忍者ブログ
Marginal Prince Short Story
Admin  +   Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

■ウーティス寮の愉快な仲間達
今日は皆でスパに来てみました 続編
皆で温泉に来たウーティス寮生達。
ジョシュアはビーチチェアの傍に立つ。
横たわっているのは長い付き合いの友人。
少しのぼせてしまった為にビーチチェアで休憩中だ。
ジョシュアの手にはミネラルウォーターとカップ。
蓋を開け、とくとくと透明な液体を注ぐ。
「アンリ、水を持ってきたよ。飲めるかい?」
無言で受け取って口付ける。
飲み終わると、はあ、と息を吐いた。
濡れた唇に、薄桃に色付いた肌。
アンリは自分に向けられた視線に気付く。
「ねえ、何が可笑しいの?」
「テオが君のこと『氷の微笑』って言ってたのを思い出して」
前年度の陽気な生徒代表が、アンリのことをよくそう呼んでいた。
アンリは彼のような人種は苦手だったので、あまり相手にしていなかったが。
「それがどうしたと言うの」
「氷だから、スパに負けてしまったのかなと思ってね」
身を屈め、耳許に口を寄せる。
「冷たい君も良いけど、火照ったアンリも可愛いね」


シルヴァンはハルヤの後方で首を傾げていた。
「あのー、ハルヤ? それは卵…ですよね?」
「うん。卵」
ネットに入れた12個の卵。
腕を伸ばして、そうっと源泉に浮かべる。
ぷかぷかと卵達が温泉に浸かった。
「これでいっかな」

遠巻きに眺めていたアンリとジョシュアは、
ハルヤの行動を理解できずにいた。
「不思議な人だと思っていたけれど、何してるの、彼」
「さあ…なんだろうね」
「これだから日本人は」
傍にアルフレッドが来る。
その後ろに居たユウタはハルヤの元へ駆け出した。
「あー。ハルヤ、温泉卵作ってるのー?」
同郷の友人の声にハルヤが振り向く。
「うん。みんなで食べようと思って。ユウタは温泉卵、好き?」
「好きー。楽しみだなー。これ、全部でいくつあるの?」
「12個」
「じゃあ、みんなで2個ずつだね?」
「ううん。みんなは1個で俺が7個」
卵はゆらゆらと温泉に浮かんでいる。
「あ、ユウタ、2個食べたかった? いいよ?」
「あー、ううん。ハルヤが7個でいいや」
「そう?」


「いただきまーす」
温泉から上がって、皆で食べた。
ユウタは笑顔でできたての温泉卵を口に入れる。
「うわー。すごいちゃんと温泉卵になってるー」
半熟卵と違い、黄身より白身が柔らかい。
初めて食べたジョシュアは少し驚いた顔をしている。
「面白いね、卵じゃないみたいだ」
「そう言えば、温泉卵ってこの島にないですよね?」
「うん。そうみたいなんだ」
「じゃあさ、名前決めようぜ、俺達で!」
えっ、というハルヤの声は周囲の盛り上がりに掻き消される。
「良いですね! ウーティス寮の皆で決めちゃいましょう♪」
「わー。面白そうだねー。何にしようかー」
「では『たまご怪獣』なんてどうでしょう♪」
シルヴァンらしい名前に、ユウタが笑う。
「もー、シルヴァン、それ『怪獣』って付けたいだけじゃん。
 そだ!『天使のほっぺ』はどうかなあ?」
「天使と名付いたメニューは既出だよ」
「あー、『天使の顔した毒舌使い』とかな」
笑顔のハリウッドスターをアンリが睨み付ける。
「そんなメニューはないでしょ」
「じゃ『危険な水死体 エピソード2』はどーよ!」
「単細胞だね。それじゃ、映画のタイトルみたいだよ」
「ニッポンのメニューですから、サムライっぽい名前にしましょうよ!」
「サムライ? どういうの?」
「『ハラキリ卵』はどうでしょう!」
「シルヴァン…それはちょっとグロテスクじゃないか?」

名前決めで盛り上がる友達を見ながら、ハルヤは一人で困っていた。
ユウタのお姉さんに、名前を考えてみて、と先程言ったばかりなのだ。

(どうしよ…お姉さんのメール、待ってるのに…)


fin
PR
カレンダー
06 2026/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
キャラ名、CP名などで作品検索可
アーカイブ
カウンター
バーコード
material by bee  /  web*citron
忍者ブログ [PR]