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Marginal Prince Short Story
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ソクーロフに看病されちゃった4 続編
休日。アイヴィーはどこにも出かけず、自宅に居る予定だった。
いつもより、ちょい遅めに起きる筈が、
今日はなかなかベッドから出られず、大分遅めに起きた。

「まあ、いいや。今日は一日ゆっくり……」

ピンポーンとドアチャイムが鳴った。遠慮なくピンポンピンポーンと続く。

「……してられないみてーだな」

諦めて起き上がる。インターホンのテレビカメラを見てみると、
こちらを覗きこんでいる、どアップの青い目が映って、
アイヴィーはビックリさせられた。相手がカメラから離れる。
そこに居たのはマージナルプリンスども。
デッドプリンスというバンドを組んでいる三人組だ。
青い目の人物は、世界的に有名な若きハリウッドスターだった。

「アイヴィー、居るんだろー? 開けてくれよー。腹減ったー」

スクリーンに映っていた彼は、紛れもなく大海原を駆ける海賊だったのに、
この小さいカメラに映るアルフレッド・ヴィスコンティは、
随分と子供染みたことを言うものだ。ダラダラした休日に終止符を打たれ、
文句のひとつでも言おうと思っていたのに、すっかり毒気が抜かれてしまった。
アルフレッドの隣に居る眼鏡の男は、申し訳なさそうにしているが、
手はお腹を押さえており、三人の中で一番空腹そうだった。
ハリウッドスターを押し退けて、長い髪の男が映る。

「マルゲリータひとつお願いしまーす!」

「俺はツナマヨピザー!」

反射的に、冷蔵庫の中身を思い浮かべた自分にがっかりしながら、
アイヴィーは通話ボタンを押す。

「うちはピザ屋じゃねーぞ」


結局、マージナルプリンスどものご注文通り、
ピザを食わせることになった。料理するようになってから、
つい買っちまったオーブンレンジが役に立ってしょうがない。

デッドプリンスが帰ったら、もう夕方になっていた。
どうせ、ゆっくり寝るくらいしか予定のない休日だったし、
あいつらが来たおかげで、煩いくらい賑やかな休日にはなったけど、
一人になった途端、どっと疲れた。ソファの上で横になる。

「メシ作るのって、こんなに疲れるモンだったっけ……」

たまたま、手の甲がおデコに触れた。いつもよりちょっと熱い気がする。
はあ、と吐いた溜め息も少し熱いような気がした。
ここ最近、やけに眠かったり、身体がだるかったりしたことに納得した。

「ま、今日は休みだし、寝れば治るでしょ」

今日こそソファでなく、ベッドで眠らなくちゃ、とは思うが、
身体が重くて、言うことを聞いてくれそうにない。
仕方ない。とにかく寝よう、と思った時、腕時計が赤く光った。
侵入者が来たことを知らせるアラートだ。

「こんな時にお客さんかよ……続く時は続くんだよなー」

赤い丸は5個点滅していた。

「しかも、ちょっと多いじゃねえか。しゃあない」

すると、先程までのだるさがウソのように消え、すっと身体は起き上がった。

「行きますか」


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