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Marginal Prince Short Story
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■ウーティス寮の愉快な仲間達
「今日は宿題いっぱい出ちゃったね」

「ほんと。あーあ。めんどくさっ」

ユウタとハルヤは校舎を出て、寮に戻る途中だった。
二人とも教科書に加え、プリントの束を持っている。今日の授業で出た課題だ。

「ねえ、ハルヤ。宿題、一緒にやらない?」

「そうだね。一人でやるより早く終わるかも。じゃあ、サロンでやろっか?」

「うんっ。ありがと、ハルヤ!」

サロンのドアを開けると、コーヒーの良い香りがした。
ジョシュア、シルヴァン、アルフレッドが談笑しているところだった。

「でさ、フランスでは、最初のHは声出さないんだとよ」

アルフレッドがそう言うと、ジョシュアがコーヒーカップを置いた。

「うん。そうだね、フランスでは。アンリも声出さないし」

ユウタの頬が赤くなる。

「ええっ!? ジョシュア、何言ってんのっ!?」

「え?」

「俺だって、ジョシュアとアンリが中等部から同じ寮で、仲が良いのは知ってるよ?
それに、二人はなんか特別な雰囲気があるなとはちょっと思ってたけど、
そ、そこまで進んだ仲だったなんて……てゆうか、なんで、そんなこと、サロンでオープンに話し合ってんのっ!?」

ジョシュアは困惑している。

「えっと、話してはいけないことだったかな?」

「だ、だって、『最初の』ってことは、つまり、あの、
ジョシュアとアンリはもう何回も……ってこと、なんだよね……」

「俺は違うよ? 最初じゃないから」

「ええっ? アンリが初めてじゃないの? ってことは一体何歳の時に……」

シルヴァンが手を叩く。

「あっ! でも、ハルヤは声に出しますよねっ、『ハァッ』って」

「シルヴァンとハルヤまでっ!?」

ハルヤが顔を赤らめる。

「シ、シルヴァン! みんなの前で何言ってんだよっ」

「おや。ダメ、でしたか? でも、ハルヤは声出しますよね?」

「だから、そういうこと言っちゃダメだってば、シルヴァン!」

アルフレッドが首を捻っている。

「おいおい、ユウタもハルヤも、さっきからどうした?
二人して、何、顔赤くしてんだよ?
Hが最初の時に、声出すことの何が恥ずかしいんだ?
フランスではルールとして、声出さないってだけだろ?
アメリカやイギリスでは声に出すし。なあ、ジョシュア?」

「うん。ハッピーだと声に出るし」

ユウタが口ごもる。

「そ、それは、ハッピーなことかもしれないけどさ……」

「毎日毎日、騒がしいね、君達は」

ドアのほうからアンリが歩いてくる。ユウタは更に赤面する。

「あ、あああ、アンリ!?」

「ん? ユウタ、どうして、君、そんなに顔を赤くしているの?」

アルフレッドが頭を掻きながら、

「いやー、なんか解んねーんだけどよ? 俺達がフランス語の話してたら、
ユウタとハルヤが、顔真っ赤になっちまってな」

「フランス語の話だったの!?」

ユウタは大声で言った。

「じゃあ『最初のHは声出さない』って、もしかして黙字のこと!?」

ハルヤは肩を落とした。

「なんだ、驚かせないでよ……」

ジョシュアは首を傾げながらも、

「何か誤解があったみたいだけど、誤解が解けたみたいで良かったよ」

「つーか、どんな誤解をしたんだよ? おい、説明してくれよ、ユウタ」

「そ、そんなこと言えるわけないよっ!」


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