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Marginal Prince Short Story
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バカンス続編
「君のせいじゃないからね? アンリは休暇中、いつも機嫌が悪いんだよ」
「そうなの? よく、知ってるんだね、ジョシュア」
「長い付き合いだからね」
微笑して、自分の席に座る。自分でカップに紅茶を注いだ。
ジョシュアもアンリも休暇中は家には戻らない。
帰る家はある。しかし、其処は帰りたい場所ではなかった。
そう言えば、とユウタが話し始める。
「休暇に入ってからのアンリ、ちょっと近付き辛いんだよね。
 なんか『僕に話し掛けるな』みたいなオーラ出ててさ」
「ごめんね、ユウタ。アンリのことは気にしなくていいから」
「あ、あのさ、ジョシュア。俺、やっぱり、アンリに嫌われてんのかな?」
「そんなことないよ、ユウタ」
実際には、アンリがユウタを避けているのはジョシュアも感じていた。
先もユウタとは言葉を交わしていない。
今回の休暇、アンリはいつも以上に機嫌が悪い。
その理由のひとつとして、思い当たることは。
帰れる家を持っているユウタへの憧憬かもしれない。
ぶつけようがない憤りを抱えて、苛々しているのではないか。
いや、羨ましいと自覚さえしていないのかもしれない。
――どうして君が、寮に残るの?――
ユウタが今回は残ると言った時、アンリは不機嫌になった。
おそらく、こういう意味だったのだろう。
『どうして君が寮に残るの? 君には待っていてくれる人が居るのに』
自分の推測に過ぎないけれど。
そんなふうに、ジョシュアは感じていた。
何故なら、自分も少しそう思ってしまったから。
「貴女のような人が、俺にも居ると良いのに」


fin

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