×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
■古傷2 続編
「――八、九、十人かな、こっから見えんのは」
小型無線機を通して、司令官の声が警備本部に響いている。
「まだ十名居ましたか」
副司令官のラインハルト・クロイツは、
即座にデータを打ち込み、部下に指示を飛ばしながら、
ヘッドセットのマイクを通して、海辺に居る司令官と話していた。
現在、司令官は島の東南側にて、侵入者十名を肉眼で確認しているのだ。
「今日は頭数の多さで攻めてきたようですね」
「ん。その分、一人一人が弱いって暴露してるようなモンだけどね」
今夜は現場に出ているのが司令官。
本部の中央司令室で全体の指揮、及び情報収集担当が副司令官だった。
本来であれば、立場上、ポジションは逆。
だが、『司令官が現場、副司令官が指揮』のほうが適材適所であるのは、
自他共に明白だったので、このフォーメーションになることは多かった。
それは、司令官が「俺が行くから、ここはクロちゃんお願い」などと言って、
司令官としての業務を放り出し、本部を飛び出して行くからだ。
組織のトップに立つ者が、自ら率先して現場に出たがる。
おかげで副司令官は、すっかり司令官の業務に慣れた。
現在の司令官は本当に変わっている、副司令官は常々そう思っていた。
「司令。あと八分程でそちらに三名到着します。合流後に侵入者の捕獲を」
「いや、俺一人で行けるよ」
この日、司令官は珍しく副司令官の指揮に逆らった。
副司令官は納得できず、言い返した。
「十名居るんでしょう? 無理せず、そこで待機を」
「ヘーキヘーキ。んじゃ、行っちゃいまーす」
司令、と呼び止めるより先に通信は切られた。
→
「――八、九、十人かな、こっから見えんのは」
小型無線機を通して、司令官の声が警備本部に響いている。
「まだ十名居ましたか」
副司令官のラインハルト・クロイツは、
即座にデータを打ち込み、部下に指示を飛ばしながら、
ヘッドセットのマイクを通して、海辺に居る司令官と話していた。
現在、司令官は島の東南側にて、侵入者十名を肉眼で確認しているのだ。
「今日は頭数の多さで攻めてきたようですね」
「ん。その分、一人一人が弱いって暴露してるようなモンだけどね」
今夜は現場に出ているのが司令官。
本部の中央司令室で全体の指揮、及び情報収集担当が副司令官だった。
本来であれば、立場上、ポジションは逆。
だが、『司令官が現場、副司令官が指揮』のほうが適材適所であるのは、
自他共に明白だったので、このフォーメーションになることは多かった。
それは、司令官が「俺が行くから、ここはクロちゃんお願い」などと言って、
司令官としての業務を放り出し、本部を飛び出して行くからだ。
組織のトップに立つ者が、自ら率先して現場に出たがる。
おかげで副司令官は、すっかり司令官の業務に慣れた。
現在の司令官は本当に変わっている、副司令官は常々そう思っていた。
「司令。あと八分程でそちらに三名到着します。合流後に侵入者の捕獲を」
「いや、俺一人で行けるよ」
この日、司令官は珍しく副司令官の指揮に逆らった。
副司令官は納得できず、言い返した。
「十名居るんでしょう? 無理せず、そこで待機を」
「ヘーキヘーキ。んじゃ、行っちゃいまーす」
司令、と呼び止めるより先に通信は切られた。
→
PR