忍者ブログ
Marginal Prince Short Story
Admin  +   Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バカンス続編
「心配しなくて良いよ。何処に行ったのは大体解るから」
ジョシュアは微笑んで、ソファに座った。

アンリはウーティス寮から出て行った。
慣れた道筋で広いキャンパスを歩く。
神秘学の研究室。生徒は扉を開ける。些か乱暴だ。
特別講師は読んでいた講義資料から顔を上げる。
「やあ、アンリ」
「紅茶を淹れて」
不機嫌な口調で生徒は教授に命令する。
自分の席と化しているソファに座る。
足を組んで、肘掛けの上で頬杖を突く。
特別講師は、教え子の傲慢な態度をむしろ微笑ましく見ていた。
声に出さずに笑う。資料を机に置いて、席を立つ。
「はいはい」

ダージリン。オーギュストの淹れた紅茶の香りが研究室に満ちる。
「どうしたんだね、アンリ。何か気に入らないことでも?」
「今回の休暇は寮が騒がしくて、嫌になっただけ」
「おや。生徒代表君の他にも誰か残って居るのかね?」
「ユウタ」
「ああ、新入生の彼だね? アンリ、彼のことは気に入っているんだろう?」
「別に」
ユウタからプレゼントされたうさぎのマスコット。
それはアンリのブックバンドにぶらさがっている。
オーギュストは、神秘学の講義の時に毎回見掛けていた。
彼のブックバンドに何かが付いていたのは今年が初めてだった。
気に入らない相手の筈がない。
そこで、はたと他の考えが浮かんだ。
「ああ、そういうことか。それなら心配には及ばないよ、アンリ」
「何の話?」
「アンリの部屋が使えなくて困っているのだろう?
 今宵は、メルキュール館の私の部屋においで」
「僕は、君の部屋に用事はないけれど?」
「それとも第二化学室にしようか? 休暇中だから生徒も来ないだろうし」
「ボージェ教授、神秘学の教室で何をするつもり?」
「プライベート・レッスンだよ、もちろん」
生徒の髪に唇を寄せた。


fin

バカンスに戻る
PR
≪ バカンス3。   *HOME*   バカンス1。 ≫
カレンダー
06 2026/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
キャラ名、CP名などで作品検索可
アーカイブ
カウンター
バーコード
material by bee  /  web*citron
忍者ブログ [PR]