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Marginal Prince Short Story
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■アラン・ウー
■天月様、リクエストありがとうございました!
天気の良い昼下がり。
アルファルド寮シェフは、ゾウにおやつのリンゴを与えているところだった。
寮の中に、ペット達と一緒に入学した生徒が一人居る。
寮の食事一切を担当するシェフは、そのペット達の食事も任されていた。

ペット達の住みかが、学院内で「動物園」と呼ばれているのは、
ここにはゾウを含むたくさんの動物が暮らしているからだ。

プールの中央では三匹の兄弟ペンギンが、
スイーッと泳いでいる。見るからに涼しげな光景だ。
プールの端にはカピバラが浸かっている。
目を閉じて、うとうとしているようだった。
あのまま眠ってしまうと、また溺れかけてビクッとなるだろう。

シェフの腕に何かが当たる。
褐色の腕にぶかってきたのはゾウの鼻だった。
シェフはもうひとつリンゴを与えた。

「アランさーん」

動物園の外側に、小動物のようなシェフが立っていた。
シュヌーシア寮担当のドニ・ドームだ。
アランがそちらを向くと、小柄なシェフが言った。

「あの、アランさん、今夜、何かご予定あります?」

アランは暫く黙っていた。アランの沈黙は考えている時間。
それを知っているドニは、アランが口を開くまで待っていた。
やがて、アランは、ぼそりと答えた。

「釣りに。一人で」

「あ、そうだったんですかー。じゃあ、ダメかなー」

アランは首を傾げた。

「あの、実は、カミーユさんとアランさんと三人で、
久し振りに晩ご飯をご一緒できたらなあと思って、お誘いに来たんです。
さっき、カミーユさんは行くと言って下さったんですが」

「行く」

「えっ。釣りはいいんですか?」

アランは頷いた。

「ありがとうございます!
じゃあ、20時半頃にカミーユさんのキッチンに集合でいいですか?」

アランは頷く。

「やったあ! それじゃあ、今夜、待ってますね!
僕、カミーユさんにも知らせてきまーす!」

小柄なシェフが走っていった。

アランの腕に何かが当たる。
褐色の腕にぶつかってきたのはゾウの鼻だった。
アランはリンゴをゾウに与え、大きな鼻を撫でていた。


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