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■ロレートシナリオ
「はい、いっちょあがりーっと」
夜中の浜辺。アイヴィー様は手についた砂をパンパンと払った。
彼の周囲には人相の悪い男達が伸びている。
島への侵入者。今は浜に打ち上げられた魚のように見えた。
「じゃー、撤収しよっか。このヒト達を『懺悔室』にお願い。
神父サマが舌なめずりして待ってっから」
了解、と彼の部下達が伸びた男達を次々運んでいく。
あれだけの乱闘騒ぎを演じた後なのに、大した持久力だ。
『聖アルフォンソ島は、高セキュリティの安全な島』
その安全は、決して無敵のバリアが張られているからではなく、
こうして警備組織の、人の手によって日々守られているのだ。
アイヴィー様は、部下の一人の側に近付き、こう言った。
「悪いんだけど、俺、うちに居るから、なんかあったら電話して?」
「珍しいですね、司令。取調べ、見学されないのですか?」
「うん。今日はロレート国王の側近さんとダイジなお話あるから。
神父サマになんか聞かれたら、そう言っといて。ジャマしないでって」
「了解しました」
アイヴィー様が私の元へ駆けて来る。
「ラルちゃん、さっきのダイジョブだった? わー、痛々しいことになってるー。ゴメンー!」
私は輩を避け切れず、口許を殴られて唇の端を切った。
その途端「あー! ラルちゃんに、あにすんだ、てめえ!」
と叫んだアイヴィー様の蹴りによって輩は倒された。
私の不注意だというのにアイヴィー様には謝罪の言葉を連呼された。
「ラルちゃん、ごめんね。唇、血が…」
私は唇の端を指でなぞる。赤く染まった指を舐める。苦い。
「少し切っただけです。申し訳ありません、怪我はしないと約束したのに、情けないです」
「いいんだよー、そんなことー! ね、お医者さんトコ行って、
なんかお薬とか付けて貰おっか? あのヒト、今めちゃ起きてるから」
「いいえ。平気です」
「そう? あ、ちょっと待って。そこ、血の痕、残ってる」
「え?」
肩に手を置かれる。
「じっとして? 拭いたげる」
→10-2
「はい、いっちょあがりーっと」
夜中の浜辺。アイヴィー様は手についた砂をパンパンと払った。
彼の周囲には人相の悪い男達が伸びている。
島への侵入者。今は浜に打ち上げられた魚のように見えた。
「じゃー、撤収しよっか。このヒト達を『懺悔室』にお願い。
神父サマが舌なめずりして待ってっから」
了解、と彼の部下達が伸びた男達を次々運んでいく。
あれだけの乱闘騒ぎを演じた後なのに、大した持久力だ。
『聖アルフォンソ島は、高セキュリティの安全な島』
その安全は、決して無敵のバリアが張られているからではなく、
こうして警備組織の、人の手によって日々守られているのだ。
アイヴィー様は、部下の一人の側に近付き、こう言った。
「悪いんだけど、俺、うちに居るから、なんかあったら電話して?」
「珍しいですね、司令。取調べ、見学されないのですか?」
「うん。今日はロレート国王の側近さんとダイジなお話あるから。
神父サマになんか聞かれたら、そう言っといて。ジャマしないでって」
「了解しました」
アイヴィー様が私の元へ駆けて来る。
「ラルちゃん、さっきのダイジョブだった? わー、痛々しいことになってるー。ゴメンー!」
私は輩を避け切れず、口許を殴られて唇の端を切った。
その途端「あー! ラルちゃんに、あにすんだ、てめえ!」
と叫んだアイヴィー様の蹴りによって輩は倒された。
私の不注意だというのにアイヴィー様には謝罪の言葉を連呼された。
「ラルちゃん、ごめんね。唇、血が…」
私は唇の端を指でなぞる。赤く染まった指を舐める。苦い。
「少し切っただけです。申し訳ありません、怪我はしないと約束したのに、情けないです」
「いいんだよー、そんなことー! ね、お医者さんトコ行って、
なんかお薬とか付けて貰おっか? あのヒト、今めちゃ起きてるから」
「いいえ。平気です」
「そう? あ、ちょっと待って。そこ、血の痕、残ってる」
「え?」
肩に手を置かれる。
「じっとして? 拭いたげる」
→10-2
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