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Marginal Prince Short Story
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■シルヴァン×ハルヤ
■アイディア提供:シハル姉さん 涼様
おやすみ。ご。の続編。
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シルヴァンは上機嫌で夜遊びから帰って来た。
第一学生寮の扉を開けると、執事が居た。

「おかえりなさいませ、シルヴァン様」

「遅くなっちゃってすみません。これで許して下さいね♪」

シルヴァンはバトラーの頬にキスをした。

「おやすみなさい、バトラー♪」

「…おやすみなさいませ、シルヴァン様」

跳ねる長髪を見送りながら、バトラーは頬に触れた。


シルヴァンは景気良くサロンの扉を開けた。

「只今戻りましたー♪」

「遅いよ、シルヴァン。俺、心配してたんだからー」

ユウタが駆け寄ると、シルヴァンは身を屈める。

「僕のこと、心配してくれたんですか? 嬉しいです♪」

ユウタの頬にキスをする。
された方は、きょとんとした後、大声を出した。

「えええーー!!? き、き…キスされたあー!!?」

レッドは可笑しそうに笑う。

「面白いリアクションだなあ、ユウタ。そんなに驚くことかよ」

「驚くでしょ!?」

「でも、こいつ、酔うと割とこーだぜ?
てゆうか、たかがキスくらいで騒ぐなって」

シルヴァンは、レッドの頬にキスする。

「そーですよねー、ダーリン♪」

「ダーリンじゃねえ」

レッドに頭を叩かれたシルヴァンは、
生徒代表の元へ行く。

「ジョシュア♪」

頬にキスを受けたジョシュアは、柔らかく苦笑する。

「おかえり、シルヴァン」

「はい♪ 次はア…」

アンリは片手で頬を支えながら冷笑する。

「しても良いけど、末代まで呪うよ?」

爆笑しているのはレッドだけだ。

「お前が言うと、冗談に聞こえねー!」

「昔読んだ呪術書に、そういうの書いてあったんだよね。
いつか実験してみたいなって思ってたんだ」

ハルヤがシルヴァンを引きずる。

「シルヴァン。呪われちゃうから、もう部屋に行こ?
んじゃ俺、この人部屋に連れてくよ」

「頼むよ、ハルヤ」とジョシュア。

レッドは伸びをする。

「んじゃ、俺も寝るわ」

「俺もー。また明日ね。おやすみー」

「うん。おやすみ、レッド、ユウタ」

サロンには、ジョシュアとアンリが残る。

「アンリ、俺達も寝ようか?」

「ねえ。どうして平気でいられるの」

「シルヴァンのことかい? 
酔った上での行為なら仕方ないじゃないか」

「酔っていたら、何でも許されるの?
君も避けられた筈なのに、何故シルヴァンに」

ジョシュアは微笑みながら、自分の頬を指差す。

「アンリも、してみたいのかな?」

冷たい視線が見上げてくる。
アンリは席を立つ。

「おやすみ」

不機嫌にドアが閉められる。
ジョシュアは、くすくすと笑った。


シルヴァンの部屋に着いたハルヤは、
笑顔の酔っ払いを、ベッドに乗せる。

「シルヴァン、ベッドに着いたよ。大丈夫?」

「はーい。大丈夫でーす♪」

「…ダメだな」

「ハルヤハルヤー。僕、今、とってもいい気分ですー♪」

「…良かったね。あれ。シルヴァン…アイヴィーと会ってたの?」

「そうでーす。よく解りましたね?」

「解るよ。アイヴィーの煙草の匂いだもん」

「あー。なるほどですー♪」

「あのさ。アイヴィーにも…その…キス、したの?」

「はい。タクシー代にして来ました♪」

「そう…」

「バトラーにもしましたよ♪」

「…見境なしに、そういうことしないでよ」

「ハルヤー! 妬いてくれてるんですね♪」

「妬いてなんかっ」

「照れ屋ですね、ハルヤは。そこが可愛いです♪」

飛び付いて来た友人と一緒にベッドに倒れ込む。
羽交い絞めにされたまま、見つめられて、
酔っていない人の方が、顔が赤くなる。

「ちょ、ちょっと…シルヴァン…」

「心配しないで、下さい」

「えっ」

「僕が、一番好き、なのは…」

シルヴァンは口の中で何か呟く。
やがて、それは寝息に変わった。

「シルヴァン、うそ…寝ちゃったの?」

規則的な呼吸が返って来る。

「てゆうか身動き取れないし…寝てんのに、なんでこんな力強いんだろ…」

腕ごと抱かれ、手さえ自由に動かない。
シルヴァンから、酒と煙草の香りを感じる。
アイヴィーの匂い。
自分の前に、たくさんの人と触れた唇がある。

ハルヤは息を吐く。

「一番好きなの、誰なんだよ…」



翌朝。
ユウタはシルヴァンの部屋に向かっていた。

「シルヴァン、二日酔いとか大丈夫かなー」

大きな独り言を呟きながら、部屋の前に来るとドアをノックした。

「シルヴァン。おはよー。朝ごはん、食べれそう?」

返事がない。
心配になったユウタは「入るよー?」と扉を開ける。
目に飛び込んで来た衝撃映像に、ユウタは硬直する。

ベッドに寝ている人が二人居た。

シルヴァンの腕の中に居る人が、ゆっくりと目を開ける。

「ユウ…タ…あれ…?」

ハルヤは身体が動かないことに気付く。
昨夜、抱き締められたまま眠ってしまったらしい。
ユウタは既に涙目だ。

「ハルヤ…なんで…シルヴァンと一緒に…」

ユウタはショックの余り、自分の言葉が、
日本語に切り替わっていることにも気付かない。
やっと状況を理解したハルヤも慌て始める。
シルヴァンの部屋で、動揺した日本語が飛び交う。

「ユウタ、これは、あの、そうじゃなくてっ」

「…ハルヤとシルヴァン、なんか仲良いなと思ってたけど、まさかこんなに…」

「そんなわけないじゃん! 本当に昨日は何も!」

「『昨日は』って何なの!?」

「えっと、だから…もうシルヴァン!
起きてよ! ねえ、シルヴァンからも何か言って!」

「ん…」

シルヴァンが目を開ける。
にこりと笑って、呟く。

「大好きです、ハルヤ…」

それだけ言うと、また安らかな眠りに戻った。
残された二人は慌てふためく。

「ば、ばかっ! ちょっと起きてよ、シルヴァン!」

ユウタは泣きながら、部屋から出て行く。

「ジョシュアー! ハルヤとシルヴァンがー!」

「ユウタ、待って!!」


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