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Marginal Prince Short Story
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ホワイト・レディ2 の続編
声をかけてきた女性は、S達と同じ組織に勤めている研究員で、
そうですね、ここからは登場順に名付けて行きましょうか。
では彼女は仮にAということで。

Aはとても女性的な人でした。
ふわりとした長いブロンドの髪をしていて、
背も低いほうでしたし、身に付けているものもフェミニンでした。

その夜の装いは確か、真っ白なカーディガンで、
淵には淡いピンクのラインが縦に入っていたと思います。
胸元にはピンク色の石が付いたネックレス、
それと似たデザインの指輪を薬指に嵌めていました。

Aは今、入店したばかりで、空席を探しているところだったようです。
クリーム色のスカートをひらりと跳ねさせながら、
SとL博士のテーブルに近付いてきました。

「お久し振りです、L博士」

AはL博士に会えて嬉しそうな顔をしていました。
Aは以前、L博士のチームに居た研究員だったようで。
L博士も元部下との再会を喜んでいました。

「やあ。A君じゃないか。元気だったかい?」

「はい。L博士はSさんといらしてたんですね。
私はB先輩とC博士と一緒に来たところなんですよ、ね?」

「どーも」

疲れていて、更に機嫌が悪いといったように挨拶したのが、
Bという名前にしておきましょう。
BはAと同じチームに居る研究員で、Aの先輩にあたります。

Bは女性にしては背が高く、髪も短いせいか、ボーイッシュでした。
アクセサリーの類も一切身に付けず、
その夜は白いワイシャツに黒のパンツでしたか。
その日に限らず、パンツルックでいる彼女しか、
見たことがないような気がします。

見た目は正反対のAとBでしたが、仲は良いようで、
職場でも二人が一緒に居る場面は、Sも度々見かけていたようです。
傍目から見ると、身長差もあるでしょうが、姉妹のようでした。
Bがしっかり者の姉、Aは大好きな姉を追いかける妹、といったような。

AとBの直属の上司にあたるのがC博士。C博士がチームリーダーで、
AとBとCの三人は同じ研究チームに所属していました。
C博士は、L博士と同い年くらいの男性で、
二人がまだ若い頃は、同じチームに居たこともあったようです。

C博士は、アウトドアな趣味を持っているのか、
いつ見ても日焼けをしていて、研究所内では目立つ人物でした。

「おっ。奇遇だなあ! Lも飲みに来ていたなんて!」

C博士もL博士に会えて嬉しそうでした。

「同じ建物で働いてんのに、チームが離れてからは、
なかなか顔が見れなくなっちまったからさー」

「そうだね。広い施設だし」

何か思いついたらしいAは、音を立てずに両手を合わせました。

「良かったら、私達もL博士達とご一緒しても良いですか?
丁度、隣のテーブルも空いているようですし」

「おお、そうだな! そうしよう!」

L博士とSが了承する前に、C博士は隣のテーブルを寄せ始めたので、
SとL博士は自動的に、A、B、Cの三人と一緒に飲むことになったんです。

その時の席順は、絵で書くとこうですね。

 ■B
C■A
L■S

元々L博士とSが向かい合って座っていた二人用のテーブルに、
隣にあった四人用のテーブルを寄せ、
L博士の隣にC博士、Sの隣にA、その隣にBが座っていました。

C博士は、こんがりと焼けた右腕を挙げ、大きな声でボーイを呼びました。
その時、真っ黒な腕に反して、挙げた手の平だけが白くて。
Sは未だに、そのコントラストをはっきり覚えているとか。

やってきたボーイに最初に注文したのはC博士でした。

「俺はビール!」

「じゃあ、私も」と続いたのがBです。

Aはメニュー表を見ながら、何にするか悩んでいるようでした。
ボーイもそれに気付いたらしく、
SとL博士に「おかわりはいかがですか?」と聞きました。
すると、L博士はSにこう言ったんです。

「S君は、サパンを飲んだことはあるかい?」

「いいえ。初めて聞きました」

「サパンはね、珍しいものでできたリキュールなんだ。
あとで、何のリキュールか当てるゲームができるから、
良ければ君もサパンを頼んでくれるかい?」

「あ、はい」

「ありがとう。ではサパンを二つお願いします」

「畏まりました」

これで注文が終わっていないのは、Aだけになりました。
優柔不断な性格らしく、まだメニュー表とにらめっこをしています。
皆の視線がAに集まっていることに気付いたBは、Aの頭を軽く叩きながら、

「あとはお前だけだぞ」

急かされたAは「ごめんなさい」と言って、
メニュー表から目を離し、ボーイを見上げました。

「えっと、ホワイト・レディはありますか?」

「ええ。ございます」

「じゃあ、ホワイト・レディで」


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