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■ソクーロフに看病されちゃった5 続編
捕らえた侵入者達が、追憶の塔に運ばれる。
今夜の侵入者は、難なく捕まえることができた。
数が多いだけで大したことはなくて良かった。
程なくして、追憶の塔に自白のプロフェッショナル、ソクーロフ博士が到着した。
侵入者に自白させる為だ。自白は、いつも通りスムーズに終わった。
自白のプロが仕事を終え、取調室、通称『懺悔室』から出てくる。
ソクーロフの仕事中、通常、アイヴィーは、マジックミラー越しに立ち会っている。
決して、司令官の義務ではない。
自白を行う場合、記録者は別に居るし、撮影もしている。
それなのに、司令官は何故かいつも見に来ていた。
しかし、今日は来ていなかった。どこに居るのか、と思えば、
中央司令室で、司令官らしく、事後処理の指示をしている彼の姿があった。
司令官がソクーロフに気付く。
「あ、もう終わったんだ? いつもありがとね、ソクちゃん」
司令官の顔を見た途端、医師の眉間に皺が寄った。
「おい」
「ん?」
「触らせろ」
司令官は一歩後ずさる。
「ちょ、アンタ、こんな所で何言っ」
医師が触れたのは、司令官の額だった。司令官は肩を落とす。
「なんだ……触らせろって、おデコかよ……」
医師は副司令官に言った。
「クロイツ。今夜の仕事は、大方、片が付いたかな?」
「ええ、おかげさまで。博士はお帰り頂いて構いません。
只今、お車を用意致します。お疲れ様でした」
「では、今夜はもう司令官が居なくても構わないかな?」
「司令が何か?」
「司令官は熱が38.6度程あるようなのでね。
保健室で引き取るよ。君達の迷惑にならないように」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
司令官が反論する。
「体温計じゃなくて、手で計っただけでしょ? そんなにないって」
「近年、私の手で計った場合、誤差が0.5度以上あったことはない」
「ミスター体温計かよ……」
「行くぞ」
「で、でも、まだお仕事終わってないしー、俺なら大丈夫だって」
「大丈夫かどうかは、私が決めることだ。来い」
「うわっ、ちょっ」
強引に腕を引かれ、引きずられるように退場していく。
「たーすけてー! クロちゃーん!」
「お休みのところ、お疲れ様でした、司令」
副司令官はいつもと変わらぬ挨拶で見送った。
司令官は何やらぎゃいぎゃい言いながら、博士に連行されていく。
その様子を、隊員達は苦笑したり、ぽかんとしながら見守っていた。
「あんなに元気そうなのになあ、司令。
さっきも、いつもみたいに侵入者をバッタバッタと倒してたし」
「そうですね」
一人の隊員が呟くと、傍に居た副司令は思わず相槌を打っていた。
隊員は、おそるおそる副司令に尋ねる。
「あの、副司令は、司令が調子悪そうに見えました?」
「いいえ。私は気が付きませんでした」
「ですよねえ」
「けれど、医師である彼が言うのならば、そうなのでしょう」
「ですよねえ」
「さあ、私達は仕事に戻りますよ」
はい、と隊員達は声を揃えた。
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捕らえた侵入者達が、追憶の塔に運ばれる。
今夜の侵入者は、難なく捕まえることができた。
数が多いだけで大したことはなくて良かった。
程なくして、追憶の塔に自白のプロフェッショナル、ソクーロフ博士が到着した。
侵入者に自白させる為だ。自白は、いつも通りスムーズに終わった。
自白のプロが仕事を終え、取調室、通称『懺悔室』から出てくる。
ソクーロフの仕事中、通常、アイヴィーは、マジックミラー越しに立ち会っている。
決して、司令官の義務ではない。
自白を行う場合、記録者は別に居るし、撮影もしている。
それなのに、司令官は何故かいつも見に来ていた。
しかし、今日は来ていなかった。どこに居るのか、と思えば、
中央司令室で、司令官らしく、事後処理の指示をしている彼の姿があった。
司令官がソクーロフに気付く。
「あ、もう終わったんだ? いつもありがとね、ソクちゃん」
司令官の顔を見た途端、医師の眉間に皺が寄った。
「おい」
「ん?」
「触らせろ」
司令官は一歩後ずさる。
「ちょ、アンタ、こんな所で何言っ」
医師が触れたのは、司令官の額だった。司令官は肩を落とす。
「なんだ……触らせろって、おデコかよ……」
医師は副司令官に言った。
「クロイツ。今夜の仕事は、大方、片が付いたかな?」
「ええ、おかげさまで。博士はお帰り頂いて構いません。
只今、お車を用意致します。お疲れ様でした」
「では、今夜はもう司令官が居なくても構わないかな?」
「司令が何か?」
「司令官は熱が38.6度程あるようなのでね。
保健室で引き取るよ。君達の迷惑にならないように」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
司令官が反論する。
「体温計じゃなくて、手で計っただけでしょ? そんなにないって」
「近年、私の手で計った場合、誤差が0.5度以上あったことはない」
「ミスター体温計かよ……」
「行くぞ」
「で、でも、まだお仕事終わってないしー、俺なら大丈夫だって」
「大丈夫かどうかは、私が決めることだ。来い」
「うわっ、ちょっ」
強引に腕を引かれ、引きずられるように退場していく。
「たーすけてー! クロちゃーん!」
「お休みのところ、お疲れ様でした、司令」
副司令官はいつもと変わらぬ挨拶で見送った。
司令官は何やらぎゃいぎゃい言いながら、博士に連行されていく。
その様子を、隊員達は苦笑したり、ぽかんとしながら見守っていた。
「あんなに元気そうなのになあ、司令。
さっきも、いつもみたいに侵入者をバッタバッタと倒してたし」
「そうですね」
一人の隊員が呟くと、傍に居た副司令は思わず相槌を打っていた。
隊員は、おそるおそる副司令に尋ねる。
「あの、副司令は、司令が調子悪そうに見えました?」
「いいえ。私は気が付きませんでした」
「ですよねえ」
「けれど、医師である彼が言うのならば、そうなのでしょう」
「ですよねえ」
「さあ、私達は仕事に戻りますよ」
はい、と隊員達は声を揃えた。
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