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■ホワイト・レディ5 の続編
「ああそうだ、C君。確認しておきたいんだけど」
L博士が言いました。
「今、君のチームメンバーは、全部で何人なんだい?
ここに居るA君とB君の他には、D君とE君が居るんだったかな?」
「ああ、合ってるぜ。俺を入れて全部で五人だ」
DとEはどちらも男性で、Sにとっては殆ど面識がない人物です。
彼等とは話す機会がなかったので、顔と名前を知っている程度でした。
「C君、4度の事件を全て行うことができる人物は検討してみたかい?
犯行時刻で絞り込むことはできないのかな?」
「それがよお。一度目と二度目はいつやられたか正直解んねえんだ」
「ファイルがないと最初に気付いたのは?」
「一度目はうちのチームのDが仕事中にたまたま見つけた。
二度目もそんなかんじで、見つけたのはD。
三度目もDなんだが、この頃は朝イチに、
ファイルのチェックをしてたから、発見したのは朝さ。
四度目はその日最初に出勤したEだよ。
ちなみに四度目のラットに関しては、
前日まで元気だったことは俺とEが確認してる」
「成程。ファイルの削除に関しては、仕事中にだって可能だろうし、
ラットも皆が帰ったあとに、引き返せば良いだけか。
犯行時刻で絞り込むのは、難しいかな。
では、被害に遭ったパソコンについて聞きたいんだけれど」
「おう。何でも聞きな」
「ありがとう。ええと、組織内にあるパソコンは、
一人一人に発行されているアカウントと、
チームごとに設定されているパスワードがなければ、
アクセスできない筈だよね? そのパスワードも、
定期的に更新されている筈だと思ったけれど」
扱うデータ上、この組織はセキュリティが厳しく、
違うチームのパソコンは、開くことさえできないようになっていたんです。
L博士に言われて、C博士はぶっきらぼうに答えた。
「それはそうさ。パスワードを知らされてるのはチーム内の五人だよ。
けど、システム部や上層部だって、知ってることだろ!?」
「もちろん、そうだね。あるいは、ハッキングが可能な人間であれば、
外部の人間にだって、不可能ではないかもしれない」
「そう! そうだよな!」
「それから、被害に遭ったのは、また『ひとつ』だけだったんだね?」
「そうなんだ。1匹なら、こういうことがなくても、
何らかの要因で、死んじまう場合もあるから、
実験には影響のない範囲なんだけどよ」
「うん。これまでの規則に則るなら、
次もラットが1匹投薬されるね。その次が2匹、かな」
C博士は首を振りながら頭を抱えました。
「それ以上やられたら、マジでヤバイぞ」
「そうだね。突然ルールから外れて、全滅させられでもしたら、
君達の研究が、最初からやり直しになってしまう」
「おいおい。不吉なこと言うなよ。
んなことになったら、今年の学会に間に合わねえぞ!」
「そうか。C君達は今年発表するんだったね」
そこまで言うと、L博士は女性二人のほうに目を向けて、
「A君。君はどう思う? 四度の事件について」
Aは俯き、サパンのグラスに触れながら、こう答えました。
「どうして、こんなことするのかな、って思います。
今まで、皆で積み重ねてきた研究なのに。L博士が仰ったように、
もし全てのラットに投薬されてしまったら、と思うと」
Aはそこで言葉を切ったので、Sの頭の中には、
余り想像したくない場面が浮かびました。
「ちなみに、A君は、どうして犯人が、
こんなことを続けているんだと思う?
どういった理由が考えられるかな?」
Aは少し黙ったあと、こう答えました。
「解りません。でも、その犯人は私達の研究の邪魔をしたいと、
そう思っている人、ってことですよね?」
「そうだろうね。どうして邪魔をしたいのかな?」
またAは少し沈黙したあとに言いました。
「どうしてなんでしょう……あ、例えば、なんですけど」
「どうぞ?」
「私達の論文を学会で発表されたら困る人、とかなんでしょうか?」
「成程ね。そういう人物は思い当たるのかな?」
「あ、いいえ。すみません。私には……C博士はどうですか?」
「まあ、居ない、とは言い切れねえなあ。
ライバル会社みたいな奴等は居るわけだし」
「ライバル会社の人の中で、最近この建物の中に入った人は居るのかな?」
「うちのフロアには来てないけどな」
「上層部と会う機会があったりするのかな?」
「そいつは調べてみねえと解らんが、その線もあるかもな」
「ではB君は、どう思っているのかな? 一連の事件について」
Bは銜えていた煙草を唇から離し、
「バカだと思う」
トン、と灰皿に煙草の灰を落としました。
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「ああそうだ、C君。確認しておきたいんだけど」
L博士が言いました。
「今、君のチームメンバーは、全部で何人なんだい?
ここに居るA君とB君の他には、D君とE君が居るんだったかな?」
「ああ、合ってるぜ。俺を入れて全部で五人だ」
DとEはどちらも男性で、Sにとっては殆ど面識がない人物です。
彼等とは話す機会がなかったので、顔と名前を知っている程度でした。
「C君、4度の事件を全て行うことができる人物は検討してみたかい?
犯行時刻で絞り込むことはできないのかな?」
「それがよお。一度目と二度目はいつやられたか正直解んねえんだ」
「ファイルがないと最初に気付いたのは?」
「一度目はうちのチームのDが仕事中にたまたま見つけた。
二度目もそんなかんじで、見つけたのはD。
三度目もDなんだが、この頃は朝イチに、
ファイルのチェックをしてたから、発見したのは朝さ。
四度目はその日最初に出勤したEだよ。
ちなみに四度目のラットに関しては、
前日まで元気だったことは俺とEが確認してる」
「成程。ファイルの削除に関しては、仕事中にだって可能だろうし、
ラットも皆が帰ったあとに、引き返せば良いだけか。
犯行時刻で絞り込むのは、難しいかな。
では、被害に遭ったパソコンについて聞きたいんだけれど」
「おう。何でも聞きな」
「ありがとう。ええと、組織内にあるパソコンは、
一人一人に発行されているアカウントと、
チームごとに設定されているパスワードがなければ、
アクセスできない筈だよね? そのパスワードも、
定期的に更新されている筈だと思ったけれど」
扱うデータ上、この組織はセキュリティが厳しく、
違うチームのパソコンは、開くことさえできないようになっていたんです。
L博士に言われて、C博士はぶっきらぼうに答えた。
「それはそうさ。パスワードを知らされてるのはチーム内の五人だよ。
けど、システム部や上層部だって、知ってることだろ!?」
「もちろん、そうだね。あるいは、ハッキングが可能な人間であれば、
外部の人間にだって、不可能ではないかもしれない」
「そう! そうだよな!」
「それから、被害に遭ったのは、また『ひとつ』だけだったんだね?」
「そうなんだ。1匹なら、こういうことがなくても、
何らかの要因で、死んじまう場合もあるから、
実験には影響のない範囲なんだけどよ」
「うん。これまでの規則に則るなら、
次もラットが1匹投薬されるね。その次が2匹、かな」
C博士は首を振りながら頭を抱えました。
「それ以上やられたら、マジでヤバイぞ」
「そうだね。突然ルールから外れて、全滅させられでもしたら、
君達の研究が、最初からやり直しになってしまう」
「おいおい。不吉なこと言うなよ。
んなことになったら、今年の学会に間に合わねえぞ!」
「そうか。C君達は今年発表するんだったね」
そこまで言うと、L博士は女性二人のほうに目を向けて、
「A君。君はどう思う? 四度の事件について」
Aは俯き、サパンのグラスに触れながら、こう答えました。
「どうして、こんなことするのかな、って思います。
今まで、皆で積み重ねてきた研究なのに。L博士が仰ったように、
もし全てのラットに投薬されてしまったら、と思うと」
Aはそこで言葉を切ったので、Sの頭の中には、
余り想像したくない場面が浮かびました。
「ちなみに、A君は、どうして犯人が、
こんなことを続けているんだと思う?
どういった理由が考えられるかな?」
Aは少し黙ったあと、こう答えました。
「解りません。でも、その犯人は私達の研究の邪魔をしたいと、
そう思っている人、ってことですよね?」
「そうだろうね。どうして邪魔をしたいのかな?」
またAは少し沈黙したあとに言いました。
「どうしてなんでしょう……あ、例えば、なんですけど」
「どうぞ?」
「私達の論文を学会で発表されたら困る人、とかなんでしょうか?」
「成程ね。そういう人物は思い当たるのかな?」
「あ、いいえ。すみません。私には……C博士はどうですか?」
「まあ、居ない、とは言い切れねえなあ。
ライバル会社みたいな奴等は居るわけだし」
「ライバル会社の人の中で、最近この建物の中に入った人は居るのかな?」
「うちのフロアには来てないけどな」
「上層部と会う機会があったりするのかな?」
「そいつは調べてみねえと解らんが、その線もあるかもな」
「ではB君は、どう思っているのかな? 一連の事件について」
Bは銜えていた煙草を唇から離し、
「バカだと思う」
トン、と灰皿に煙草の灰を落としました。
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