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Marginal Prince Short Story
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■オーギュスト×アイヴィー ショート
アイヴィーが夜の緊急召集から帰宅した時、オーギュストはまだ起きていた。

「センセ…寝てて良かったのに」

「おかえり。こんな寒空の下、ダンスパーティとはね。お疲れ様」

センセが俺の右手を取った。
なんだ? と思った時には、センセの唇が俺の人差し指に触れていた。

「外はかなり寒いようだね?」

「いや、手で触った時点で解るでしょ、それ」

成程、とセンセが笑う。

「葡萄酒を常温にして待っていたのだけどね。今宵はグリューにしよう」

センセは「鍋をお借りするよ」と言ってキッチンに入った。


「お待たせ。どうぞ」

マグカップに紫色の液体が入っているのは、なんだかフシギだ。
センセは鍋で温めた赤ワインを出してくれた。
テーブルに置かれたカップから、ワインの香りに当てられる。

「うわ、凄い香りするね」

「温まるよ」

温めてアルコールが飛んだせいか、口当たりが軽くて飲み易い。
空っぽの胃に沁み込むようだ。

「少しは温まったかな?」

「うん」

「では今宵はもう休んだほうが良い。過酷な肉体労働の後なのだし」

「えっ?」

「何だね?」

「あ、いや、何でも…」

「そんな顔を見せられては、期待に応えないわけにはいかないね」


fin
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