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■ひなまつりの後日談
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ウーティス寮 サロン。
寮生全員で、いつものように楽しい時間を過ごしていた。
今の話題は昨日のひなまつり作戦について。
企画部隊のレッド、シルヴァン、ジョシュアが、
被害者のユウタに責められている。
レッドは首謀者を指差す。
「言っとくけど! 最初にやろうって言い出したのは、シルヴァンだからなっ?」
「姫を着替えさせる方法を考えてくれたのは、レッドですけどね?
ターゲットがサロンに入ってきたら、ジョシュアが目隠しをして、
レッドがブレーザーを脱がせ、僕がドレスを着せる。
お見事な戦法でしたよ、レッド?」
「シルヴァン! そーゆーことはバラすなっ!!」
「そんな連係プレイだったんだ?」
ハルヤが苦笑する。
隣でユウタが頬を膨らませている。
「ケーカク的犯罪だよー。ね、アンリもそう思うよねっ?」
返事が返って来ない。
同意の毒舌が得られると確信していたユウタは、
おかしいなあ、と思い、アンリの席へ行く。
ユウタは息を飲む。
「…アンリ、寝てるみたい」
「マジで!? 見たい見たい!」
レッドを先頭に、全員が寝顔の周りに集まってくる。
アンリは本に手を乗せたまま、静かに眠っていた。
ユウタは正面に回って、寝顔を見上げる。
「アンリの寝顔、初めて見た…可愛いんだね…。
あ、こんなこと言ったら、アンリに怒られそうだけど」
「大丈夫ですよ、今は眠っているんですから。
本当に、眠り姫といった所でしょうかね」
ハルヤはシルヴァンの後方から寝顔を覗く。
「てゆうか、俺達が騒いでる中でよく寝れたなあ、アンリ。
そういうとこ、繊細なのかと思ってたんだけど。意外と神経、強靭なんだね」
ユウタが口に手を当てて、笑いを堪える。
「ハルヤ、結構酷いこと言ってない?」
「え? そう?」
レッドは寝顔のすぐ近くにしゃがむ。
まじまじと横顔を見つめる。
「…コイツ、寝てる時は天使なんだよなあ…」
「アンリは起きていても天使だよ、レッド」
レッドの頭上からジョシュアの声が降って来る。
コイツは誰にも甘いけど、アンリには特別甘い気がする。
「起きてる時は天使じゃなくて毒使い、だろ?」
「君は、アンリの毒舌が気に入っているのだと思っていたけれど?」
「き、気に入るかよっ!?
こんな傲慢で冷たくて、人に毒吐くことしか知らなくて、
俺に優しくしたことなんて一度もない奴のことなんかっ!!」
「…人が寝てると思って、言いたい放題だね、レッド」
「うわっ! アンリが起きたっ!?」とユウタ。
レッドは、恐る恐る片手をあげる。
「…モ、モーニン。目覚めはどうだ?」
「おかげさまで。最悪だよ、レッド」
「ったく、お前は…起きた途端に毒使いだもんなあ」
「アンリなら、途中から起きていたよ?」
ジョシュアの一言に「ええっ!?」と声が上がる。
「そうだろう、アンリ?」
「…僕が起きていると知っていたのに、あの発言? 悪趣味だね」
「すまない。もっと見ていたかったんだ、天使の寝顔を」
「…そういう冗談は止めて」
「俺は、冗談が言える程、器用な人間ではないよ」
「ねえ、ジョシュア!」
「ん。どうしたんだい、ユウタ?」
「なんでジョシュアは、アンリが起きてるって解ったの?」
サロンの空気が一部で凍る中、
シルヴァンが、にっこりと微笑する。
「…いいですか、ユウタ? 世の中には、
聞いて良いことと、聞いてはいけないことがあるんですよ?」
「…ん? いけないの?」
「というか、知らない方が幸せなこともある、ということですね」
ユウタは疑問を顔に貼り付けたまま、ジョシュアを振り向く。
ジョシュアは、ユウタの視線を受け止めて微笑む。
「アンリが本当に眠っているかくらいは判るよ。
俺はアンリと付き合いが長いから。…ね、アンリ?」
「…僕に振るな」
fin
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ウーティス寮 サロン。
寮生全員で、いつものように楽しい時間を過ごしていた。
今の話題は昨日のひなまつり作戦について。
企画部隊のレッド、シルヴァン、ジョシュアが、
被害者のユウタに責められている。
レッドは首謀者を指差す。
「言っとくけど! 最初にやろうって言い出したのは、シルヴァンだからなっ?」
「姫を着替えさせる方法を考えてくれたのは、レッドですけどね?
ターゲットがサロンに入ってきたら、ジョシュアが目隠しをして、
レッドがブレーザーを脱がせ、僕がドレスを着せる。
お見事な戦法でしたよ、レッド?」
「シルヴァン! そーゆーことはバラすなっ!!」
「そんな連係プレイだったんだ?」
ハルヤが苦笑する。
隣でユウタが頬を膨らませている。
「ケーカク的犯罪だよー。ね、アンリもそう思うよねっ?」
返事が返って来ない。
同意の毒舌が得られると確信していたユウタは、
おかしいなあ、と思い、アンリの席へ行く。
ユウタは息を飲む。
「…アンリ、寝てるみたい」
「マジで!? 見たい見たい!」
レッドを先頭に、全員が寝顔の周りに集まってくる。
アンリは本に手を乗せたまま、静かに眠っていた。
ユウタは正面に回って、寝顔を見上げる。
「アンリの寝顔、初めて見た…可愛いんだね…。
あ、こんなこと言ったら、アンリに怒られそうだけど」
「大丈夫ですよ、今は眠っているんですから。
本当に、眠り姫といった所でしょうかね」
ハルヤはシルヴァンの後方から寝顔を覗く。
「てゆうか、俺達が騒いでる中でよく寝れたなあ、アンリ。
そういうとこ、繊細なのかと思ってたんだけど。意外と神経、強靭なんだね」
ユウタが口に手を当てて、笑いを堪える。
「ハルヤ、結構酷いこと言ってない?」
「え? そう?」
レッドは寝顔のすぐ近くにしゃがむ。
まじまじと横顔を見つめる。
「…コイツ、寝てる時は天使なんだよなあ…」
「アンリは起きていても天使だよ、レッド」
レッドの頭上からジョシュアの声が降って来る。
コイツは誰にも甘いけど、アンリには特別甘い気がする。
「起きてる時は天使じゃなくて毒使い、だろ?」
「君は、アンリの毒舌が気に入っているのだと思っていたけれど?」
「き、気に入るかよっ!?
こんな傲慢で冷たくて、人に毒吐くことしか知らなくて、
俺に優しくしたことなんて一度もない奴のことなんかっ!!」
「…人が寝てると思って、言いたい放題だね、レッド」
「うわっ! アンリが起きたっ!?」とユウタ。
レッドは、恐る恐る片手をあげる。
「…モ、モーニン。目覚めはどうだ?」
「おかげさまで。最悪だよ、レッド」
「ったく、お前は…起きた途端に毒使いだもんなあ」
「アンリなら、途中から起きていたよ?」
ジョシュアの一言に「ええっ!?」と声が上がる。
「そうだろう、アンリ?」
「…僕が起きていると知っていたのに、あの発言? 悪趣味だね」
「すまない。もっと見ていたかったんだ、天使の寝顔を」
「…そういう冗談は止めて」
「俺は、冗談が言える程、器用な人間ではないよ」
「ねえ、ジョシュア!」
「ん。どうしたんだい、ユウタ?」
「なんでジョシュアは、アンリが起きてるって解ったの?」
サロンの空気が一部で凍る中、
シルヴァンが、にっこりと微笑する。
「…いいですか、ユウタ? 世の中には、
聞いて良いことと、聞いてはいけないことがあるんですよ?」
「…ん? いけないの?」
「というか、知らない方が幸せなこともある、ということですね」
ユウタは疑問を顔に貼り付けたまま、ジョシュアを振り向く。
ジョシュアは、ユウタの視線を受け止めて微笑む。
「アンリが本当に眠っているかくらいは判るよ。
俺はアンリと付き合いが長いから。…ね、アンリ?」
「…僕に振るな」
fin
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