ。もう少し…手、離さないで」

「じゃ、そこに横になれば?」

「でも、俺、眠ってしまうかもしれないよ?」

「構わないよ、別に。次に起きた時には、
頭痛が治っているかもしれないし。…何か不満?」

「…すまない、我侭を言って」

「何のこと?」

「迷惑だったよね。ごめん、無理に付き合わせようとして。
俺、アンリには嫌な想いをさせたくなっ……あ、アンリ…?」

「いつにも増して弱気だね、ジョシュア。頭痛のせい、かな?」

「ちょっと…」

「弱気な君は、嗜虐心を煽るね」

「なっ、アンリ…俺から離れたいんじゃ…」

「…これでも、そう思う?」

「…思わ、ない」

「よくできました」

「すまない。俺、勘違い…」

「余計なこと考えるの、もう止めたら? 頭痛が増すだけだよ?」

「うん。そうだね。ありがとう、アンリ」

「悪いけど、お礼を言われる筋合いは無いと思うよ?」

「アン、リ?」

「…頭痛を忘れるくらい、何も考えられなく、してあげようか?」


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