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■博士の平日 -03:00pm- 続編
ソクーロフはユウタの携帯電話を返しに行くことにした。
保健室からウーティス寮まで、白衣のポケットに手を入れて歩く。
右のポケットにユウタの携帯電話を入れていた。
ユウタは「サロンか自分の部屋に居る」と言っていたので、
ウーティス寮に着いたソクーロフは、まずサロンへ向かった。
ソクーロフがサロンのドアを開けると、
中央のソファにジョシュア、隅の席にアンリが居た。
丁度、二人は談笑していたようだった。
サロンに居たのはその二人だけだった。
アルフレッド、シルヴァン、ハルヤがここに居ないことは想定済みだ。
先程ドライバーがアルフレッド達を車に乗せて外出したのだから。
ウーティス寮サロンに現れた保健教師をジョシュアは少し驚いた表情で見た。
隅の席に居るアンリからは凍てつく様な冷たい視線。ソクーロフは愉快だった。
ジョシュアは思案顔になる。生徒代表に用があるのかと思ったらしい。
「博士? えっと……俺にご用ですか?」
「いや。突然お邪魔してすまない。今日はユウタに会いに来たんだが、
ここには居ないようだね? 部屋に居るのかな?」
「あ、すみません。ユウタならシュヌーシア寮に行きました。
さっきミハイルがユウタに会いに来て、二人でミハイルの部屋に行ったんです」
「ほう。ミハイルが」
ユウタは、ミハイルが自分に会いに来たことが嬉しくて、
ソクーロフが携帯電話を返しに来ることを忘れたのかもしれない。
もしくはミハイルの部屋に行った帰りに、
保健室に寄るつもりだったのかもしれない。
どちらにしろソクーロフには好都合だった。
「何かユウタに伝えることがあれば、俺から伝えましょうか?」
「ありがとう、ジョシュア。では、ユウタにこれを返しておいてくれるかい?」
白衣のポケットからユウタの携帯電話を取り出して見せると、
隅の席からアンリの低い声が聞こえてきた。
「どうして、君がそれを持ってるの」
「ユウタのお姉さんと電話で話していたのでね?」
アンリは一瞬、唖然とした。怒りで声が少し震える。
「彼女と……」
「そうだよ?」
アンリがツカツカとこちらに向かってくる。
憤った目で睨み、ソクーロフの手から携帯電話を奪い取った。
ソクーロフは微笑みながら言う。
「アンリからユウタに返しておいてくれるのかい? ありがとう」
「今後一切、彼女と話さないで」
「私に電話をかけてきたのは、彼女のほうだよ?」
敵意を剥き出しにした目。ソクーロフは心地良かった。
「なら、僕から彼女に言う。ソクーロフとは二度と話すなと」
携帯電話を握り締め、アンリはサロンを出て行った。
自分の部屋に戻り、今すぐ彼女に電話をするようだ。
突然、異常に怒り出した友人の背中を、ジョシュアは呆然と見送っていた。
サロンはジョシュアとソクーロフだけになる。
ソクーロフと目が合ったジョシュアは、友人の非礼を詫びた。
「あの、すみません、博士」
「いいや」
「でも、アンリ、なんであんなに怒ったんだろう……」
「それは本人も解らないことなんだろうね」
「えっ?」
「寛いでいたところ、お邪魔して申し訳なかったね。私は退散するよ」
「すみません。アンリには後で俺から注意を」
「いいや。彼を刺激し過ぎた私が悪かったんだ。
アンリのことは、そっとしておいてあげてくれるかい?」
「あ、はい。解りました」
「では失礼」
ソクーロフはウーティス寮サロンを出て行く。
想像以上の実験結果が出た。一人になると思わず笑みが零れた。
→
ソクーロフはユウタの携帯電話を返しに行くことにした。
保健室からウーティス寮まで、白衣のポケットに手を入れて歩く。
右のポケットにユウタの携帯電話を入れていた。
ユウタは「サロンか自分の部屋に居る」と言っていたので、
ウーティス寮に着いたソクーロフは、まずサロンへ向かった。
ソクーロフがサロンのドアを開けると、
中央のソファにジョシュア、隅の席にアンリが居た。
丁度、二人は談笑していたようだった。
サロンに居たのはその二人だけだった。
アルフレッド、シルヴァン、ハルヤがここに居ないことは想定済みだ。
先程ドライバーがアルフレッド達を車に乗せて外出したのだから。
ウーティス寮サロンに現れた保健教師をジョシュアは少し驚いた表情で見た。
隅の席に居るアンリからは凍てつく様な冷たい視線。ソクーロフは愉快だった。
ジョシュアは思案顔になる。生徒代表に用があるのかと思ったらしい。
「博士? えっと……俺にご用ですか?」
「いや。突然お邪魔してすまない。今日はユウタに会いに来たんだが、
ここには居ないようだね? 部屋に居るのかな?」
「あ、すみません。ユウタならシュヌーシア寮に行きました。
さっきミハイルがユウタに会いに来て、二人でミハイルの部屋に行ったんです」
「ほう。ミハイルが」
ユウタは、ミハイルが自分に会いに来たことが嬉しくて、
ソクーロフが携帯電話を返しに来ることを忘れたのかもしれない。
もしくはミハイルの部屋に行った帰りに、
保健室に寄るつもりだったのかもしれない。
どちらにしろソクーロフには好都合だった。
「何かユウタに伝えることがあれば、俺から伝えましょうか?」
「ありがとう、ジョシュア。では、ユウタにこれを返しておいてくれるかい?」
白衣のポケットからユウタの携帯電話を取り出して見せると、
隅の席からアンリの低い声が聞こえてきた。
「どうして、君がそれを持ってるの」
「ユウタのお姉さんと電話で話していたのでね?」
アンリは一瞬、唖然とした。怒りで声が少し震える。
「彼女と……」
「そうだよ?」
アンリがツカツカとこちらに向かってくる。
憤った目で睨み、ソクーロフの手から携帯電話を奪い取った。
ソクーロフは微笑みながら言う。
「アンリからユウタに返しておいてくれるのかい? ありがとう」
「今後一切、彼女と話さないで」
「私に電話をかけてきたのは、彼女のほうだよ?」
敵意を剥き出しにした目。ソクーロフは心地良かった。
「なら、僕から彼女に言う。ソクーロフとは二度と話すなと」
携帯電話を握り締め、アンリはサロンを出て行った。
自分の部屋に戻り、今すぐ彼女に電話をするようだ。
突然、異常に怒り出した友人の背中を、ジョシュアは呆然と見送っていた。
サロンはジョシュアとソクーロフだけになる。
ソクーロフと目が合ったジョシュアは、友人の非礼を詫びた。
「あの、すみません、博士」
「いいや」
「でも、アンリ、なんであんなに怒ったんだろう……」
「それは本人も解らないことなんだろうね」
「えっ?」
「寛いでいたところ、お邪魔して申し訳なかったね。私は退散するよ」
「すみません。アンリには後で俺から注意を」
「いいや。彼を刺激し過ぎた私が悪かったんだ。
アンリのことは、そっとしておいてあげてくれるかい?」
「あ、はい。解りました」
「では失礼」
ソクーロフはウーティス寮サロンを出て行く。
想像以上の実験結果が出た。一人になると思わず笑みが零れた。
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