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■ロレートシナリオ
***
同じ夜、ロレート王室ダイニングルーム。
王はいつものように一人で夕食を摂っていた。
傍らに控えているのはレイナ不在時の代理を命ぜられているエメリー。
フォークが皿に触れる音が聞こえる、静かなディナータイムだった。
ノックの音。エメリーがドアに向かう。
王はフォークを口に運びながら、臣下の背中を眺める。ドアが開く。
「お食事中、失礼致します」
長い髪の側役。ホワイトだった。
「陛下にお電話でございます」
王が問う。
「ラルヴィスか?」
ホワイトは、いえ、と言って、
「先日いらした、サン・ジェルマン様からです」
受話器を耳に当てると、低く甘い声が聞こえた。
「アロー? 王様」
「どうした、アンリ。慰謝料の請求か?」
「マフィアじゃあるまいし。あれくらいで、そんなケチなことしないよ」
「では、ロレートに何かビジネスプランでも?」
「レイナ卿、今夜はこの島で泊まるらしいね。さっき、変な面子に誘拐されてるのを見掛けたよ」
「島と国を行き来する間に、友人ができたようだからな」
「ねえ、王様って、マゾヒスト?」
「どちらかというと、逆のほうだと思うが?」
「王様の側近を、王子の世話役と兼任にしたと聞いた時、僕はすぐに解ったよ。
王様は自分が持っている最も有能な駒を次代の王へ譲り渡す気なんだって」
「本人達より、鋭いな」
「では、後にパートナーを組むことになる、ジョシュアとレイナ卿を訓練させる為、
早くから二人を組ませたってこと?」
「ああ」
「言ったでしょう? 僕は気味の悪い人間だって」
そう言う冷たい微笑が見えるようだった。
「訓練期間が必要だったのは、王様、貴方じゃない? いつか右腕を失っても平気でいられるように」
「口煩い臣下に、いい加減愛想が尽きただけさ」
「じゃあ、丁度、厄介払いができて良かった?」
「ああ。これで清々する」
アンリは、そう、と呟いて、少し笑った。
「なら、いいけど」
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同じ夜、ロレート王室ダイニングルーム。
王はいつものように一人で夕食を摂っていた。
傍らに控えているのはレイナ不在時の代理を命ぜられているエメリー。
フォークが皿に触れる音が聞こえる、静かなディナータイムだった。
ノックの音。エメリーがドアに向かう。
王はフォークを口に運びながら、臣下の背中を眺める。ドアが開く。
「お食事中、失礼致します」
長い髪の側役。ホワイトだった。
「陛下にお電話でございます」
王が問う。
「ラルヴィスか?」
ホワイトは、いえ、と言って、
「先日いらした、サン・ジェルマン様からです」
受話器を耳に当てると、低く甘い声が聞こえた。
「アロー? 王様」
「どうした、アンリ。慰謝料の請求か?」
「マフィアじゃあるまいし。あれくらいで、そんなケチなことしないよ」
「では、ロレートに何かビジネスプランでも?」
「レイナ卿、今夜はこの島で泊まるらしいね。さっき、変な面子に誘拐されてるのを見掛けたよ」
「島と国を行き来する間に、友人ができたようだからな」
「ねえ、王様って、マゾヒスト?」
「どちらかというと、逆のほうだと思うが?」
「王様の側近を、王子の世話役と兼任にしたと聞いた時、僕はすぐに解ったよ。
王様は自分が持っている最も有能な駒を次代の王へ譲り渡す気なんだって」
「本人達より、鋭いな」
「では、後にパートナーを組むことになる、ジョシュアとレイナ卿を訓練させる為、
早くから二人を組ませたってこと?」
「ああ」
「言ったでしょう? 僕は気味の悪い人間だって」
そう言う冷たい微笑が見えるようだった。
「訓練期間が必要だったのは、王様、貴方じゃない? いつか右腕を失っても平気でいられるように」
「口煩い臣下に、いい加減愛想が尽きただけさ」
「じゃあ、丁度、厄介払いができて良かった?」
「ああ。これで清々する」
アンリは、そう、と呟いて、少し笑った。
「なら、いいけど」
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