×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
■アイヴィー
今日は火曜日。休日の日課でアイヴィーはスーパーに行った。
レジでお金を渡すと、レシートと一緒に何か長方形の紙を渡された。
何だろうと思って、そのピンクで花柄の紙を見ていると、
「今年も商店街で『花の福引き祭り』をやってんのさ」
レジのオバチャンが教えてくれた。
「その引換券1枚で、1回クジが引けるよ」
「ああ、もうそんな季節なんだ」
「そうさ。もうすぐ花祭りだからね」
花祭り前の季節に、この辺の商店街が毎年やっている福引き大会だ。
アイヴィーはクジ運が悪いのか、その手の物に当たった試しがなかった。
「抽選会はいつもの広場でやってるから、帰りに1回、引いといでよ」
せっかく貰ったんだし、と思い、スーパーを出たあと広場に行った。
大きなオレンジ色のボックスにクジが入っているようだ。
親子連れが丁度クジを引いているところで、
係のオジサンが手で持っている大きいボックスに男の子が手を突っ込んでいた。
「大当たりー! ティッシュ賞だー!」
カランコローン、とハンドベルを鳴らされ、
テイッシュを貰った男の子はポカンとした顔で
「これ、大当たり?」
「おう! 大当たりのテイッシュ賞さ!」
「じゃあ、ママにあげる!」
「おっ! エライなあ! 将来イイ男になるぞー!」
オジサンに頭を撫でられた男の子は、母親と手を繋いで帰っていった。
親子連れを見送りながら、アイヴィーはオジサンに抽選券を渡した。
「おっ。アイヴィーじゃないか。いらっしゃい!」
「こんちは。オジサンさ、何でもかんでも大当たりって言ってない?」
「大当たりだったから、大当たりって言っただけさ。
さあ、アイヴィーは何回だい? 1回だね。じゃ、景気良く引いた引いた!」
机の上に置かれたボックスに手を入れる。たくさんの紙が入っていた。
こんなの当たるわけがないと思うのに、いざ引くとなると、
やっぱりテイッシュ以外を当てたいと思うのはどうしてだろう。
ゴソゴソと少し探ってから、一枚引き、オジサンに渡した。
「あいよ。さあ、何が出るかなー?」
なんだかオジサンが一番楽しそうだ。
四角い小さな紙を破き、その中を見たオジサンは、
カランコローン、とハンドベルを鳴らした。
「大当たりー!」
「ありゃ。やっぱティッシュ賞?」
「いやいや、三等賞だよ! おめでとうアイヴィー!」
「さ、三等?」
「三等賞はスパのご招待券だー! タダ券だよ、タダ券!
アイヴィー、今日は休みなんだろ? 今から行ってきたらどうだい?」
「今から? そろそろ夜だけど」
「大丈夫だよ、あそこは遅くまでやってるから。
たまにはああいう所でのんびりして、日頃の疲れを癒しといで!」
行ってこい行ってこいと背中を押され、流れでスパまで来てしまった。
当たったばかりの招待券をフロントに渡すと、
上品な笑顔で「おめでとうございます」と言われ、
ホントにタダで一日自由に過ごせるとのことだった。
ここは水着のままプールやスパに入れるそうだ。
「なお、館内でご飲食される場合は、腕に身に付けて頂くロッカーキーの、
ナンバーで全てのご購入が可能です。ナンバーをお見せ頂ければ、
お帰りの際にこちらでご精算となります」
「へえ」
買い物する時にサイフが要らないとは便利なシステムだ。
「お客様にも、ご注文の際にはナンバーをお見せ頂きますが、
お客様はご招待券をお持ちですので、ご精算時には無料となります」
「ホント?」
「はい。本日は何をご注文されても無料でございます」
水着とタオルとガウンもタダでレンタルして、更衣室へ。
借りた水着は青のトランクスだった。
水着を着て、ロッカーキーのバンドを腕に巻き付け、浴場に出た。
「えっと……ハワイ?」
目の前に広がっているのは、南国の海のようなプールだった。
色はエメラルドグリーンに近く、実際に波まで出ている。
あちらこちらに熱帯植物があるし、気温も明らかに外より暑い。
アイヴィーがこの島のスパに来るのは今日が初めてだが、
こんなに派手で本格的なリゾート施設だとは思わなかった。
ここから見える範囲に、小さい子供やマージナルプリンスどもの姿はなかった。
平日の夕食時であるせいか、お客さんは大人が数人しか居ないようだ。
アイヴィーと同じように今日が休日の人か、仕事帰りに寄ったのかもしれない。
こんなに広い館内が、ほぼ貸し切り状態だ。
非日常な光景に少しだけワクワクしている自分が居た。
「もう来ちゃったんだし、ひと泳ぎしてみますか」
奥がスパエリアで、手前がプールエリアのようだった。
プールエリアは、海型プール以外にも何種類かプールが見える。
アイヴィーはとりあえず、一番近くの海型プールに入ってみることにした。
足先から入れて、肩まで水面に入ると、ヒヤリとした。
暑かったので、水の冷たさが気持ち良い。
そう言えば、プールで泳ぐこと自体、随分久し振りな気がした。
ザブン、ザブンと白波が定期的にやってくる。室内で波に揺られる感覚が面白い。
最初は場違いなところに一人で来ちゃった感があったけど、
軽く泳いでいる間に、水の心地好い冷たさも、
徐々に肌に馴染み、冷たさを感じなくなってくる。
水との一体感、なんて言うのもヘンだけど、
段々、身体と水の温度差がなくなっていくような気がした。
あっという間に30分くらい経っていた。無心で泳いでいたらしい。
プールから上がり、今度はスパエリアに行ってみることにした。
→
今日は火曜日。休日の日課でアイヴィーはスーパーに行った。
レジでお金を渡すと、レシートと一緒に何か長方形の紙を渡された。
何だろうと思って、そのピンクで花柄の紙を見ていると、
「今年も商店街で『花の福引き祭り』をやってんのさ」
レジのオバチャンが教えてくれた。
「その引換券1枚で、1回クジが引けるよ」
「ああ、もうそんな季節なんだ」
「そうさ。もうすぐ花祭りだからね」
花祭り前の季節に、この辺の商店街が毎年やっている福引き大会だ。
アイヴィーはクジ運が悪いのか、その手の物に当たった試しがなかった。
「抽選会はいつもの広場でやってるから、帰りに1回、引いといでよ」
せっかく貰ったんだし、と思い、スーパーを出たあと広場に行った。
大きなオレンジ色のボックスにクジが入っているようだ。
親子連れが丁度クジを引いているところで、
係のオジサンが手で持っている大きいボックスに男の子が手を突っ込んでいた。
「大当たりー! ティッシュ賞だー!」
カランコローン、とハンドベルを鳴らされ、
テイッシュを貰った男の子はポカンとした顔で
「これ、大当たり?」
「おう! 大当たりのテイッシュ賞さ!」
「じゃあ、ママにあげる!」
「おっ! エライなあ! 将来イイ男になるぞー!」
オジサンに頭を撫でられた男の子は、母親と手を繋いで帰っていった。
親子連れを見送りながら、アイヴィーはオジサンに抽選券を渡した。
「おっ。アイヴィーじゃないか。いらっしゃい!」
「こんちは。オジサンさ、何でもかんでも大当たりって言ってない?」
「大当たりだったから、大当たりって言っただけさ。
さあ、アイヴィーは何回だい? 1回だね。じゃ、景気良く引いた引いた!」
机の上に置かれたボックスに手を入れる。たくさんの紙が入っていた。
こんなの当たるわけがないと思うのに、いざ引くとなると、
やっぱりテイッシュ以外を当てたいと思うのはどうしてだろう。
ゴソゴソと少し探ってから、一枚引き、オジサンに渡した。
「あいよ。さあ、何が出るかなー?」
なんだかオジサンが一番楽しそうだ。
四角い小さな紙を破き、その中を見たオジサンは、
カランコローン、とハンドベルを鳴らした。
「大当たりー!」
「ありゃ。やっぱティッシュ賞?」
「いやいや、三等賞だよ! おめでとうアイヴィー!」
「さ、三等?」
「三等賞はスパのご招待券だー! タダ券だよ、タダ券!
アイヴィー、今日は休みなんだろ? 今から行ってきたらどうだい?」
「今から? そろそろ夜だけど」
「大丈夫だよ、あそこは遅くまでやってるから。
たまにはああいう所でのんびりして、日頃の疲れを癒しといで!」
行ってこい行ってこいと背中を押され、流れでスパまで来てしまった。
当たったばかりの招待券をフロントに渡すと、
上品な笑顔で「おめでとうございます」と言われ、
ホントにタダで一日自由に過ごせるとのことだった。
ここは水着のままプールやスパに入れるそうだ。
「なお、館内でご飲食される場合は、腕に身に付けて頂くロッカーキーの、
ナンバーで全てのご購入が可能です。ナンバーをお見せ頂ければ、
お帰りの際にこちらでご精算となります」
「へえ」
買い物する時にサイフが要らないとは便利なシステムだ。
「お客様にも、ご注文の際にはナンバーをお見せ頂きますが、
お客様はご招待券をお持ちですので、ご精算時には無料となります」
「ホント?」
「はい。本日は何をご注文されても無料でございます」
水着とタオルとガウンもタダでレンタルして、更衣室へ。
借りた水着は青のトランクスだった。
水着を着て、ロッカーキーのバンドを腕に巻き付け、浴場に出た。
「えっと……ハワイ?」
目の前に広がっているのは、南国の海のようなプールだった。
色はエメラルドグリーンに近く、実際に波まで出ている。
あちらこちらに熱帯植物があるし、気温も明らかに外より暑い。
アイヴィーがこの島のスパに来るのは今日が初めてだが、
こんなに派手で本格的なリゾート施設だとは思わなかった。
ここから見える範囲に、小さい子供やマージナルプリンスどもの姿はなかった。
平日の夕食時であるせいか、お客さんは大人が数人しか居ないようだ。
アイヴィーと同じように今日が休日の人か、仕事帰りに寄ったのかもしれない。
こんなに広い館内が、ほぼ貸し切り状態だ。
非日常な光景に少しだけワクワクしている自分が居た。
「もう来ちゃったんだし、ひと泳ぎしてみますか」
奥がスパエリアで、手前がプールエリアのようだった。
プールエリアは、海型プール以外にも何種類かプールが見える。
アイヴィーはとりあえず、一番近くの海型プールに入ってみることにした。
足先から入れて、肩まで水面に入ると、ヒヤリとした。
暑かったので、水の冷たさが気持ち良い。
そう言えば、プールで泳ぐこと自体、随分久し振りな気がした。
ザブン、ザブンと白波が定期的にやってくる。室内で波に揺られる感覚が面白い。
最初は場違いなところに一人で来ちゃった感があったけど、
軽く泳いでいる間に、水の心地好い冷たさも、
徐々に肌に馴染み、冷たさを感じなくなってくる。
水との一体感、なんて言うのもヘンだけど、
段々、身体と水の温度差がなくなっていくような気がした。
あっという間に30分くらい経っていた。無心で泳いでいたらしい。
プールから上がり、今度はスパエリアに行ってみることにした。
→
PR