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Marginal Prince Short Story
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■テオ ハルヤ シルフェ×レオシュ
それは1月下旬のこと。
今日の授業が全て終わり、シルフェはシュヌーシア寮サロンへ戻ってきた。
いつもより賑やかだなと思ったら、輪の中心に人気者が居た。
東洋から来た、ウーティス寮のハルヤだ。

隣を陣取っているのが、生徒代表のテオだったから、
おそらく、授業終わりにたまたまハルヤと会って、
「良かったらどうだい? うちの寮でお茶でも」とでも言ってナンパして来たんだろう。
シルフェはバトラーに紅茶を頼んだあと、空いている席に座り、皆の話を聞くことにした。

「無言で食べ続けるのかい? 食べ終わるまでずっと?」

「うん。恵方っていう、その年、えっと、ラッキーな方角を向いて」

テオの質問に対して、ハルヤが不慣れながらも説明している。
どうやら、テオにせがまれて、ハルヤが日本の行事について話しているらしかった。

「ラッキーな方角? それは、一体どのように行うものなんだい?」

「どのように? んーまあ、こんなかんじ」

その時、ハルヤが取ったポーズを見て、シルフェは思わず紅茶を吹きそうになった。
世界には、自分が知らない行事が色々あるもんだ。いや、しかし。
手の甲で口許を拭いながら、あるアイディアを思い付いた。シルフェはハルヤに確認する。

「じゃあさ、2月3日、日本人は皆、そのポーズするってこと?」

「え? まあ、うん」

「日本の行事って面白いじゃん。なあ、テオ?」

「うん! 日本の行事は実にミステリアス! まるで東洋の黒い真珠のようだ!」

「気に入ったんなら、シュヌーシアでも一回やってみたら?」

「えっ?」

「皆で日本文化を学ぶってかんじで。他の寮の奴等も誘って、いっちょ派手にさ?」

「おお! グッドアイディアだね、シルフェ!」

テオが立ち上がる。

「2月3日、シュヌーシアでもセツブンをやろう!
セツブンの特別講師は君だよ、東洋の黒い真珠!」

「ええっ? 俺?」

テオはハルヤの手を覆うようにがしりと握る。

「そうとも! 君をおいて他に誰が居ると言うんだい!」

顔面に触れるほどに迫る。

「日本を代表して、私達に日本文化の素晴らしさを教えておくれ! 東洋の黒い真珠先生!」

「もう……更に名前が長く……」

「引き受けてくれるよね!」

「……解ったよ」

やったー、とテオが大喜びしてハルヤに抱き着く。
シルフェは密かに笑っていた。

よし。レオシュも呼んでやろうっと。


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