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■レッド×ジョシュア ジョシュア総受
■アニメ第1話のサイド。
-----------------------------------
「あの宝石が無くなった!?」
学院の講堂に飾られている、絵画『アルフォンソ王の戴冠』。
王冠の部分には本物の宝石が埋め込まれていた。
その深紅の石が、今日無くなってしまったのだ。
ウーティス寮のサロンでは、
生徒代表のジョシュアを取り囲むように、
寮生全員が彼の発言に注目していた。
ジョシュアにとって、あの絵が、
特別なものであると知っているからだ。
「さっき知らせを受けてね、俺も見てきたよ。
絵は傷付いてなかった。失ったのは宝石だけだよ」
冷静を装うジョシュアにレッドが叫ぶ。
「どうすんだよ、ジョシュア!?」
「大丈夫。もう処理は済んでいるんだ。
理事会に申請したから心配要らないよ、すぐに代わりが届く」
「そーゆーこと聞いてんじゃねーよ!」
ジョシュアの力無い腕を掴む。
「あれ、お前のだろ! お前がすげー大事にしてるもんじゃねーのかよ!?」
「…あれは学院の物だよ。グラント家が
学院に寄贈したものだから、俺の物ではない」
「ジョシュア!」
「止めて下さい、レッド。ジョシュアの腕が折れてしまいます」
シルヴァンがレッドの手首に触る。
その手には、優しい口調から想像も付かない力が込められていた。
レッドが怯んだ一瞬、そっとジョシュアから離した。
足元がふら付いたレッドを、ハルヤが支える。
その様子を確認し、シルヴァンは向き直る。
「すみませんね、ジョシュア。
レッド、口より手が先に出るタイプで…腕、痛めませんでした?」
「…ああ、大丈夫だよ」
「まあ、レッドの気持ちも解りますけどね。
ジョシュア? 今の発言、貴方らしくないのではありませんか?
付き合いの長いアンリから見て、いかがです?」
「そうだね。でも、どうするかは君次第だよ、生徒代表殿?
その大層な肩書きに飲み込まれること無く、君の意見を言ってごらん?」
ジョシュアは目を合わせず、俯いたまま言う。
「俺は…理事会から代わりが届くのを待つよ」
レッドはジョシュアを睨み付けた。
「ジョシュア! お前、言ってたじゃんか! あの宝石は、お前の目の色と」
言い終わる前に、アンリが遮る。
「レッド。僕達には生徒代表殿のご決断を覆すことは出来無いよ。
例えそれが、どんなに馬鹿げたものでもね」
アンリがサロンから出て行くと、ハルヤが溜め息を洩らした。
「…あんなに怒ってるアンリ、初めて見た」
アンリは、レッドのように声を荒げることはなかったが、
その憤りはレッドと同等のようだった。
入れ替わりにバトラーが姿を見せる。
「失礼致します。ジョシュア様、理事会がお呼びです」
「解った」
ジョシュアが退室すると、
レッドは残りの寮生の手を引く。
「シルヴァン、ハルヤ、行くぞ!」
三人は絵画がある講堂に行った。
周辺をくまなく探したが、宝石は見付からない。
生徒に聞き込み調査を行ったところ、
有力な証言が幾つか集まった。
三人は顔を付き合わせる。
「では、私服の子が通った後、宝石は無くなったってことですかね」
「私服? ああー! 俺、そいつ見た!」
「あ、俺も見た。ジョシュアと一緒に居た新入生の、ユウタ」
「ユウタなら僕も見ましたが…早計ではありませんか?
彼、悪い子じゃないと思いますし」
「なんで、んなこと解るんだよ、シルヴァン!」
「あの子、うさぎ怪獣持ってたんですよっ!?
いいこに決まってるじゃないですかっ!!」
「な、怪獣を持ってた!?」
「…ああ、レッド。この人のこと気にしないで。
とにかく、ジョシュアにさ、聞いてみようよ。ユウタのこと」
「そうだな」
三人はジョシュアの部屋に向かう。
彼は不思議そうに出迎えた。
「どうしたんだい、みんな?」
「ユウタのこと聞きに来たんだ。彼、どの寮なの?」
「ウーティスだよ?」
「なんだって!?」
「今は、校舎で入学手続きをしているから、部屋には居ないけれどね。
夕食の時には会えると思うよ。楽しみだね」
「ねえ、ジョシュア。彼に校舎案内をしてたよね。
『アルフォンソ王の戴冠』の絵の前を通った?」
「え? ああ」
「ユウタ、あの絵の前で何か不自然なこととか、してなかった?」
「不自然って言われても…あ、室内用の靴を履いていてね。
そこで履き替えたくらいだよ。日本の習慣だったみたいだね」
「じゃあ、そん時に、どさくさにまぎれて取ったんだ!」
「え?」
「俺達、あの絵の周りで聞き込み調査したんだよ。
そしたら、ジョシュアとユウタが通った後から、宝石が無いみたいなんだ」
「そんな…でも、彼はそんなことしないと思うな」
「ジョシュア! あいつなんだ!
あいつが、お前の宝石を盗んだ犯人なんだぞ!」
「レッド。決め付けないで下さいよ。その可能性もあるってだけでしょう?」
「少しでも可能性があるんなら、俺は何でもやる!
あの絵はジョシュアにとって!」
「レッド、ありがとう。でも、確実な証拠もないのに、人を疑ってはいけないよ」
「けど、ジョシュア!」
「心配掛けてすまない。俺は、大丈夫だから」
ジョシュアの微笑は余りにも痛々しくて。
三人は言葉を返すことが出来なかった。
fin
■アニメ第1話のサイド。
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「あの宝石が無くなった!?」
学院の講堂に飾られている、絵画『アルフォンソ王の戴冠』。
王冠の部分には本物の宝石が埋め込まれていた。
その深紅の石が、今日無くなってしまったのだ。
ウーティス寮のサロンでは、
生徒代表のジョシュアを取り囲むように、
寮生全員が彼の発言に注目していた。
ジョシュアにとって、あの絵が、
特別なものであると知っているからだ。
「さっき知らせを受けてね、俺も見てきたよ。
絵は傷付いてなかった。失ったのは宝石だけだよ」
冷静を装うジョシュアにレッドが叫ぶ。
「どうすんだよ、ジョシュア!?」
「大丈夫。もう処理は済んでいるんだ。
理事会に申請したから心配要らないよ、すぐに代わりが届く」
「そーゆーこと聞いてんじゃねーよ!」
ジョシュアの力無い腕を掴む。
「あれ、お前のだろ! お前がすげー大事にしてるもんじゃねーのかよ!?」
「…あれは学院の物だよ。グラント家が
学院に寄贈したものだから、俺の物ではない」
「ジョシュア!」
「止めて下さい、レッド。ジョシュアの腕が折れてしまいます」
シルヴァンがレッドの手首に触る。
その手には、優しい口調から想像も付かない力が込められていた。
レッドが怯んだ一瞬、そっとジョシュアから離した。
足元がふら付いたレッドを、ハルヤが支える。
その様子を確認し、シルヴァンは向き直る。
「すみませんね、ジョシュア。
レッド、口より手が先に出るタイプで…腕、痛めませんでした?」
「…ああ、大丈夫だよ」
「まあ、レッドの気持ちも解りますけどね。
ジョシュア? 今の発言、貴方らしくないのではありませんか?
付き合いの長いアンリから見て、いかがです?」
「そうだね。でも、どうするかは君次第だよ、生徒代表殿?
その大層な肩書きに飲み込まれること無く、君の意見を言ってごらん?」
ジョシュアは目を合わせず、俯いたまま言う。
「俺は…理事会から代わりが届くのを待つよ」
レッドはジョシュアを睨み付けた。
「ジョシュア! お前、言ってたじゃんか! あの宝石は、お前の目の色と」
言い終わる前に、アンリが遮る。
「レッド。僕達には生徒代表殿のご決断を覆すことは出来無いよ。
例えそれが、どんなに馬鹿げたものでもね」
アンリがサロンから出て行くと、ハルヤが溜め息を洩らした。
「…あんなに怒ってるアンリ、初めて見た」
アンリは、レッドのように声を荒げることはなかったが、
その憤りはレッドと同等のようだった。
入れ替わりにバトラーが姿を見せる。
「失礼致します。ジョシュア様、理事会がお呼びです」
「解った」
ジョシュアが退室すると、
レッドは残りの寮生の手を引く。
「シルヴァン、ハルヤ、行くぞ!」
三人は絵画がある講堂に行った。
周辺をくまなく探したが、宝石は見付からない。
生徒に聞き込み調査を行ったところ、
有力な証言が幾つか集まった。
三人は顔を付き合わせる。
「では、私服の子が通った後、宝石は無くなったってことですかね」
「私服? ああー! 俺、そいつ見た!」
「あ、俺も見た。ジョシュアと一緒に居た新入生の、ユウタ」
「ユウタなら僕も見ましたが…早計ではありませんか?
彼、悪い子じゃないと思いますし」
「なんで、んなこと解るんだよ、シルヴァン!」
「あの子、うさぎ怪獣持ってたんですよっ!?
いいこに決まってるじゃないですかっ!!」
「な、怪獣を持ってた!?」
「…ああ、レッド。この人のこと気にしないで。
とにかく、ジョシュアにさ、聞いてみようよ。ユウタのこと」
「そうだな」
三人はジョシュアの部屋に向かう。
彼は不思議そうに出迎えた。
「どうしたんだい、みんな?」
「ユウタのこと聞きに来たんだ。彼、どの寮なの?」
「ウーティスだよ?」
「なんだって!?」
「今は、校舎で入学手続きをしているから、部屋には居ないけれどね。
夕食の時には会えると思うよ。楽しみだね」
「ねえ、ジョシュア。彼に校舎案内をしてたよね。
『アルフォンソ王の戴冠』の絵の前を通った?」
「え? ああ」
「ユウタ、あの絵の前で何か不自然なこととか、してなかった?」
「不自然って言われても…あ、室内用の靴を履いていてね。
そこで履き替えたくらいだよ。日本の習慣だったみたいだね」
「じゃあ、そん時に、どさくさにまぎれて取ったんだ!」
「え?」
「俺達、あの絵の周りで聞き込み調査したんだよ。
そしたら、ジョシュアとユウタが通った後から、宝石が無いみたいなんだ」
「そんな…でも、彼はそんなことしないと思うな」
「ジョシュア! あいつなんだ!
あいつが、お前の宝石を盗んだ犯人なんだぞ!」
「レッド。決め付けないで下さいよ。その可能性もあるってだけでしょう?」
「少しでも可能性があるんなら、俺は何でもやる!
あの絵はジョシュアにとって!」
「レッド、ありがとう。でも、確実な証拠もないのに、人を疑ってはいけないよ」
「けど、ジョシュア!」
「心配掛けてすまない。俺は、大丈夫だから」
ジョシュアの微笑は余りにも痛々しくて。
三人は言葉を返すことが出来なかった。
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