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■ソクーロフに看病されちゃった1 続編
淡いピンクのスリットから白い脚が覗いている。
チャイナドレスを着た店員が、テーブルの前を通り過ぎた。
「結局、中華にしたのか」
「あ、うん」
アイヴィーはソクーロフに向き直る。二人はテーブルを挟んで座っていた。
壁には中華風の灯籠。ぽうっとオレンジ色に灯っている。
「今日はなんかギョーザ食べたいなーと思って。あ、来た来たっ」
皿がテーブルに置かれる。できたての餃子はツヤツヤしていた。
アイヴィーはフォークで刺して、タレに付け、口に運んだ。
「ウマイ。でも、今日はもうチューできないね」
「する相手が居ないだろう、お前は」
「それはソクちゃんもでしょ」
アイヴィーは、もうひとつ餃子を口に運ぶ。
「んまい、んまい」
ソクーロフは餃子の皿には手を付けず、
中華クラゲのサラダをつまみながら、グラスに口付けていた。
店内には、中華料理屋らしい曲がゆったりと流れている。
アイヴィーは欠伸を噛み殺したのを見て、ソクーロフが言った。
「今日は、昼間から随分眠そうにしているな」
「あ、そう?」
「寝ていないのか?」
「いやー、そんなことないと思うけど」
「お前も体調管理は義務だろう。睡眠と栄養には気を配れ。
今は風邪が流行る時期なのだから、手洗いは確実に行えよ」
「手洗いって」
アイヴィーは笑いながら、餃子をタレに付ける。
「俺、小学生じゃないんだよ?」
パクッと半分、口に入れる。ここの餃子は皮がもっちりしている。
「手洗いは風邪予防の基本だ。バカにはできないぞ」
「ま、お医者さんがそう言うんなら、そうなんだろーけどねー」
残りの半分からジューシーな肉汁が零れている。もう一度タレに付けて口に入れた。
頼んだ皿を全部空にした頃、アイヴィーが目に見えて、うとうとし始めた。
その向かいで、細い煙がリボンのように昇っていく。
ソクーロフは暫くの間、ゆっくりと紫煙を吹かしながら、彼の様子を見守っていた。
店内に流れる二胡に合わせているかのように、アイヴィーの頭が揺れていた。
アイヴィーの頭がガクッと大きく揺れた時、ソクーロフは灰皿に煙草を押し付けた。
「引き上げるぞ」
「え、なに、なに?」
「帰る」
ひらりと黒いロングコートを翻す。
「あ、待って、待って」
もたもたしながら、その黒い背中を追いかけた。
帰宅したアイヴィーは、どかっとソファに座った。
お客さん次第の不規則なお仕事だからか、
例え一睡もしてなくても身体は動いてくれるようになってた。
防衛本能ってやつかもしれない。
仕事中、睡魔に負けてたら二度と目を覚まさなくなるかもしれないから。
眠たかったら、時間が空いた時に、一、二時間眠れればそれで事足りる。
その筈なのに、今日はなんだかとっても眠たくて。
ベッドまで移動することさえ面倒なくらいだ。
今日はこのままソファで寝てしまおうか。
先程聞いたお医者様からの『お言い付け』が思い出される。
アイヴィーは、洗っていない手を眺めながら、ソファで横になる。
「ま。いっか。おやすみー」
→
淡いピンクのスリットから白い脚が覗いている。
チャイナドレスを着た店員が、テーブルの前を通り過ぎた。
「結局、中華にしたのか」
「あ、うん」
アイヴィーはソクーロフに向き直る。二人はテーブルを挟んで座っていた。
壁には中華風の灯籠。ぽうっとオレンジ色に灯っている。
「今日はなんかギョーザ食べたいなーと思って。あ、来た来たっ」
皿がテーブルに置かれる。できたての餃子はツヤツヤしていた。
アイヴィーはフォークで刺して、タレに付け、口に運んだ。
「ウマイ。でも、今日はもうチューできないね」
「する相手が居ないだろう、お前は」
「それはソクちゃんもでしょ」
アイヴィーは、もうひとつ餃子を口に運ぶ。
「んまい、んまい」
ソクーロフは餃子の皿には手を付けず、
中華クラゲのサラダをつまみながら、グラスに口付けていた。
店内には、中華料理屋らしい曲がゆったりと流れている。
アイヴィーは欠伸を噛み殺したのを見て、ソクーロフが言った。
「今日は、昼間から随分眠そうにしているな」
「あ、そう?」
「寝ていないのか?」
「いやー、そんなことないと思うけど」
「お前も体調管理は義務だろう。睡眠と栄養には気を配れ。
今は風邪が流行る時期なのだから、手洗いは確実に行えよ」
「手洗いって」
アイヴィーは笑いながら、餃子をタレに付ける。
「俺、小学生じゃないんだよ?」
パクッと半分、口に入れる。ここの餃子は皮がもっちりしている。
「手洗いは風邪予防の基本だ。バカにはできないぞ」
「ま、お医者さんがそう言うんなら、そうなんだろーけどねー」
残りの半分からジューシーな肉汁が零れている。もう一度タレに付けて口に入れた。
頼んだ皿を全部空にした頃、アイヴィーが目に見えて、うとうとし始めた。
その向かいで、細い煙がリボンのように昇っていく。
ソクーロフは暫くの間、ゆっくりと紫煙を吹かしながら、彼の様子を見守っていた。
店内に流れる二胡に合わせているかのように、アイヴィーの頭が揺れていた。
アイヴィーの頭がガクッと大きく揺れた時、ソクーロフは灰皿に煙草を押し付けた。
「引き上げるぞ」
「え、なに、なに?」
「帰る」
ひらりと黒いロングコートを翻す。
「あ、待って、待って」
もたもたしながら、その黒い背中を追いかけた。
帰宅したアイヴィーは、どかっとソファに座った。
お客さん次第の不規則なお仕事だからか、
例え一睡もしてなくても身体は動いてくれるようになってた。
防衛本能ってやつかもしれない。
仕事中、睡魔に負けてたら二度と目を覚まさなくなるかもしれないから。
眠たかったら、時間が空いた時に、一、二時間眠れればそれで事足りる。
その筈なのに、今日はなんだかとっても眠たくて。
ベッドまで移動することさえ面倒なくらいだ。
今日はこのままソファで寝てしまおうか。
先程聞いたお医者様からの『お言い付け』が思い出される。
アイヴィーは、洗っていない手を眺めながら、ソファで横になる。
「ま。いっか。おやすみー」
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