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Marginal Prince Short Story
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バカンス続編
一方その頃、保健室では。
「ちわー。休暇中の保健室は開店休業かなー?」
「此処には平日も休暇もない」
背の高いタクシードライバーが訪ねて来た。
アイヴィーと周囲に呼ばせている金髪の男だ。
青のワイシャツは、その身体に刻まれた無数の傷を覆っている。
傷の存在を知る者は、この島には居ないのかもしれない。
ただ、一人を除いては。
首許にぶら下がっている黒のネクタイ。
存在意義が見出せないほど緩く結ばれている。
ただ、一つの使い道を除いては。
ドライバーは自分の席と言わんばかりに、簡易ベッドへと腰を下ろす。
「あれれー? ソクちゃん、その机に乗っているのは?」
「消毒用エタノールだ」
「センセ? それお酒代わりに飲んでたんじゃないのー?」
ドライバーはからかうつもりで言ったのに、逆に笑われた。
医師は意味深な含み笑いを見せると、席を立った。
「証拠でも探してみるか?」
医師は緩んだネクタイを引く。
よろめく身体。目前に差し出された顎。
息を呑んだと同時に、口呼吸を妨害してやる。
無防備な唇を割って入る。
学院の保健室で、濃厚な数十秒が過ぎていく。
涙目で睨まれて、嗜虐心がくすぐられる。
やっと解放されたアイヴィーは、咳き込んだ。
「お前、保健室で…」
「開店休業だからな、休暇中は」
「それ言ったの俺だろ。此処には平日も休暇もないんじゃなかったのか?」
「全てはお前が望んだこと。私はそれを与えてやっているだけだ」
「ズルイこと言いやがって…けど、もし、誰か来たら…どう、するんだ」
サディストは嘲笑った。
「記憶を消すまでだ」
「鬼…」
ドライバーの頬を指でなぞる。
「ということで。もう少し楽しませろ」


fin

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