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■バカンス続編
一方その頃、ギリシャでは。
デッドプリンスは目的の家に辿り着いた。
空港から迎えの車が用意されていたことにも驚いたが、
ハルヤにとっては今が一番、自らの目を疑っている。
車から降ろされたところ、その前に見えるのは。
「え…マジで? 此処がテオんち?」
シルヴァンは運転手から荷物を受け取りながら、
「さすが海運王といったところでしょうか♪」
アルフレッドは額に手をやる。
「ハリウッドで見たことありそうな家だなー」
隣の二人が割りと笑顔で居られることにもハルヤは驚いた。
「ねえ、これってさ、家っていうか、お城じゃないの?」
「とにかく入ろうぜー。オレンジジュース飲みたいし、俺」
高級過ぎて居心地の悪い空間で待たされていると、懐かしい声がその場で反響した。
「やあやあ、よく来てくれたね! デッドプリンス諸君!」
昨年度の生徒代表は、両手を広げて大歓迎を表した。
テオ・メネシス。ギリシャ有数の資産家である海運王の子息。
卒業後は後継者として家の仕事を手伝っている。
豪華絢爛な衣装で登場した旧友に、ハルヤは呆然とする。
アルフレッドは進んでハイタッチした。
「よおっ、テオ! 久し振り! 招待してくれてサンキュ!」
「こちらこそ、来てくれて嬉しいよ、アルフレッド」
「お久し振りです、テオ。それ、素敵な服ですね」
「ありがとう、シルヴァン。少し地味かと思っていたのだけれど」
「いえいえ。王様みたいでカッコイイですよ」
テオの言動は在学中とまるで同じだった。そのことにハルヤは少しほっとした。
テオはアルフレッドとシルヴァンの間を通り、
もう一人のデッドプリンスの前に進んだ。
感極まった表情で、テオはハルヤをひしと抱き締めた。
「ああ…会いたかったよ、東洋の黒い真珠!」
「なっ、おい、テオ! ハルヤを離せっ!」
「ちょっと、テオ、ズルイですよ!」
感動の再会から始まったデッドプリンスの休暇は、とても楽しいものになった。
テオが新調した船でエーゲ海をクルージングして祭りのように時間が過ぎ去っていった。
一日ハイテンションな人達に振り回されたハルヤと、
はしゃぎ過ぎたアルフレッドは、テオの家に戻ると眠ってしまった。
かなり騒いでいるように見えたシルヴァンとテオは、
二人の寝顔を肴にシャンパンを酌み交わしていた。
「閉じられた東洋の黒い真珠もまた、なんと神秘的なのだろう」
「お気持ちは解りますが、眺めるだけにして下さいね?」
シルヴァンは微笑みながら嗜める。
「解っているよ。ああ…今日は君達のおかげで楽しかった。夢のようだったよ」
「それは僕達もです。あの、テオ。聞きたいことが2つあるのですが」
「なんだい?」
「もしかして、ご結婚の時期が近いんですか?」
「うん、そうなのだよ」
「だから今、僕達を呼んだんですね。自由な時間があるうちに」
「そうなんだ。すまない。迷惑だったかな」
「まさか。ご結婚おめでとうございます、とは言い難いようですね」
「結婚というものは愛する人と、
結ばれることだと思っていたのだけどね。違うようだよ、この家では。
それで、もうひとつ聞きたいことというのは?」
「あ、ええ。もし知っていたら教えて欲しいのですが、クラウスは元気ですか?」
「クラウス…」
「学院では彼の近況がまるで聞こえてこないんです。
今何処に居るのかもよく解らなくて。テオは彼と親しかったでしょう?
彼から何か連絡ありました?」
「いいや、ないよ」
「テオ…? 本当に何も知らないんですか?」
「うん。解らない…」
テオの元に可笑しな手紙が一通だけ届いていた。
卒業後初めて来た、クラウスからの連絡。
彼の直筆で、ただ一言だけ。
それはまるで――
fin
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一方その頃、ギリシャでは。
デッドプリンスは目的の家に辿り着いた。
空港から迎えの車が用意されていたことにも驚いたが、
ハルヤにとっては今が一番、自らの目を疑っている。
車から降ろされたところ、その前に見えるのは。
「え…マジで? 此処がテオんち?」
シルヴァンは運転手から荷物を受け取りながら、
「さすが海運王といったところでしょうか♪」
アルフレッドは額に手をやる。
「ハリウッドで見たことありそうな家だなー」
隣の二人が割りと笑顔で居られることにもハルヤは驚いた。
「ねえ、これってさ、家っていうか、お城じゃないの?」
「とにかく入ろうぜー。オレンジジュース飲みたいし、俺」
高級過ぎて居心地の悪い空間で待たされていると、懐かしい声がその場で反響した。
「やあやあ、よく来てくれたね! デッドプリンス諸君!」
昨年度の生徒代表は、両手を広げて大歓迎を表した。
テオ・メネシス。ギリシャ有数の資産家である海運王の子息。
卒業後は後継者として家の仕事を手伝っている。
豪華絢爛な衣装で登場した旧友に、ハルヤは呆然とする。
アルフレッドは進んでハイタッチした。
「よおっ、テオ! 久し振り! 招待してくれてサンキュ!」
「こちらこそ、来てくれて嬉しいよ、アルフレッド」
「お久し振りです、テオ。それ、素敵な服ですね」
「ありがとう、シルヴァン。少し地味かと思っていたのだけれど」
「いえいえ。王様みたいでカッコイイですよ」
テオの言動は在学中とまるで同じだった。そのことにハルヤは少しほっとした。
テオはアルフレッドとシルヴァンの間を通り、
もう一人のデッドプリンスの前に進んだ。
感極まった表情で、テオはハルヤをひしと抱き締めた。
「ああ…会いたかったよ、東洋の黒い真珠!」
「なっ、おい、テオ! ハルヤを離せっ!」
「ちょっと、テオ、ズルイですよ!」
感動の再会から始まったデッドプリンスの休暇は、とても楽しいものになった。
テオが新調した船でエーゲ海をクルージングして祭りのように時間が過ぎ去っていった。
一日ハイテンションな人達に振り回されたハルヤと、
はしゃぎ過ぎたアルフレッドは、テオの家に戻ると眠ってしまった。
かなり騒いでいるように見えたシルヴァンとテオは、
二人の寝顔を肴にシャンパンを酌み交わしていた。
「閉じられた東洋の黒い真珠もまた、なんと神秘的なのだろう」
「お気持ちは解りますが、眺めるだけにして下さいね?」
シルヴァンは微笑みながら嗜める。
「解っているよ。ああ…今日は君達のおかげで楽しかった。夢のようだったよ」
「それは僕達もです。あの、テオ。聞きたいことが2つあるのですが」
「なんだい?」
「もしかして、ご結婚の時期が近いんですか?」
「うん、そうなのだよ」
「だから今、僕達を呼んだんですね。自由な時間があるうちに」
「そうなんだ。すまない。迷惑だったかな」
「まさか。ご結婚おめでとうございます、とは言い難いようですね」
「結婚というものは愛する人と、
結ばれることだと思っていたのだけどね。違うようだよ、この家では。
それで、もうひとつ聞きたいことというのは?」
「あ、ええ。もし知っていたら教えて欲しいのですが、クラウスは元気ですか?」
「クラウス…」
「学院では彼の近況がまるで聞こえてこないんです。
今何処に居るのかもよく解らなくて。テオは彼と親しかったでしょう?
彼から何か連絡ありました?」
「いいや、ないよ」
「テオ…? 本当に何も知らないんですか?」
「うん。解らない…」
テオの元に可笑しな手紙が一通だけ届いていた。
卒業後初めて来た、クラウスからの連絡。
彼の直筆で、ただ一言だけ。
それはまるで――
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