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Marginal Prince Short Story
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ソクーロフに看病されちゃった7 続編
翌朝。医師は保健室から電話をかけていた。

「ソクーロフです。副司令官は、今、話せるかな?」

少々お待ち下さい、と警備組織のオペレーターが言った。間もなく相手が変わる。

「お待たせ致しました、クロイツです。博士、司令の具合は」

「大したことはなかったよ。きちんと休めば直に良くなる」

そうですか、と副司令官は言った。
彼は元々無機質な声をしている人間で、今の一言もそれに近いものだったが、
ソクーロフの耳には、普段の彼の声とは僅かに違うように聞こえた。

「博士。司令は、現在も保健室で眠っているのでしょうか?」

「ああ。もう暫くは起きないと思うよ。睡眠薬の効果が強い薬を飲ませたから。
司令官に何か言付けがあったかね?」

「いえ。ありません」

「それで、今日から三日は、司令官を休ませたいんだが、構わないかね?」

「三日間、ですか」

「ダメ司令官が、たった三日、席を外しても、
君が居れば問題ないだろう? それに、他の隊員達に感染しては、
それこそ島の安全を揺るがす問題に繋がりかねないからね?」

「そうですね。了解致しました。司令の業務は私が代行します」

「君には迷惑をかけて申し訳ないね。私の監督不行き届きだった。
学院関係者の体調不良は、全て私の責任だ。
司令官不在の間は、実質、君が司令官となる。
もちろん、君なら司令官以上に務めてくれるだろうね。
よろしく頼むよ、クロイツ司令官?」

「もちろん、博士に言われずとも解っています。
司令が不在でも組織に支障がないよう、私が存在しているのですから」

「そうだね」

「それに、私は、司令の体調不良までが、博士の監督不行き届きとは思いません。
司令の身体は司令のものです。以前から気になっておりましたが、
まるで博士の所有物かのように言われるのは納得できかねます。
もし、本人以外に責任があるというのなら、副司令官である私にあると存じますが」

「すまない。部外者が出すぎたことを言ってしまったね」

「いえ。お話は以上でしょうか」

「ああ」

「それでは私はこれで。失礼致します」

ソクーロフは受話器を置いて、一人ほくそ笑む。

「部外者の態度に対する不快感と、
司令官の不調に気付けなかった己に対する憤り、か」

出会った当初は、不真面目で大雑把な司令官との相性が悪かったようだが、
月日を重ねるうちに、彼を司令官として認めるようになったか、
とソクーロフは思った。そして、置いた受話器を再び持ち上げた。

「ドーム・シェフですか? ソクーロフです。おはようございます」

医師が電話した先は第三学生寮のキッチンだった。

「実は、シェフに頼みたいことがあるのですが」


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