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■夏はデンジャラスに水着に白衣1 続編
「ちわー。ベッド借りに来たよーん」
ノックを三回したあと、保健室のドアを開けたのは、長い金髪の男だった。
「あー。やっぱ保健室は涼しくてイイねー。
ねー、ソクちゃん、なんか冷たいやつ飲ましてー?」
返事はない。金髪の男は食い下がる。
「無視なんてしてないでさー、お願いっ。
よっ! 世界一のお医者さん! よっ! 世界一のヘンタイ!」
それでも保健室はしんとしていた。
「アレ? ソクちゃん、居ないの?」
あちこち見て回るが、誰も居なかった。金髪の男は肩を落とす。
「なんだよ。俺、長過ぎる独り言だったじゃん……居なくても羞恥プレイかよ」
金髪の男は気分を切り替えることにした。
「ま、そのうち来るでしょ。そだ。たまにはメモでも書いてみよーっと」
固定電話のある机に向かう。ペン立てから一本借りて、
電話の傍に置いてあるメモ帳にサラサラと走り書きをした。
――ベッド借りてまーす。
17時にシルヴァンに呼ばれてるから、
優しく起こしてちょ?――
書いたメモを破って、机の中央に置く。
「これでよしっと。じゃあ寝よーっと」
ベッドに寝転がる。
欠伸をひとつしたあと、間もなく、寝息が聞こえてきた。
それから、彼を起こしたのは、携帯電話の着信音だった。
反射的に壁かけ時計を見上げる。二つの針は17時20分を差していた。
「ヤベッ。お手紙書いたら、携帯のアラームセットすんの忘れた」
携帯電話の小さな画面は、電話をかけてきた相手は『シルヴァン』だと教えていた。
自分の額を叩いてあと、通話ボタンを押した。
「ああ、シルヴァン? ワリィ、ワリィ。
保健室で寝てたわ。今すぐ行っから」
相手は笑っていた。
「きっとそうだろうなーと思って、街には徒歩で向かってまーす」
その背景からは車の走行音を聞こえた。道路沿いを歩いているようだ。
「マジかよ。歩き出す前に電話すりゃあ良かったじゃねえか」
「街までなら歩いても行けますからね。
今、電話したのは、貴方に次のお仕事があるといけないと思ったので、
一応モーニングコールしてみました。僕ってば優しいでしょう?
というわけで、今度、また美味しい手作りピザ、お願いしますね?」
「ああ。わーったよ」
「やったあ。それじゃ、また」
「おう。サンキュな」
「はーい」
アイヴィーは耳から携帯電話を離す。ベッドの上で大きく伸びをした。
「も~。ソクちゃ~ん、なんで起こしてくれないの~?」
その文句だけが保健室に響く。
予想していた冷たい言葉は返って来なかった。
「え? まだ、帰ってきてないとか?」
ベッドから出て、一階も二階もくまなく探したが、
眼鏡に白衣の先生はどこにも居なかった。
金髪の男は、携帯電話を取り出し、会社に電話した。
「ああ、クロイツ? うん。俺、俺。あのさ、
もしかして、そっちにソクちゃん行ってたりする?」
「いえ。まだお呼びしていませんが。司令も博士にご用事でしたか?
それなら、博士に伝言を頼みたいのですが」
「え、伝言?」
「ええ。実は先程、島民の方から、街に手術用と思われるメスが、
複数個落ちているとの通報がありまして」
「メスが落ちてる!?」
「はい。それで、博士にお話を伺おうと。
もしかしますと、博士ご本人の落とし物かもしれませんし」
「まさか、それって」
「司令?」
「教えて、メスが落ちてた場所。俺が回収してくる」
→
「ちわー。ベッド借りに来たよーん」
ノックを三回したあと、保健室のドアを開けたのは、長い金髪の男だった。
「あー。やっぱ保健室は涼しくてイイねー。
ねー、ソクちゃん、なんか冷たいやつ飲ましてー?」
返事はない。金髪の男は食い下がる。
「無視なんてしてないでさー、お願いっ。
よっ! 世界一のお医者さん! よっ! 世界一のヘンタイ!」
それでも保健室はしんとしていた。
「アレ? ソクちゃん、居ないの?」
あちこち見て回るが、誰も居なかった。金髪の男は肩を落とす。
「なんだよ。俺、長過ぎる独り言だったじゃん……居なくても羞恥プレイかよ」
金髪の男は気分を切り替えることにした。
「ま、そのうち来るでしょ。そだ。たまにはメモでも書いてみよーっと」
固定電話のある机に向かう。ペン立てから一本借りて、
電話の傍に置いてあるメモ帳にサラサラと走り書きをした。
――ベッド借りてまーす。
17時にシルヴァンに呼ばれてるから、
優しく起こしてちょ?――
書いたメモを破って、机の中央に置く。
「これでよしっと。じゃあ寝よーっと」
ベッドに寝転がる。
欠伸をひとつしたあと、間もなく、寝息が聞こえてきた。
それから、彼を起こしたのは、携帯電話の着信音だった。
反射的に壁かけ時計を見上げる。二つの針は17時20分を差していた。
「ヤベッ。お手紙書いたら、携帯のアラームセットすんの忘れた」
携帯電話の小さな画面は、電話をかけてきた相手は『シルヴァン』だと教えていた。
自分の額を叩いてあと、通話ボタンを押した。
「ああ、シルヴァン? ワリィ、ワリィ。
保健室で寝てたわ。今すぐ行っから」
相手は笑っていた。
「きっとそうだろうなーと思って、街には徒歩で向かってまーす」
その背景からは車の走行音を聞こえた。道路沿いを歩いているようだ。
「マジかよ。歩き出す前に電話すりゃあ良かったじゃねえか」
「街までなら歩いても行けますからね。
今、電話したのは、貴方に次のお仕事があるといけないと思ったので、
一応モーニングコールしてみました。僕ってば優しいでしょう?
というわけで、今度、また美味しい手作りピザ、お願いしますね?」
「ああ。わーったよ」
「やったあ。それじゃ、また」
「おう。サンキュな」
「はーい」
アイヴィーは耳から携帯電話を離す。ベッドの上で大きく伸びをした。
「も~。ソクちゃ~ん、なんで起こしてくれないの~?」
その文句だけが保健室に響く。
予想していた冷たい言葉は返って来なかった。
「え? まだ、帰ってきてないとか?」
ベッドから出て、一階も二階もくまなく探したが、
眼鏡に白衣の先生はどこにも居なかった。
金髪の男は、携帯電話を取り出し、会社に電話した。
「ああ、クロイツ? うん。俺、俺。あのさ、
もしかして、そっちにソクちゃん行ってたりする?」
「いえ。まだお呼びしていませんが。司令も博士にご用事でしたか?
それなら、博士に伝言を頼みたいのですが」
「え、伝言?」
「ええ。実は先程、島民の方から、街に手術用と思われるメスが、
複数個落ちているとの通報がありまして」
「メスが落ちてる!?」
「はい。それで、博士にお話を伺おうと。
もしかしますと、博士ご本人の落とし物かもしれませんし」
「まさか、それって」
「司令?」
「教えて、メスが落ちてた場所。俺が回収してくる」
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