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Marginal Prince Short Story
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報われない俺達4 続編
「失礼しまーす」

俺が陛下の寝室に入ると、陛下は丁度、耐熱用のワイングラスに、
口付けているところだった。中は赤黒い液体。

「甘い香りですね。今夜のお供はホットワイン、ですか?」

「何をしらばっくれているんだ、エメリー」

「え?」

「ホワイトに入れ知恵したのはお前だろう?」

「ありゃ。バレちゃいました?」

陛下が好きそうな赤ワインを見繕って、
これを持って行けば喜ばれるぞと、
あいつに渡してやったのがバレているらしい。

「ラテがそう言ったんですか?
黙ってりゃイイのに。正直者だなあ」

「ホワイトが言うより先に解っていたさ。
俺好みのワインを適確に選べるのは、
この邸に二人しか居ないからな」

一人は陛下と飲み仲間の俺。
もう一人は今、熱にうなされて動けない。
となれば、犯人は俺しか居ない、か。

「成程。流石は陛下。参りました」

「それで、何の用だ? 選んだワインが俺の口に合っているか、
わざわざ確かめに来たわけではあるまい?」

「そろそろ、レイナの様子が聞きたい頃じゃないかなー、
と思いましてね。ご報告に。気が利いてるでしょう、俺?」

陛下は何も言わない。俺は続ける。

「熱はまだ下がってません。お医者さんが言うには、
明日もまだ高いままだろうって話です。
明後日くらいから下がってくるらしいですよ」

「そうか」

「完治するまではこのまま、部屋から一歩も出さない予定です。
陛下の大切な御身に、従者の風邪を移すわけには参りませんから。
陛下の臣下想いは重々承知しておりますが、
間違っても、見舞いには行かないで下さいね」

「要らん心配だな」

「そーですか。じゃあ失礼しますね。
赤い顔しながら、熱っぽい瞳で、
俺を見上げてくる病人のお世話があるんで」

「何だ。自慢しに来たのか?」

「たまにはイイでしょう?
どうせ俺には、今しか独占できないんだから」

恭しく頭を下げる。

「それでは私はこれで。おやすみなさいませ、陛下」


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