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Marginal Prince Short Story
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癒されないスパ1 続編
洞窟のようなスパエリアに行くと、円形のジャグジーバスが3つ並んでいた。
底のほうから白くライトアップされて、なんだか幻想的にさえ見える。
薄暗い中で、淡く照らされたジャグジーは弾ける泡まで綺麗だった。

3つあるうち、一番奥のジャグジーにだけ人が入っていた。
円の淵に背を預けて浸かっている。
横顔しか見えなかったが、白い肩に長い髪が下ろされている。
ライトで照らされた長い髪は銀髪のようにも見えた。

「ア、アレ!? もしかして、ソクちゃん?」

こちらを向いた顔は、眼鏡はしていなかったが、
やはり、聖アルフォンソ学院の保健室の先生だった。

「アイヴィーか? よく見えないが」

先生は目を細めていた。裸眼で遠くが見えないらしい。
アイヴィーは近付いていって、ソクーロフが居るジャグジーにちゃぽんと入った。
水温がプールよりあたたかくて、なんだかほっとした。

「これで見えた?」

「ああ。間抜け面がな」

「間抜けじゃないー!」

泡が肌にシュワシュワと吸い付いてくる。
ソクーロフは髪を掻き上げながら、

「お前、何故、このようなところに居る?」

「いやー、さっき福引きでスパのタダ券が当たっちゃってさー」

「福引き?」

「ソクちゃんこそ、なんでここに?」

「私が仕事帰りにスパに寄っては悪いのか?
私は以前から時々ここに来ているぞ、お前と違ってな」

「そーだったの? 知らなかった。でもスゴイ偶然だよね。
俺は今日初めて来たのに、ソクちゃんと会うなんて」

「それはこちらの台詞だがな」

「え?」

「初心者のお前に、このジャグジーの気持ちの良い入り方を教えてやろうか?」

「気持ちの良い入り方?」

「まず、円の中央に立ってみろ」

「真ん中に立てば良いの?」

アイヴィーは立ち上がって、ジャグジーの中央に移動する。
ジャグジーの泡がブクブクと両足に当たった。

「それで?」

「そのまま真っ直ぐ、腰を落として座れ。ゆっくりな?」

言われるまま、垂直に立った姿勢から腰を落としていく。
ソクーロフは微笑を浮かべながら見守っていた。
アイヴィーはゆっくり膝を曲げながら、腰、胸と水面に入っていく。
肩まで浸かった時、やっとソクーロフが微笑していた意味が解った。
アイヴィーは慌てて中央の位置から離れる。

「ちょ、ソクちゃん!」

「なんだ?」

「ブクブクがイケナイとこ刺激したんですけど!? モロに! 直撃!」

中央に立った時、両足に泡が当たった時点で気付くべきだった。

「……ソ、ソクちゃんって、スパ来て、いつもこういうコトやってんの?」

「まさか。私はしないが、お前は、こういうのが好きなんだろう?」

「スキじゃないよっ! つか、公共の場で何やらしてんのっ!?
ヘンタイさんにも限度ってものが」

「さて、次に行くか」

「スルーかよ!?」

ジャグジーから上がったソクーロフを追いかけて行くと、
木でできた小屋があった。小さめのログハウスのような物だ。

「この中にもスパがあるの? 小さいけど」

「ここはサウナさ」


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