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■シルヴァンVSアイヴィー4 続編
聖アルフォンソ学院ライブラリ。
月曜日の放課後には、決まって三人の生徒が姿を見せる。
一人目の生徒は、既にライブラリ併設のカフェに居た。
広々とした空間で、午後の穏やかな日が差し込んでいる。
この眼鏡の生徒は、一番隅っこの席が好きだった。
彼がテーブルの上に広げているのは、分厚い雑誌。
日本で一週間前に発売された週刊漫画雑誌。
彼が入学初日から毎週取り寄せているものだ。
最初は一人で読んでいたのだが、そのうちに一緒に読む人が一人増え、
今年になってからは更に一人増えた。今では三人で回し読みしている。
そろそろ、他の二人も来るだろうと思いながら、読んでいたのだが、
気が付くと、読みたい作品を全て読み終わっても、まだ自分しか居なかった。
丁度、ドアが開く音がして、眼鏡の生徒がそちらを見る。
手を振りながらこちらにやって来たのは、同じ日本出身の生徒だった。
「ごめーん。美術の先生と話してたら、遅くなっちゃった」
「お疲れ、ユウタ。はい」
漫画雑誌を手渡す。
「一人でゆっくり読んで良いよ。俺、もう読んじゃったから」
「ありがと。どう? 今週号、面白かった?」
「まあまあ」
「あれ? そう言えば、シルヴァンは?」
「今日はまだ来てないよ」
「珍しいね。シルヴァン、いつもは早く来てるのに」
「うん。まあ、そのうち来るんじゃないかな」
ハルヤはカフェカウンターでアイスのグリーンティを頼んだ。
友達が楽しそうに漫画雑誌を読んでいるのを見守りながら、グリーンティを飲んでいた。
二人は暫くシルヴァンが来るのを待っていたが、
一時間ほど経っても友達はライブラリに顔を出さなかった。
最後にハルヤが啜ったグリーンティは、氷で味が薄まり、すっかりぬるくなっていた。
ハルヤは漫画雑誌を棚に戻し、ユウタと二人で寮に戻ることにした。
外へ出ると、日はもう暮れようとしていた。
寮への帰り道。長く伸びた影を見ながら、ユウタが呟いた。
「結局、来なかったね、シルヴァン」
うん、とハルヤが相槌を打つ。ユウタは石ころを蹴りながら、
「どうしちゃったのかな、毎週あんなに楽しみにしてるのに」
「今日は他に用事があったんじゃない? 最近、なんか忙しいみたいだし」
「えっ。そうなの?」
「いや、本人に聞いたわけじゃないから、違うかもしんないけど」
ハルヤはポケットに手を入れる。
「最近、殺陣の練習に誘われないんだよね、全然」
「そうだったんだ」
白い鳥が二人の頭上を飛んでいく。
ハルヤは空を見上げた。一番星が白く光っている。
「なんだか、今日は、すごく早く読み終わったよね」
「あ、そう?」とユウタ。
「うん。シルヴァン、居なかったから。
いつもはさ、解らないところとか聞かれるじゃん? 日本語の意味とか」
「そっか。そうだね」
ユウタはまた石を蹴る。すると、石は大きく右側に逸れた。
今まで真っ直ぐに進んでいた石が、ころころと道を外れていく。
ユウタは石を追わなかった。
ウーティス寮が見えてくる。ハルヤがぼそりと呟く。
「おなかすいたなあ」
きゅるるると小さい音が聞こえた。
→
聖アルフォンソ学院ライブラリ。
月曜日の放課後には、決まって三人の生徒が姿を見せる。
一人目の生徒は、既にライブラリ併設のカフェに居た。
広々とした空間で、午後の穏やかな日が差し込んでいる。
この眼鏡の生徒は、一番隅っこの席が好きだった。
彼がテーブルの上に広げているのは、分厚い雑誌。
日本で一週間前に発売された週刊漫画雑誌。
彼が入学初日から毎週取り寄せているものだ。
最初は一人で読んでいたのだが、そのうちに一緒に読む人が一人増え、
今年になってからは更に一人増えた。今では三人で回し読みしている。
そろそろ、他の二人も来るだろうと思いながら、読んでいたのだが、
気が付くと、読みたい作品を全て読み終わっても、まだ自分しか居なかった。
丁度、ドアが開く音がして、眼鏡の生徒がそちらを見る。
手を振りながらこちらにやって来たのは、同じ日本出身の生徒だった。
「ごめーん。美術の先生と話してたら、遅くなっちゃった」
「お疲れ、ユウタ。はい」
漫画雑誌を手渡す。
「一人でゆっくり読んで良いよ。俺、もう読んじゃったから」
「ありがと。どう? 今週号、面白かった?」
「まあまあ」
「あれ? そう言えば、シルヴァンは?」
「今日はまだ来てないよ」
「珍しいね。シルヴァン、いつもは早く来てるのに」
「うん。まあ、そのうち来るんじゃないかな」
ハルヤはカフェカウンターでアイスのグリーンティを頼んだ。
友達が楽しそうに漫画雑誌を読んでいるのを見守りながら、グリーンティを飲んでいた。
二人は暫くシルヴァンが来るのを待っていたが、
一時間ほど経っても友達はライブラリに顔を出さなかった。
最後にハルヤが啜ったグリーンティは、氷で味が薄まり、すっかりぬるくなっていた。
ハルヤは漫画雑誌を棚に戻し、ユウタと二人で寮に戻ることにした。
外へ出ると、日はもう暮れようとしていた。
寮への帰り道。長く伸びた影を見ながら、ユウタが呟いた。
「結局、来なかったね、シルヴァン」
うん、とハルヤが相槌を打つ。ユウタは石ころを蹴りながら、
「どうしちゃったのかな、毎週あんなに楽しみにしてるのに」
「今日は他に用事があったんじゃない? 最近、なんか忙しいみたいだし」
「えっ。そうなの?」
「いや、本人に聞いたわけじゃないから、違うかもしんないけど」
ハルヤはポケットに手を入れる。
「最近、殺陣の練習に誘われないんだよね、全然」
「そうだったんだ」
白い鳥が二人の頭上を飛んでいく。
ハルヤは空を見上げた。一番星が白く光っている。
「なんだか、今日は、すごく早く読み終わったよね」
「あ、そう?」とユウタ。
「うん。シルヴァン、居なかったから。
いつもはさ、解らないところとか聞かれるじゃん? 日本語の意味とか」
「そっか。そうだね」
ユウタはまた石を蹴る。すると、石は大きく右側に逸れた。
今まで真っ直ぐに進んでいた石が、ころころと道を外れていく。
ユウタは石を追わなかった。
ウーティス寮が見えてくる。ハルヤがぼそりと呟く。
「おなかすいたなあ」
きゅるるると小さい音が聞こえた。
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