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■ホワイト・レディ7 の続編
Sも一人で飲みたい日があるようでしてね。
翌夜、Sは一人で昨日五人で飲んだバーに行きました。
バーボンを頼み、静かに飲んでいたんです。
自然と、というよりは必然的に、
五人で飲んだ時のことが頭の中に浮かんでいたそうです。
すると、ス……あ、いえ。Sのファーストネームが呼ばれて、
Sが振り向くと、後方にグラマラスな女性が立っていました。
どこかで見た顔だと思ったら、昨日五人で飲んだ時、
C博士が「イイものを見た」と言っていた女性でした。
今日もボディラインに合った服を着ていましたが、
色は黒で、白い胸元を過剰に演出するような服でした。
「こんばんは。今夜は一人なのね?」
彼女はにっこりと笑って、勝手にSの隣に座りました。
「良かった。今夜はゆっくり話せるわね?
私、貴方と話してみたかったのよ、二人きりで」
「君は、私のことを知っているのかい?」
「知っているわよ。私、知り合いが多くてね?
ある人から聞いたのよ、貴方のこと。
貴方にしかできない素晴らしい才能のこと」
「それで、私に何か?」
「私、貴方が欲しいの。貴方を迎えに来てあげたのよ?」
「よく解らないが、君は私に何かさせたいのかな?」
「貴方、私の犬にならない?」
「……犬?」
「そう。私のワンちゃんにしてあげる」
「君は奇抜なことを言うね」
「そうかしら?」
「一応聞くけれど、私を君の犬にして、君はどうしたいんだい?」
「私の為に『とってこい』をして欲しいの。
貴方の組織に居る、お偉方から、ある情報を貰ってきて?
上手に出来たら、ご褒美をあげる。私って優しい飼い主でしょう?」
「具体的に、君は何の情報が欲しいんだい?」
女はグッと近付いて、手をSの肩に置きました。
肉感的な身体を摺り寄せながら、厚い唇をSの耳許で囁いたんです。
「それはまだ言えないわ」
Sは女を押し返し、距離をとった。
「それでは話にならないね」
「ターゲットは、貴方が私の犬になると決めてから、
教えてあげる。それまではダメ。でも貴方になら、簡単なことよ?」
「何にせよ、君は私に組織を裏切れと言うんだろう?」
組織に居られなくなるどころか、この業界から追放されるかもしれない。
「あら。貴方こそ、いつまで籠の鳥で居るつもり?
その素晴らしい才能は、あの組織の中で、
飼い殺されるだけで満足なのかしら?」
「では聞くが、籠の鳥から君の犬になるメリットはあるのかい?」
「もちろんあるわよ、いっぱいね」
「具体的には?」
「あら。それは『とってこい』が上手にできてからよ」
「ターゲットもご褒美も知らされないのに、協力できるわけないだろう」
「ふうん。貴方ってけっこうワガママなタイプなのね」
「君が飼っている他の犬達は、さぞご主人様に従順なんだろうね」
「ええ。みんな良い子達よ。みんな私にメロメロだから」
「そう。では私は、君がいつか愛犬達に噛み殺されないよう祈っているよ」
「それはつまり、貴方は私のワンちゃんにはならない、ということ?」
「そうだよ」
「あら。貴方って意外と遠慮深いのね。
私に飼われることが、そんなに畏れ多い?」
「まあ……確かに、そうだね」
「じゃあ、覚悟が決まったら、また会いにいらっしゃい。
私、来週のこの時間も、このバーで飲む予定だから」
謎の女性は、恥ずかし気もなく、
Sに投げキッスをして、店を出て行きました。
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Sも一人で飲みたい日があるようでしてね。
翌夜、Sは一人で昨日五人で飲んだバーに行きました。
バーボンを頼み、静かに飲んでいたんです。
自然と、というよりは必然的に、
五人で飲んだ時のことが頭の中に浮かんでいたそうです。
すると、ス……あ、いえ。Sのファーストネームが呼ばれて、
Sが振り向くと、後方にグラマラスな女性が立っていました。
どこかで見た顔だと思ったら、昨日五人で飲んだ時、
C博士が「イイものを見た」と言っていた女性でした。
今日もボディラインに合った服を着ていましたが、
色は黒で、白い胸元を過剰に演出するような服でした。
「こんばんは。今夜は一人なのね?」
彼女はにっこりと笑って、勝手にSの隣に座りました。
「良かった。今夜はゆっくり話せるわね?
私、貴方と話してみたかったのよ、二人きりで」
「君は、私のことを知っているのかい?」
「知っているわよ。私、知り合いが多くてね?
ある人から聞いたのよ、貴方のこと。
貴方にしかできない素晴らしい才能のこと」
「それで、私に何か?」
「私、貴方が欲しいの。貴方を迎えに来てあげたのよ?」
「よく解らないが、君は私に何かさせたいのかな?」
「貴方、私の犬にならない?」
「……犬?」
「そう。私のワンちゃんにしてあげる」
「君は奇抜なことを言うね」
「そうかしら?」
「一応聞くけれど、私を君の犬にして、君はどうしたいんだい?」
「私の為に『とってこい』をして欲しいの。
貴方の組織に居る、お偉方から、ある情報を貰ってきて?
上手に出来たら、ご褒美をあげる。私って優しい飼い主でしょう?」
「具体的に、君は何の情報が欲しいんだい?」
女はグッと近付いて、手をSの肩に置きました。
肉感的な身体を摺り寄せながら、厚い唇をSの耳許で囁いたんです。
「それはまだ言えないわ」
Sは女を押し返し、距離をとった。
「それでは話にならないね」
「ターゲットは、貴方が私の犬になると決めてから、
教えてあげる。それまではダメ。でも貴方になら、簡単なことよ?」
「何にせよ、君は私に組織を裏切れと言うんだろう?」
組織に居られなくなるどころか、この業界から追放されるかもしれない。
「あら。貴方こそ、いつまで籠の鳥で居るつもり?
その素晴らしい才能は、あの組織の中で、
飼い殺されるだけで満足なのかしら?」
「では聞くが、籠の鳥から君の犬になるメリットはあるのかい?」
「もちろんあるわよ、いっぱいね」
「具体的には?」
「あら。それは『とってこい』が上手にできてからよ」
「ターゲットもご褒美も知らされないのに、協力できるわけないだろう」
「ふうん。貴方ってけっこうワガママなタイプなのね」
「君が飼っている他の犬達は、さぞご主人様に従順なんだろうね」
「ええ。みんな良い子達よ。みんな私にメロメロだから」
「そう。では私は、君がいつか愛犬達に噛み殺されないよう祈っているよ」
「それはつまり、貴方は私のワンちゃんにはならない、ということ?」
「そうだよ」
「あら。貴方って意外と遠慮深いのね。
私に飼われることが、そんなに畏れ多い?」
「まあ……確かに、そうだね」
「じゃあ、覚悟が決まったら、また会いにいらっしゃい。
私、来週のこの時間も、このバーで飲む予定だから」
謎の女性は、恥ずかし気もなく、
Sに投げキッスをして、店を出て行きました。
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